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2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅩⅣ 

―2回表 A.D645年 日本 Take 6―

       ****配 役****
       パタリロ8世:湯島昌幸
       バンコラン :霧原直人
       マライヒ  :霧原直也 

「マライヒ、奴らの方を見ない方がいい」
バンコランはマライヒの体を反転させ胸に引き寄せた。
「うん」
マライヒはバンコランの腕の中で息を整えている。
「おいおい貧血か、マライヒ?ホレ見ろ、言わんこっちゃない。
 美形は食べなくても平気なんだと寝ぼけたことを言ってるからそうなるんだ。
 男の貧血なんてみっともないぞ。
 三食きちんと食べろ、僕のように」
「お前のように食べてたら、あっという間にメタホリック症候群だ」
「えーい、うるさいわい。お前らにかまけていたら、
 入鹿がいつの間にかいなくなってしまったじゃないか!」
「その代わり、違う人物がやって来たみたいだよ」
今まで伏せていた顔を持ち上げてマライヒが言った。
「にゃにい?」
マライヒの言う通り、入鹿と入れ違いに15、6歳くらいの若者が西側の回廊から姿を現した。
「兄上、入鹿はだいぶ立腹のようですね」
「大海人か」
中大兄皇子は回廊の方を振り向くと同時に、そちらに向かって歩き始めた。

「兄上だと?誰がこいつの兄上だ?」
「この者はおおあまのおうじ。中大兄皇子の弟だ」
マライヒに代わって、バンコランが説明した。
「『おおあまのおうじ』?ははあ、わかったぞ。
 年取ってから出来た末っ子なもんだから、
 両親が猫っ可愛がりで甘やかされて育ってしまったんだな。
 この大甘といい、中野大エロといい、どういう育てられ方をしてるんだ?
 親の顔が見てみたいもんだ!」
「お前こそ、どういう脳と耳の構造をしてるんだ?
 少し黙って奴らの話を聞け!」
「へ~い」
「マライヒ、歩けるか?少し移動するぞ」
「うん、大丈夫」
バンコランはマライヒの肩と腰を支えながら、一同がいる近くへ移動した。
そんな2人の様子を見ながらパタリロは、
(こっちの兄ちゃん達の方が大甘だな)
と声に出すとブッ飛ばされるのがわかっていたから心の中で呟いた。

「兄上。入鹿は野守が止めるのを振り切って、
 薬狩りの地を横切ってここへ来たようです。
 先程、野守の1人が知らせて参りました」
「ふーむ。いよいよもって目に余る振舞い。
 きつく懲らしめてやらねばわからないようだ」
「皇子。決心なされましたか?」
「そうだな。4日後だ」
その時、大海人皇子の従者が彼の元へ来て何事かを告げた。
「蘇我倉山田石川麻呂が参りました、兄上」
「ほほう、来たか・・」
そう言う中大兄皇子の背後で鎌足が薄く笑った。

「何ちゅー長ったらしい名前の奴!そがのくらくら・・何だ?」
「そがのくらやまだのいしかわまろ、わかった?」
今度はマライヒが説明した。
「そがのくら、やまだの、いしかわさ☆り。
 そうとも。この惑星(ほし)の八代○紀もいいが、石川さ☆りも捨て難い。
 石川さ☆りときたら『天城越え』だが、僕的にはあれがいい。
 あー題名忘れたが、♪乱れて咲いても花は花~♪ってやつ・・」
「バカ。それは大月み◇こ・だ!」
「ああ、僕もっと具合悪くなりそう」

あれやこれや言っているうちに、蘇我倉山田石川麻呂が姿を現した。
入鹿と同じような頬骨が張った顔立ちをしているが、背丈も腰も低い男だった。
「石川麻呂、よくぞ参られた」
中大兄皇子が声を掛けた。
「入鹿の従弟であるなれ(そなた)に相談事があってご足労願った。
 遥々大儀であった」
「かたじけのうございます、大兄皇子」
「大事な話故、ここでは何だ。皆、私の宮へ参られよ」
4人は連れ立って飛鳥寺を後にした。

「レレ!?行ってしまったぞ。おい、後を追ってみるか?」
「ううん、その必要はないよ。僕が読み取ってみる」
「大丈夫か、マライヒ?」
「うん、何とか・・心配しないで」
バンコランを見上げると、腕を離れて4人が先程までいた場所に近付いて行った。
パタリロもマライヒの後を追うのをバンコランが制止した。
「何故止める?」
「これからマライヒは気を集中させて奴らの残留思念を読み取るんだ。
 ほにゃららなお前が行くと集中できない」
「フ~ンだ。イタコみたいな奴だな、お前の相方は」
やがて、「おぼろげだけど読めたよ」
マライヒの声がした。
「何がわかった?」
「石川麻呂は軽皇子の妃と密かに逢ってるね」
「カルビの妃と?ということは、人妻じゃないか!?」
「そう、不倫。それも皇族に嫁いだ女性が相手。
 運の悪いことに2人が密かに逢ってるところを鎌足に見られたみたいだよ」
「最も見られてはいけない奴に見られていたという訳だ。
 間抜けだな、石川さ☆りめ」
「昔なら姦通罪ってやつだ。 
 そこを鎌足に付け込まれて強請られたんだな」
「うん。蘇我氏の中に内通者を作り、入鹿の動きを事前に知っておこうという考えだよ。
 あっそれと、今日のことも鎌足が仕組んだこと。
 今日大王が飛鳥寺へ来るのをわざと入鹿に知らせなかったのも、鎌足の策謀。
 次は絶対知らせるからと言って、
 次の知らせの時は入鹿が必ず来るように仕向けている。
 空腹な虎は獲物に向かって行く力が凄いからね。
 その獲物が罠だと知らずに飛び込んで行ってしまう」
「罠?4日後と中大兄皇子は言っていたな?」
「うん。三韓?でいいのかな?
 三韓とは百済・新羅・高句麗のことだよね?」
「ああ、おそらくな・・」
「4日後三韓の使いが参内すると嘘の知らせを伝えて、入鹿をおびき寄せて一気に・・
 僕が鎌足から読み取ったのはここまで・・」
ここまで言うと、フラ~ッとマライヒの体が傾いた。
「マライヒ!!」
バンコランは急いでマライヒの両肩を支えた。
「ごめん。これ以上はわからなかっ・・」
バンコランの胸へと倒れ込んだ。
「もういい、マライヒ。ここまでわかれば十分だ。
 それ以上鎌足のマイナスの意識に触れてはいけない」
優しく抱きすくめ、髪にそっと唇を寄せた。
「よ~し、わかったあ!!4日後に一気にワープだ!!!
 へへへへ盛り上がって来たぜぃ、ベイビィー☆」
パタリロは威勢のいい声を響かせ拳を突き上げた。
「待って、パタリロ。
 ねえバンコラン、ワープの前にどこか大きな木がある所に連れて行って」
「わかった」
バンコランはマライヒを抱き上げると、西側の回廊外の大きな桜の木へと向かった。 

☆★~☆★~☆★~☆★~☆★~☆★~☆★~☆★~☆★~☆★~☆★~

樹木のエネルギーによってマライヒが回復した後、3人は4日後の飛鳥寺へやって来た。「ここ飛鳥寺だよね?ここにいても入鹿は来ないよ」
「へっ?」
「板蓋宮に行かないと事件は起こらないよ」
「アホ、早く移動しろ!」
「ったく、人使いの荒い男だ。移動~~~!!!」

「次は飛鳥板蓋宮前、飛鳥板蓋宮前。♪ピンポン、はいはい次降りま~す」
「ちょっと、バス停じゃないんだから~」
「ふーん、王宮というのは間口は狭いが、奥行きはだいぶありそうだな。
 この中に大極殿がある訳だ」
「何だ、それは?」
「今日の事件現場になる所だよ」
「やはり会議室で事件が起きる訳ではないんだな。
 青島刑事の言った通りだ」
「アホんだら。問題はどうやってその大極殿に入り込むかだ」
「要するにこれは入鹿を罠にはめるドッキリカメラと同じやないか?
 招待状なんか要らないはずだ。誰かに頼み込めば簡単に」
「誰かって誰だ?国王のお前は関係者に知り合いがいるってのか!?」
「大体、ひ弱なマライヒなんかを現場に入れて大丈夫なのか?
 事件当日なんだぞ。入鹿の背後、モヤモヤどころか真っ黒だぞ。
 そのうえどいつもこいつも殺意ギラギラだ」
「うっ、それは・・・」
マライヒを心配するバンコランは、痛いところを突かれて言葉に詰まった。
「僕なら平気。結果がわかってることだから、覚悟はできてる・・」
その時、1人の屈強な男が声を掛けて来た。
「お前達、何者だ?」
「へっ?えー私は越後のちりめん問屋の光右衛門と申しまして・・」
パタリロの後ろで2人はズルリとコケていた。
「そこにひれ伏す者達は番頭の“おぎ○はぎ”」
(僕達お笑い芸人にされちゃったよ)
(自分は水戸黄門ってか?)
「越後?“おぎ○はぎ”?何だそれは?
 全く訳がわからんがまあよい。1人でも多くの者が必要な時だ。
 3人共、我に付いて参れ!」
「あ、あの、僕達中に入れるんですか?」
「そうだ。ちょっと“フリ”をしてもらえばいい。
 褒美ははずむぞ。ただしこの中のことは他言無用だ」
「まあ、私達♪ラッキー・クッキー・八代アッキーよねえ~♪
 中に入れた上にエキストラのギャラまでもらえるんだって~」
「いいのかな~?こんな安易で」
「いいんだ。所詮ギャグマンガだから、設定がユルい、ユルい。
 こいつの頭と一緒だ」
「おだまり!男は決まったことにネチネチ文句たれないの!!」

都合良く3人は三韓の使者一行として、大極殿の中庭に入ることができた。
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2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅩⅢ 

―2回表 A.D645年 日本 Take 5―

       ****配 役****
       パタリロ8世:湯島昌幸
       バンコラン :霧原直人
       マライヒ  :霧原直也 

何だかんだ言いつつ丘を下りまた飛鳥川沿いに歩き、3人は大原付近へとやって来た。
途中見張りの役人が数人立っている土地があった。
「あそこには立ち入るなということか・・」
「所轄の現場検証か?十津川警部がいたりして」
「違うよ。朝廷直轄の土地だから勝手に入り込まないように見張っているんだよ。
 あそこは薬草狩りをする所」
「薬草?トリカブトとかドクダミとか生えてるのか?
 この広い野原いっぱいのドクダミなんか見たくないね」
「アホ。紫草だ、紫草。額田女王の歌に出て来・・」
その時、「バンコラン、誰か来る」
マライヒがバンコランを振り返った。
「誰かって・・?」
「この道を空けた方がいいよ」
「何かありそうだな。わかった。全員馬から下りよう」
「本当に誰か来るのか、マライヒ?」
「マライヒが言うんだから本当だ。さっさと下りろ、青いケツ!」
「そんなに僕を下ろしたいんなら、手を貸してくれ、バンコラン」
パタリロはバンコランに向かって両手を伸ばした。
「何だ、その手は?」
「抱っこ~☆」
「甘ったれるな。1人で下りろ」
「下ろしてくれないなんて、ガッカリだよぉ~」
「つき損ねた餅のような顔でほざくな」
「そういう不遜な態度をとっている奴には、そのうち貞子の呪いが来るぞ。
 大体バンコラン、お前なあ、藤原佐○のコスプレをしているくせに何だ。
 ボケとか青いケツとかスチャラカ野郎とか、
 もっと雅で上品な物言いができないのか!?」
「お前の方こそ厩戸皇子の格好で、
 犬の睾丸やらこえだめやら乳房噛まれて悶えるやら、
 言いたい放題針小棒大だろうが!」
「にゃにい、防大?僕は防大の白い夏服に萌えるんだなあ。
 輝く若い肉体が着用する白の開襟シャツと白ズボン。
 あの清冽さが、嗚呼、たまらん」
「お前のアブノーマルな趣味なんか聞いちゃいないんだ(-_-#)」
バンコランは扇子をパタリロの顎の下に差し入れ、グイグイっと顔を無理やり上向かせた。
「アアア・・・アォーンゴロニャーンt(^^)」

マライヒは馬に路傍の草を食べさせながら、笑いを堪えていた。
(よく台本もなしに、あれだけボケツッコミができるなあ。
パタリロはともかく、バンコランって意外と芸人気質なのかも。
フフ・・僕はお笑いライヴをタダで聴けるんだから得しちゃってるね)
「ねっ、面白いでしょ、あの2人」
思わず馬に話し掛けた。
(でもそろそろ止めなきゃね。何かただならぬ気配がするんだもの)
「ねえ、2人共その辺にしたら?大声出してると見張りの人達に怪しまれるよ」
「そうだ、バンコラン。お前は思いっきり怪しい」
「アホぬかせ。おい、パタリロ。しょうがないから、今回だけは手を貸してやる」
バンコランはパタリロの腰をガバッと掴み、小脇に抱えるようにして下ろした。
「とっとと下りろ。作柄不良の米俵!」
「何ちゅー言い草や~!21世紀に戻ったらジャイアンの歌を3時間ブッ続けで聴かせてやるからな(゛◇″)」
バンコランはパタリロを無視して、マライヒのそばに行った。
「道を空けなければならない程偉い奴が来るのか?」
「偉いかどうかはわからないけど、随分と気が立ってるみたい。
 何か荒々しい波動を感じるよ」
「気が立ってる?危険そうだな。ま、関わらない方がいいってことか」
「うん」
3人は道の端に寄りながら歩いた。

やがて件の人物がやって来た。
「どけどけどけどけ~~!大臣(おおおみ)蘇我入鹿様のお通りであるぞ~!!」
先導役の男が走りながら叫んでいた。
「急げ~、もっと急がんかああ~~!!」
輿に乗っている男が更なる大声を張り上げた。
輿は左に曲がろうとしたが「馬鹿者!真っ直ぐ行かんかあ~!」
「しかし入鹿様、そちらは薬狩りの・・」
「わかっておるわ!だが構わん、行くのだ。行け~~!」      
そんな暴挙を見張りの役人が許すはずがない。
「何処に参られる、入鹿殿?ここは薬狩りの地ですぞ!」
「そんなことは百も承知だ。だが我は先を急がねばならぬ。
 飛鳥寺で一大事が起こったのだ。大臣として一刻も早く駆けつけねばならぬ。
 しかるに、飛鳥寺へはここを突切った方が早い」
「なりませぬ!」
「黙れ、我を何と心得る!?」
「たとえ大臣殿であろうとここをお通しする訳には参りませぬ!」
「何を~この下っ端役人共めが(-_-〆)
 ええ~い、構わん。者共、突破しろ~~!」
「なりませぬ、おやめ下さい!!」
「行けえええ~~」
とうとう大臣一行は、立入禁止の地を強行突破してしまった。

3人はその一部始終を遠巻きに見ていた。
「何者だ?あの猪のような男は?」
「入鹿という名の馬鹿者だ」
「あれが有名な蘇我入鹿・・だよね?」
「そうだ。あれでも大臣(おおおみ)、この国の首相だ」
バンコランもマライヒも入鹿が去って行った方をしばらく眺めていた。
「フーム、そがのいるか、いるか、いるか・・」
「ア~今入鹿で何かギャグを考えてるでしょ?」
「何故わかる?」
「ギャグを考えてる時の君って、寄り目になってるんだもん」
「んがググ・・」
「入鹿っていうのはとんでもない愚か者だな。
 朝廷の所領に許可もなく入って行きやがった。
 どんな重い罪になるか知らない訳でもないだろうに」
バンコランが呆れて言った。
「聞きしに勝る暴虐無人ぶりだね」
「談合入札制度があったら、真っ先にワイロをもらいそうなタイプだな」
パタリロでさえ呆れて言った。
「ねえ、パタリロ。君のワープの正しさが証明されるかもしれない。
 今までの流れでここが日本だというのはわかったけど、
 645年かどうかまではわからなかった。
 でもこれから起こることではっきりしてくると思うよ」
「ほほう、そうだろ、そうだろう」
得意そうに頷いて見せた。
「マライヒ、入鹿は確か飛鳥寺と言っていたな?」
バンコランはマライヒに確認した。
「うん。行ってみる、飛鳥寺へ?」
バンコランを見上げながら答えた。
ところが、バンコランが答えるより先にパタリロが啖呵を切った。
「あたぼうよ。こちとら江戸っ子でぃ。人(しと)の不幸は蜜の味とくらぁ」
「変な江戸っ子!」
そんなこんなで3人は、見張りの役人に飛鳥寺への道を聞いた後、
再び乗馬して北へ向かった。

「ここか?」
「ここだ」
「入ってみよう」
南門をくぐると中にもう1つ門があった。
中門をくぐって見渡すと、1つの塔とその塔を取り囲む形で3棟の金堂が建っていた。
更に1塔3金堂を取り囲む形で、中門からぐるりと回廊が廻らされていた。
寺域は案外広く、蹴鞠に興じる者達もいた。
「一見の者としては中央の参道を歩くのはちょっと勇気がいるよね」
「ああ。回廊をグルッと歩いてみよう」
「しかし、寺なんてつまらぬ所だな」
「当たり前だ。寺に遊戯施設がある訳ないだろ」
「温泉でもあったら寺は栄えると思うが。
 掘っても温泉が出ないなら、沸かし湯でも構わん」
「ベツレヘムにテレポートした時に言ってたけど、君は禅宗じゃなかった?」(当小説Ⅸを参照)
「んあ、そうだった」
「君の言動は随分仏の教えとかけ離れているように思うんだけど」
「こいつに煩悩が捨てきれる訳がないんだ」
「やかましい。僕はこういう片田舎に来たからには、
 温泉にキューッと肩まで浸かって、極楽浄土の気分を味わいたいと・・」
その時西側の回廊から数人の話し声が聞こえてきた。
その中に一際大きな声でわめき立てている者がいた。
「あ、あの声は!?」
「あのバカでかい声は入鹿だ」
「おい、お前ら。もう少し近付いてみるぞ。
 折角コスプレして来て何だが、また“のぞき”をするはめになりそうだな。ウププvv」
3人は可能な限り彼らに接近し、太い柱に隠れて会話を盗み聞きした。

「この飛鳥寺は我が蘇我の氏寺ですぞ。
 なのに本日の事を何故入鹿に知らせて下さらなかったのです?
 父・蝦夷の配下の船恵尺(ふねのえさか)が、
 使いを走らせ知らせてくれたから良かったようなものの、
 私はもう少しで恥をかくところでした」
「ですから大臣、先程から何度も申しているように、
 百済の使者が忍びで参って、本寺の飛鳥大仏を見たいと申し出た故、
 大王(おおきみ)自らが案内をしたまでのこと。
 あくまでも大王の私的な用事故、なれ(そなた)に手間を取らせる必要はないと判断したのだ」
「しかし、我が氏寺に大王が詣でておられるのですぞ。
 大臣であり、蘇我総本家の惣領である私がこの場にいないというのは、ゆゆしきことでありませぬか!?
 大兄皇子(おおえのみこ)は初めからこの入鹿に恥をかかせようと思し召されたのではありますまいか?」
「入鹿、口を慎め!大兄皇子に対して無礼であろう」
「よいのです、叔父上。入鹿が怒るのももっともです」

「そうか。こういう事情があったから入鹿はむかついていたのか」
「自分がスルーされたと思ったんだね」
「つまりこういうことか。ボストン・レッド△△△スのオーナーが極秘で来日して、
 西武@@@@ズのオーナーと会見し、『おたくの松☆が欲しい。
 移籍金はなんぼでも出す』と持ちかけたところ、
 西武のオーナーは◇東監督を全く無視してこの話を進めてしまったと。
 わかりやすく言えばこういうことだな」
「君の例えは、凄くタイムリーでわかりやすいね」
「フーム。ところで入鹿が文句をたれている相手、あの若い男は一体誰だ?」
「中大兄皇子だよ」
「中野大江戸王子?中野から王子へは東西線でまず飯田橋まで行って、
 そこで南北線に乗り換えるのが一番早い。
 都営大江戸線ではない。東京メトロ南北線だ、南北線。
 大江戸線は王子には通ってない」
「誰が“駅すぱあと”をやれと言った!?
 あの者は『なかのおおえのおうじ』と云うんだ。
 わかったか、この芋たこなんきん!!」
「ホントにどういう耳をしてるんだか?」
「こういう耳だわい!」
パタリロは頭に何かを装着した。
「うわっ、猫耳!!」
「装着シャキーンvってな。
 それとオーバーニーソックスとミニスカの間にチラリと見える生太腿。
 更に上目遣いで『お兄ちゃんv』と呼ぶ妹キャラ。
 この3つは絶対領域としてマストだ!属性3種の神器だ」
(ふうん。猫耳、生太腿、妹キャラか・・)
バンコランは事もあろうに、メイド服を着て猫耳を付けたマライヒが、
「兄さん・・」と言って自分を呼ぶ姿を想像した。
(か、可愛いvvv)
「ちょっ、バンコラン。何考えてんの(-_-#)!?」
(しまった。俺の思っていることはマライヒには全部筒抜けだった)
かなりお間抜けなバンコランであった。

「んで、その中野が叔父上と呼んでいたのは何者だ?」
「ねえ、バンコラン、『小○館漫画日本の歴史』を見せて」
「ん?ああ」
マライヒに本を手渡した。
「えーと、あの人は現大王の弟・軽皇子(かるのみこ)だよ」
「カルビの皇子?ほほう、もうこの時代には、朝鮮半島から焼肉を食す文化が伝来していたのか?」
「ダメだ、こいつ。先天性の難聴だ」
そうこう言っていると、3金堂のうちの1棟から1人の女性と1人の男性が出て来た。
中大兄皇子・軽皇子・蘇我入鹿をはじめとした皇族群臣達が彼らの元に駆けつけ跪いた。
女性は膝丈の黄色の上衣に赤・緑・白のストライプのスカートのような物を身に付けていた。
金色の冠を被り、手には“さしば”と呼ばれる顔を覆う道具を持っていた。
「あれが大王だよ。皇極天皇。やっぱりオーラがあるね」
「中大兄皇子の母親か。息子が20歳ぐらいだとすると、
 昔は結婚が早いから、30代後半から40代前半というところだな」
(フン、僕の母上の方が若くてナイスバディだ)

大王は皆の前で大仏を見に来た百済の使者と言葉を交わした後、使者と通訳を連れてその場を立ち去った。
軽皇子は大王に付いて行った。
まだ境内に残っている中大兄皇子へ蘇我入鹿が言葉を掛けた。
「皇子。今後は大王の私事であっても、入鹿に必ずお声を掛けて下され。頼みましたぞ」
「入鹿よ。本日は誠に大儀であった。
 なれの今申したこと、しかと心得た。今後はそのように致す」
このようなやりとりを西側の回廊からじっと眺めている1人の男がいた。
入鹿と同じくらいの年格好だが、白皙で頭が切れそうな雰囲気を湛えていた。
「鎌足!」
中大兄皇子はその男をこう呼んだ。
「あれが中臣鎌足?」
マライヒは同意を求めるかのように、バンコランを振り仰いだ。
「そうだろう。間違いない」
「なかとみのかまめし?食べ物の名前を付けるのが流行っているのか?」
鎌足とおぼしき男が参道へ姿を現した時、マライヒが体をこわばらせた。
「あ、あれは、何・・?」
「どうした、マライヒ」
心配したバンコランはマライヒを背中からそっと抱いた。
「鎌足が2人に近付いたら、入鹿の背後に黒い影が・・」
「何?」
「急に見えたんだ。モヤモヤッとした黒い影が」
「不吉なことの前触れか?」
「鎌足は入鹿に強い殺意を抱いているのかもしれない・・」
マライヒはバンコランに凭れ掠れた声で言った。
だんだん雲行きが怪しくなって来た645年の飛鳥地方であった。

(ああ、五目釜飯が食べたくなって来た)
パタリロだけが相変わらずお気楽極楽であった。 
EDIT  |  12:20 |  二次創作  | CM(3) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅩⅡ 

―2回表 A.D645年 日本 Take 4―

       ****配 役****
       パタリロ8世:湯島昌幸
       バンコラン :霧原直人
       マライヒ  :霧原直也 

「パタリロ、今度は前と後交代しよう」
マライヒが提案した。
「馬って後脚に筋肉が付いてるから、後の方が揺れが少ないよ。
 その方がお尻も痛くならないし」
「そうか?」
「そうだよ」
「何か企んでないか?」
「疑り深いな、君は。何も企んでないよ。第一君を騙したら後が怖いもん。
 “狸の脳味噌のソテー・ブラックペッパー風味”なんか食べさせられたらたまらないよ」
「おいおい。さっきよりゲテモノ度がUPしてないか?」
「じゃ僕、前に乗るね」
マライヒはバンコランの前に乗ったのだが、
跨らずに女性がするように横向きに座り、バンコランの胸にピタッと身を寄せた。
「さっきは嬉しかった」
「ん?」
「この花のこと」
「ああ、それか。あ、あのなマライヒ・・いいんだけれど、ちょっと困る(^^;」
「どうして?」
マライヒは胸元から見上げて来た。その甘えを含んだ眼差しにもドキリとさせられた。
「そ、それはだな・・お前も男だったらわかるだろう?」
「えっ?・・ああ・・そう・だね・・」
マライヒは恥じらいながら、前に向き直って普通に跨った。
「僕も男だが、男だったらわかるって言われてもさっぱりわからんのだが」
「男は細かいことをチマチマ気にするな。それより先を急ぐんじゃないのか?
 テ○東のアニメ、早く見たいんだろう?」
「そうなんだよ、君~!1つ賢くなったやないか。
 そういうことだから、行けええええ~、
 “のだめんずうぉーかンタービレ”!!」
「何、それ?」
「この馬の名前だ」
「ちょっとくどいよ」
「どうでもいいことだが、“のだめ”と“こえだめ”って似てると思わんか?」
「・・・」
「・・だめか?よ、よし。ギャグが不発に終わった時は歌うのが一番」
「どうぞご自由に」
「S03645番歌います!
♪ようこそここへ、クッククック、私の青い尻♪
やや間があってから、2人は吹き出した。
「青い尻、青い尻だって(^o^)!!!」
「本当に蒙古斑あったんだ、こいつ"(^0^)//""""」
「おお、ウケたv ウケたぞ~vvv」

30分後。
「次の目標は甘樫丘だ」
「あまかしのおか、だと?」
「そうだ。何か心当たりがあるのか?」
「そこは甘い菓子の丘なんだろう?
 『ヘンゼルとグレーテル』に出て来たお菓子の家みたいのがあるのか?
 うぉーりゃあ、これぞまさしく子供の夢だぁvvv」
マライヒはクスクス笑い出した。
「フフフ・・違うよ、パタリロ。君の夢壊すようで悪いんだけど」
「うにゃ?」
「“かし”ってお菓子のことじゃないからね。
 樫の木、木の名前だよ。樫の木があるから甘樫丘と名付けたんだ」
「くそーッ、紛らわしい名前付けんなーッ!
 バンコラン、そんな所行かなくていいからな」
「そうはいくか。あの男達は“甘樫丘を越えて”と言っていただろう。
 つまりその通りに行かないと迷う可能性があるってことだ。
 いいか。『BL☆☆CH』を見たければ、地元民の言うことに従った方が身の為だ」
「うう・・しぶしぶオKeio井の頭線」

平野の中、小高い丘はすぐ見つかった。
3人共馬から下りて歩いて丘を登った。
「うほほーい、菓子はないが眺めはなかなかだv」
「凄く見晴らしがいいね。こんないい所あるんだ」
「ああ。絶好のロケーションだ」
「東側に広がるのがたぶん大原だと思う」
マライヒが指を差した。
「よく見ると、ここからでもはっきりとわかる程造りが立派な家があるね。
 あれってきっと歴代の天皇の住まいだよ。その中の1つが飛鳥板蓋宮」
「飛鳥いたぶりの宮?」
「違うよ。板ぶき」
「板ばり?何だ、フローリングなのか」
「板ぶきだってば!床じゃなくて屋根」
「板わさ?かまぼこか」
「板ぶきだと言ってんだろ!いい加減覚えろ!!」
「板がき死すとも自由は死せず」
「なら、一遍死んでみろ(-_-#)」
「えーと、えーと、いたずらだったかいな?」
「板ぶきだよ!!」
「いたぶき(^o^)b」
「いたずら(-_-〆)・・えっ、あ~~!!!」
「アンタの負け~vv」
「ア~ン、バンコラ~ン(T0T)」
マライヒはバンコランに泣きついた。
「マライヒ、泣くな。俺がいつか仇を取ってやる」
マライヒを抱きしめて宥めた後、パタリロに向かって言った。
「おい、今のでイエロー1枚だ。
 累積警告になった日にはたっぷりいたぶってやるからな!」
「その時はぜひロウソクで・・」
「っんとに口の減らないガキだな、キサマは(-_-#)」
パタリロは扇子の先端で頭をキリキリグリグリッとされた。

丘を下り飛鳥板蓋宮へと向かう。
先程と同様マライヒはバンコランの前に座った。
パタリロが後へ乗ろうとするのをバンコランが遮った。
「お前は歩け。マライヒをおちょくった罰だ」
「ブーブー(-_-#)児童虐待、青少年福祉法違反」
「何言ってんだ。漢字ばかり並べやがって」
「古代日本で漢字使って何が悪い!?」
「食べて寝て楽ばかりして。だから肉が減らないんだ。
 メタホリック症候群になる前に歩け!体を使え!」
「メタ、メタ?古代日本で外来語使うな!」
「メタホリック症候群だよ」
「メタホリック将校軍?何だ、新しい地球防衛軍ができたのか?」
「力が抜けて行く~・・もういい。後に乗れ。
 お前がどうなろうと知ったこっちゃない」
「あらよっと!」

バンコランに軽く凭れ掛かり、マライヒは馬に揺られていた。
手綱を握るバンコランの鼓動を背中に感じる。
(世界中で僕だけに聞こえてるんだ、この音)
チラッとバンコランを振り仰いだ。
「どうした?」
「ん。静かだね、古代って」
「そうだな。うるさいのは後のガキだけだ」
「あ?誰がうるさいって?」
「不必要なノイズがないから、風の音も木々のざわめきも、
 そしてバンコランの鼓動もよく聞こえるんだ」
「俺の鼓動?」
「うん。ほら、よく聞こえてる」
「そういえばさっきお前が後にいた時は、背中にお前の鼓動を感じた」
「お互いの鼓動なんていつもはあまり意識しないのに、
 状況が違うと何だか特別に聞こえるものなんだね」
「そうだな。いつもと違う相手が見えてくる」
バンコランはマライヒの顎に手を添え少し上を向かせた。
2人の目が合い軽く唇を重ね合った。
「今はここまでな」
マライヒの耳元で囁いた。

「なあ、おい」
静寂はいつもパタリロによって破られる。
「(チッ、こいつは・・)何だ?」
「僕達は天皇の住まいに向かってるんだろ?この時代の天皇って誰なんだ?」
「あ、ああ。皇極天皇だよ。女性の天皇」
「あ~?ま~た国のトップが女なのか?」
「そういえばそうだな」
「おおそうだ。エジプトのトップはあれからどうなったんだ?」
「エジプトの女王クレオパトラは死にました、マル」
「お前なあ、それじゃ小学校低学年レベルの作文だ」
「クレオパトラはあれからアレキサンドリアに戻って、
 毒蛇に胸を噛ませて自害したんだ」
「あらま!」
「実際に見た訳じゃなくて、巷に伝わってる話だけど」
「胸とは谷間なのか乳房なのか、そこんところは伝わってないのか?」
「このバカ!」
「それは想像に任せるってことじゃないかな?」
「じゃあ僕としては、豊満な乳房を噛まれて悶えて欲しい」
「やっぱお前、馬から下りろ!」     
EDIT  |  12:18 |  二次創作  | CM(3) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅩⅠ 

―2回表 A.D645年 日本 Take 3―

       ****配 役****
       パタリロ8世:湯島昌幸
       バンコラン :霧原直人
       マライヒ  :霧原直也 

「おい、もっとスピード出せんのか?
 あの男達は馬だと言っていたが、これはもしかしてロバではないのか?」  
パタリロがクレームをつけた。
「んな訳あるか、阿呆。こんなバカでかいロバがどこにいる!?」
「スピードが出ないんじゃなくて、出せないんじゃないの?」
「そうだ。口も肉も減らない奴が乗っているからな」
「悪かったな。どうせ僕はパルマ産の生ハムだ」
「そんな上等な物じゃないよ。ボンレスハムだよ」
「フン。ハムの種類なんかどうだっていいわい。
 僕はどうしても水・木・金は家にいたいのだ。だからサクサク用事を済まして帰りたい」
「何故だ?」
「『BL☆☆CH』と『NA△△TO』と『銀●』と『ケ■■軍曹』が待っているからな」
「録画予約してくればいいのに」
「チッ、チッ、チッ。リアルタイムで見てこそ真のアニメ愛好家と云えるのだよ」
「そういうもんなの?」
「常識だ」
パタリロはフフンと鼻を鳴らした。

マライヒはバンコランの後に座り背後から腕を回しながら、
落馬しないように頬を背中にピタッと密着させていた。
見慣れた背中といつもの温もりなのに、ドキドキしてしまうのはどうしてだろう?
(非日常な時代とシチュエーションのせいかなあ?)
バンコランが手綱を取る度に動く背中の筋肉。
必要とはいえこんなに密着しているとダイレクトにそれを感じて、
俄かに興奮してしまう。
そして何より、相手に全てを任せきっていることから来る安らぎ。
(ずっとこうして乗っていたい)
頬を染めながら目を閉じていた。
「マライヒ、起きてるか?」
バンコランの大きな右手がマライヒの左手を包み込んだ。
「あっ、うん。起きてるよ」
「静かだから寝ているのかと思った」
「大丈夫。ちゃんと起きてるから。それより、ねえ、バンコラン」
「ん?」
「さっき僕達がいた場所、大和三山のちょうど真ん中に当たるんだ。
 あそこは磁場、エネルギースポットになってるね」
「そうか。何か感じるものがあったのか?」
「うん。気持ちが鼓舞される感じがした」
「中臣鎌足の所領地だと言っていたな」
「うん。鎌足は後に藤原の姓を賜って、あの藤原氏の始祖となった。
 あんなエネルギースポットで生まれ育った人達なんだもの、
 大きな力で以って政治を動かしたとしても不思議じゃないよ」
「確か藤原に都が置かれた時代もあったはずだ」
「藤原京。持統天皇の時だね」
「それもエネルギースポットと大きく関係してるんだろう?」
「たぶんね。占いによって都をどこにするか決めたんじゃないかな?」
「占いで藤原の地に“気”を感じたという訳か?」
「そう。当時はそうした“気”を感じる“占部”は、政治には欠かせない者だったらしいし」
「もしお前がこの時代に生まれていたら、きっと優れた占部になっていただろうな」
「フフ・・どうかな?」
「間違いな・・パタリロ!!」
突然パタリロの体が大きく揺らいで落馬しそうになったので、
バンコランは慌ててその体を支えた。
「おい、しっかりしろ!」
「お前らがこ難しい話をするのと、のどか過ぎる田園風景のせいで眠くなってしまったんだ」
「人のせいにするな。ちゃんと掴まってろ、ボケ!」
「ふあ~い。だがボケは余計だ」
「マライヒ、飛鳥川までまだ距離がありそうか?」
「待って」
マライヒは気を集中させた。
「流れらしきものが割とはっきり見えるから、そんなに遠くはないと思う」
「よし、わかった」
「ああもう、尻が痛い。尻が痛い。痛くて尻が割れそうだ」
「尻なら生まれつき誰でも割れている」
「お尻にも肉がいっぱい付いているはずなのに、どうしてそんなに痛くなるの?」
「マライヒ、お前こそ口が減らないな。
 僕はお前ら下々の者と違って、玉の肌で柔肌なんだ」
「川に着いたら休憩する。馬を休ませなくてはならないからな。
 それまで我慢しろ」
「だったら早く川に到着させろ」
「肉が減らない奴が乗ってるから、スピードが出せないと言ってるだろうが!」
「何でもいいから、早くしろ~!キュートなヒップの皮がずる剥ける~~!!」
「蒙古斑がなくなってちょうどいいだろう」
「いやーッ、もうダメーッ、お願い、痛いのやだーッ!」
「ちょっ、パタリロ(#″″)!」
「誤解されるような言い方するなーッ、このスチャラカ野郎!」
とか何とか言っているうちに、飛鳥川が見えて来た。

3人は馬から下りて土手に座った。
「あ~、えらい目に遭った」
パタリロは尻をさすった。
「もうそんなでどうするんだ。まだ始まったばかりだぞ」
「これからは僕をおんぶして乗ってくれ~、バンコラン」
「断る。背中におもらしなんかされたら困るし、
 第一そんなみっともない格好、死んでもしたくない」
「ああ、そうかい、そうかい。“ええ格好しい”のお前に頼んだのが間違いだった。
 じゃあ、マライヒに頼もう」
「え~!何で僕が?」
「大丈夫だ。僕はもうおねしょのくせは治った」
「君は“子泣きじじい”みたいだからヤだ」
「おっ、言ったな、言ったな。マライヒ、21世紀に戻ったら、
 “犬の睾丸のグリル・焼きリンゴソース和え”を食べさせてやるからな。覚悟しとけよ」
「ウヒェェ、そんなの食べたくないよ~」
「あ~、食べ物の話をしたら、腹が空いてきた」
パタリロは非常食リュックからミネラルウォーターを取り出してゴクゴク飲んだ。
「おい。今思ったんだが、『裏パタ』連載が始まってからというもの、
 お前ら全然食べ物を口にしてないじゃないか!
 そんなんでよく生きてられるな」
「あ?そうか?」
「あ?そうか?じゃないだろう!」
美形は食べなくても平気なんだ
「おま・・★♂♀$£◇よくもぬけぬけと・・」
「そういう訳だから、俺達には構わず飲み食いしていいからな」
「ああ、そうでっか。ほなそうさせてもらいまっせ」
パタリロはリュックから明○製菓のカ◇ル・カレー味とタバスコを取り出して、
食べる度に1個1個にタバスコをふりかけた。
「ああ幸せや~。中華料理店行かんかて、こないしてエビチリが食べられるんやからな」
「はあぁ?」
「お前ら知らんのか?まあ知らんやろな。
 カ◇ル・カレー味+タバスコでエビチリ味になるんやで」
「そんな手の込んだことしなくても、うま△棒1本買えば済むんじゃない?」
「これや。ホンマこれだから素人は困るんや。うま△棒にエビチリ味はないねんで」
「わかった。俺達はもう邪魔しないから、心行くまで食べてくれ」
「さよか。ほな兄ちゃん、えらいすんまへんな」

30分後。
「さて、そろそろ行くか」
バンコランが立ち上がった。
「マライヒ、ちょっと・・」
「えっ、何?」
バンコランは路傍の白い花を何本か摘むと、マライヒのみずらにチョンチョンと挿した。
(わぁ~ッ、え~ッ!!)
マライヒは目を丸くし、
(バンコラン・・☆)
次いで頬を赤らめた。
「先に行ってるぞ」
バンコランは土手を上って行ったが、そんなやりとりをパタリロが見逃すはずがなかった。
「お~、ひいき、ひいき、ひいき、ひいき!」
「やかましい!」
「マライヒだけ、ひいき!!」
「あ~、わかった、わかった、わかった」
今度は紫色の花を摘むと、パタリロのみずらにグサッと挿し込んだ。
「イテッ!痛いぞ、チクチクするぞ。一体、何を挿しやがった!?」
「アザミだ」
「何なんだーーッッ、この差はーーッッ!!」
バンコランはパタリロを指差して言った。
“愛の差”だ」
EDIT  |  12:15 |  二次創作  | CM(2) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅩ 

     ―2回表 A.D645年 日本 Take 2―

         ****配 役****
         パタリロ8世:湯島昌幸
         バンコラン :霧原直人
          マライヒ  :霧原直也 

3人どこかに着陸。
しかし、真っ暗闇でここがどこだかわからない。
「だから今から行くと日本は深夜だって言ったじゃない~」
「夜というより闇だ」
「しかし、こう暗いと尻を撫でられてもちょっとやそっとじゃわからんな、マライヒ」
パタリロはマライヒのどこかを触る。
「ヒャッ・・触られればいい加減わかるよ!」
「騒ぐだけでお前達は全く使えない輩だな。
 僕の言うことを聞かないからこういう羽目に陥るんだ」
「どういうことだ?」
「こういうこともあろうかと、僕は非常用リュックを持って来たのだ。
 確か懐中電灯も入っているはずだ」
ごそごそとリュックを探る。
「キンキラの厩戸皇子の格好をして非常用リュックを背負うという、
 その美的感覚がわからないよ」
「黙っとれ。今懐中電灯を探している際中・・・
 おっ、あった、あった。いいか、日頃から危機管理をしっかりやっとけよ。
 いざという時やろうと思ってもなかなかできるもんじゃ・・」
懐中電灯のスイッチをカチカチさせるが、点灯しない。
「あれ?あれ?どうしたんだ?」
「電池が切れているんじゃないのか?貸してみろ」
バンコランが点検すると、何と電池そのものが入ってなかった。
「おい、パタリロ。替えの電池」
「へっ?」
「電池が入ってない。新しいのを入れるから出せ」
「いや、その・・古代だから周波数が違うし、ほれ、国が違うと万能アダプターがないと・・」
「つまり持って来てないという訳?」
「ごろにゃあーん♪」
「お前の危機管理のレベルがわかった。夜が明けるまで俺は寝る!」
「そうだね、ジタバタしたって何も見えないんだもん。僕も寝る」
とバンコランの隣に寄り添う。バンコランはマライヒに腕枕をする。
「おい。どうせなら川の字になって寝よう。いい記念になるぞ」
無理やり2人の間に割り込む。
「ちょっと、パタリロ。川の字反対!!」

2分後。
「おい、バンコラン。おい」
「何だ?子供は早く寝ろ」
「お前ら僕を早く寝かし付けて、良からぬことを企んでいるんじゃないだろうな?」
「どうしてそういう発想なのかなあ、君って」
「子供は体温が高いから、そばにいると暑くて寝付きが悪くなる。
 引っ付くのはやめてもらおう」
「じゃあ、マライヒならいいのか!?マライヒなら良くてどうして僕じゃダメなんだ!?」
「マライヒは子供じゃない」
「僕は繊細だから、枕が変わるとどうも寝付きが悪いのだ。
 どうだ。しりとりでもしないか?」
「嫌だ」
「『だ』か・・いきなり難しいのが来たな・・
 だ、だ、『抱いて・・』」
「パ・・・・!」
「てめえは何て発想をしてやがんだ!」
「お、『て』をそう切り返して来たか・・しかし僕はまた『だ』だ。
 だ、だ、だ、『ダメ~!』」
「め、めまいがして来たよ、僕(TT)」
「うーむ、やるなマライヒ。
 く、く、く、く、『狂い咲きサンダーロード!』
 若かりし頃の○林稔○がゲイの右翼幹部をやっちょりましたなあ。
 ウヒョウヒョウヒョ(^v^)」
「ど、どうして君がそんな映画を知ってんの!?
 あのね、僕達は君と一晩中しりとりをやる気はないからね。
 ほら、早く寝ないとクマに襲われるってば!」
「バ、バ、バ、バンコラ~ン、マライヒ君がああ言って僕をいじめるんだよ。
 しりとりがダメならさあ、せめて腕枕をしておくれよ~」
「マライヒ、かぼちゃミント味ポッキーは持って来なかったのか?」
「この子がみんなロンドンで食べちゃったよ」
「じゃあ、パタリロ。腕枕すれば本当におとなしく寝るのか?」
「寝言の二言三言は言うかもしれないが、おとなしく寝てやる」
「仕方ない。俺の右側に来い」
「ほいきた。ラッキーv」
しばらくして、
「ねえ、バンコラン。パタリロ寝た?」
「ああ。どうやら寝付きはいいようだな」
「あの子もお母さんと離れて暮らしているからだろうね。
 川の字になって寝たいとかしりとりしたいとか、結構可愛いところあるね」
「こまっしゃくれたガキだ。さてと、これからは俺達の時間だ。
 真っ暗闇の中でするのもなかなか面白い」
「あ、あ・・ん。やっ、もう反則だよ。いきなりそんなところ触るのは」
「暗くて見えないんだ」
「嘘。見えてるくせに」
「何とでも言え」
闇の中、手探りで抱き合う。2人の体が重なり、吐息だけが聞こえていた。

何だかんだ夜が明けた。
マライヒはバンコランの懐に抱かれて眠っている。
「まあ、いいお天気!おい、お前ら。さっさと起きて田植えを始めんかい!!」
「やかましい。朝っぱらから」
「田植え~?じゃあここは日本?」
「そうだとも。僕のタイムワープはいつでも正確だ」
「フフン、わからないぞ。田植えなら東南アジアでも韓国でも中国でもやるからな」
「しかし暑いな。日本は今夏なのか?」
「田植えをしたばかりのようだから、まだ夏じゃないんじゃない?」
「みずらのかつらを付けているから一層暑いんだな。
 よし、汗を拭いて乾パンでも食べて一服しよう」
非常用リュックを開ける。
「日本ではハンカチ王子なる輩が人気だと聞くが、そんな奴は大したことない。
 僕はその上を行く国王だ。゛手拭い国王”だ!ワハハハハハハ」
リュックから手拭いを取り出す。
「どうだ。゛藤○豆腐店”と書いてあるんだぞ。
 イ○Dだ、イ○D。非売品だ。レアーだぞ~」
「戦利品を見せびらかすヲタクそのものだな」
「ふ~ん。手拭いは持って来ても、電池は持って来なかったって訳」
「いいじゃんか、いいじゃんか。減るもんじゃなし」
「あっ、マライヒ。みずらが崩れてるぞ。直してやるからこっちに来い」
「うん。僕のが終わったら、バンコランのも結い直してあげるよ」
「へっ勝手にやってろ。このメロン味の乾パン分けてやらんからな」
「パタリロ。君、かつらがズレてるよ」

3人は歩き始めた。
「人に出会ったら、ここがどこだか聞こうと思うんだが、
 さっきから誰も来ないじゃないか。
 まるで某首都圏ローカルTVの『田舎に泊ま○○』のようだ」
パタリロがぼやく。ぼやきついでに歌い出す。
「♪IQ、IQ都道府県、IQ、IQ都道府県。パタちゃんのIQ都道府県。
 ここがどこだかわかるかな?ここがどこだかわかるかな?♪」
「わかるか!俺に聞くな。
 それよりマライヒ、お前の能力で何か探れないか?」
「バンコラン。小○館の『漫画日本の歴史』見せてくれる?」
「ん、ああ。これか」
「うーん。これによると、あそこに見える3つの山、大和三山じゃないかな?」
「大和惨々?戦艦大和の話をしてどうなる」
「違うよ。日本海軍じゃないよ」
「待っていたよ、ヤマトの諸君 b~y デスラー総督」
「そっちの゛ヤマト”でもないってば!
 畝傍山・耳成山・天香具山のことだよ」
「本当にあの山がそうか?
 もし北アルプス穂高連峰だったらどうする!?」
「あんな低い北アルプスがどこにある?あほんだら!!」
「地殻変動でこの後突然高くなったかもしれないじゃないか!」
「ね、ちょっと、あそこに人が歩いて来たよ。
 あの人達に聞いてみよう。一番庶民的な顔のパタリロが聞いて」
「誰が庶民的だ!?この中で一番身分の低い者が聞け」
「うちは伯爵だ」
「僕の家も伯爵家だった」
「うーむ。じゃあ一番年いった奴が聞け」
「何で俺に振るんだ?・・ったく、3人で行けばいいだろうが」

「あー、そこを行く庶民の皆さん。もうかりまっか?
 ボチボチでんな」
「はあ?誰や、あんたら?」
バンコランはパタリロを扇子でしばき、自ら男達に質問した。
「失礼しました。あの俺、いや私達は外国から来た使節一行なのですが、どうやら道に迷ってしまったようなのです」
「外国?そういえば見たことあらへん格好しとる」
「そっちの兄さんも、けったいな髪の色しとるわ」
「どこの外国や?新羅か、百済か?」
「あ、いえ・・南蛮」
(ちょっとー、バンコラン。南蛮て、何?南蛮て・・)
「南蛮?聞いたことあらへん国やなあ」
「せやけど、よその国で道に迷うてえらい難儀やったなあ」
「で、ここはなんという場所ですか?」
「ここは藤原やで」
「ふじわら?」
「せや。中臣鎌足様の所領地やねん」
藤原・中臣鎌足と聞いて、マライヒが会話に加わった。
「ということは、朝廷は、大王の宮はどの方角ですか?」
「大王の宮?今は飛鳥板蓋宮やねんけど」
「あすかいたぶきのみや?」
「大原にあんねや。大原いうのんは、向こうや」
男は南東の方角を指差した。
「おおはらまでどれくらいかかりますか?」
「飛鳥川を下って甘樫丘を越えて半日やな」
「半日だって。どうする、バンコラン?」
「あこに倒れてはる兄さん、病気でっか?」
「ああ、まあそんなもんです」
「そら大変や。ほな馬を貸してあげまっせ」
「それはご親切に有難うございます。少々お待ちを」
バンコランはパタリロのリュックを開けた。
「おい、何をしやがる。僕の食料を盗る気か!?」
「そうじゃない。馬を貸してもらったんだ。お礼に乾パンの1つや2つあげたらどうだ」
「ごめんこうむる。食べ物はやらん」
「お前って奴は・・」
「食べ物は困る。だがこれなら・・」
パタリロは男達の前に進み出た。
「この銀をあげよう。これで新しい馬を買いたまえ。
 この時代なら一生遊んで暮らせるかもしれない」
「ひ、ひえ~、銀だって!?」
「そういうことだ。ではさらばおさらば番町皿屋敷」

「ちょっと、パタリロ。ニセの銀貨なんかあげちゃって、どうするつもり?」
「どうせギャグマンガなんだ。設定もいい加減なんだ」
「何を言うか。あれはマリネラ王国発行の由緒正しいコインだ。
 本物の銀貨だぞ。ニセ金とかいい加減とか失敬な。
 ところで馬を譲ってもらったはいいが、誰か馬に乗れるのか?」
「俺が乗る」
(わあ、バンコランって馬に乗れるんだ。カッコいいvv)
「お前馬に乗れるのか?乗るのはマライヒの体だけではなかったのか?」
「パタリロ~~~(プンスカ)」
「てめえは歩いて行け!」
パタリロは路傍の草を口に詰められた。だがパタリロはめげない。
「日本の草はアレキサンドリアの草よりも水分を多く含んでいるな」
「っんとに転んでもタダで起きない奴だな、おのれは」
「はい。おかげさんで・・
 そんなことより、僕のワープ能力を使わんのか?使った方が早いだろうが」
「そんなのつまらないよ。ゆっくりこの時代の気分を味わって行きたいからね」
「という訳だ。じゃあな」
バンコランは先に馬に跨ると、マライヒに手を貸して自分の後ろに乗せた。
「しっかり掴まってろよ」
「うん」
マライヒは嬉しそうにバンコランの体に背中から腕を回し、ピタッと体を密着させた。
「お代官様~、おらにもどうかお慈悲を~!
 おらも一緒に連れて行って下せえm(_ _)m」
パタリロはバンコランの脚に縋った。
「この馬のどこに乗るスペースがある?」
「お前の前」
「乗せてやったら。置いて行くのは可哀想だよ」
「仕方ない。じゃあとっとと乗れ。ボンレスハム」
「おっ、そのフレーズ久しぶりに出たな」
乗ったはいいが、パタリロはバンコランと向かい合うように座ってしまった。
「てめえ、おちょくってんのか!?早く前を向け、前を!!
 リュックは体の前に抱えろ」
「へえへえ。まるで某鉄道会社の車内アナウンスのようだ」
「マライヒ。飛鳥川とやらはどっちだ?」
「ええっと、待って・・・わかったよ。まずは西に向かって走って」
果たして3人は飛鳥板蓋宮に辿り着けるのか?  
                     






―2回表 A.D645年 日本 Take 2―

         ****配 役****
         パタリロ8世:湯島昌幸
         バンコラン :霧原直人
         マライヒ  :霧原直也 

3人どこかに着陸。
しかし、真っ暗闇でここがどこだかわからない。
「だから今から行くと日本は深夜だって言ったじゃない~」
「夜というより闇だ」
「しかし、こう暗いと尻を撫でられてもちょっとやそっとじゃわからんな、マライヒ」
パタリロはマライヒのどこかを触る。
「ヒャッ・・触られればいい加減わかるよ!」
「騒ぐだけでお前達は全く使えない輩だな。
 僕の言うことを聞かないからこういう羽目に陥るんだ」
「どういうことだ?」
「こういうこともあろうかと、僕は非常用リュックを持って来たのだ。
 確か懐中電灯も入っているはずだ」
ごそごそとリュックを探る。
「キンキラの厩戸皇子の格好をして非常用リュックを背負うという、
 その美的感覚がわからないよ」
「黙っとれ。今懐中電灯を探している際中・・・
 おっ、あった、あった。いいか、日頃から危機管理をしっかりやっとけよ。
 いざという時やろうと思ってもなかなかできるもんじゃ・・」
懐中電灯のスイッチをカチカチさせるが、点灯しない。
「あれ?あれ?どうしたんだ?」
「電池が切れているんじゃないのか?貸してみろ」
バンコランが点検すると、何と電池そのものが入ってなかった。
「おい、パタリロ。替えの電池」
「へっ?」
「電池が入ってない。新しいのを入れるから出せ」
「いや、その・・古代だから周波数が違うし、ほれ、国が違うと万能アダプターがないと・・」
「つまり持って来てないという訳?」
「ごろにゃあーん♪」
「お前の危機管理のレベルがわかった。夜が明けるまで俺は寝る!」
「そうだね、ジタバタしたって何も見えないんだもん。僕も寝る」
とバンコランの隣に寄り添う。バンコランはマライヒに腕枕をする。
「おい。どうせなら川の字になって寝よう。いい記念になるぞ」
無理やり2人の間に割り込む。
「ちょっと、パタリロ。川の字反対!!」

2分後。
「おい、バンコラン。おい」
「何だ?子供は早く寝ろ」
「お前ら僕を早く寝かし付けて、良からぬことを企んでいるんじゃないだろうな?」
「どうしてそういう発想なのかなあ、君って」
「子供は体温が高いから、そばにいると暑くて寝付きが悪くなる。
 引っ付くのはやめてもらおう」
「じゃあ、マライヒならいいのか!?マライヒなら良くてどうして僕じゃダメなんだ!?」
「マライヒは子供じゃない」
「僕は繊細だから、枕が変わるとどうも寝付きが悪いのだ。
 どうだ。しりとりでもしないか?」
「嫌だ」
「『だ』か・・いきなり難しいのが来たな・・
 だ、だ、『抱いて・・』」
「パ・・・・!」
「てめえは何て発想をしてやがんだ!」
「お、『て』をそう切り返して来たか・・しかし僕はまた『だ』だ。
 だ、だ、だ、『ダメ~!』」
「め、めまいがして来たよ、僕(TT)」
「うーむ、やるなマライヒ。
 く、く、く、く、『狂い咲きサンダーロード!』
 若かりし頃の○林稔○がゲイの右翼幹部をやっちょりましたなあ。
 ウヒョウヒョウヒョ(^v^)」
「ど、どうして君がそんな映画を知ってんの!?
 あのね、僕達は君と一晩中しりとりをやる気はないからね。
 ほら、早く寝ないとクマに襲われるってば!」
「バ、バ、バ、バンコラ~ン、マライヒ君がああ言って僕をいじめるんだよ。
 しりとりがダメならさあ、せめて腕枕をしておくれよ~」
「マライヒ、かぼちゃミント味ポッキーは持って来なかったのか?」
「この子がみんなロンドンで食べちゃったよ」
「じゃあ、パタリロ。腕枕すれば本当におとなしく寝るのか?」
「寝言の二言三言は言うかもしれないが、おとなしく寝てやる」
「仕方ない。俺の右側に来い」
「ほいきた。ラッキーv」
しばらくして、
「ねえ、バンコラン。パタリロ寝た?」
「ああ。どうやら寝付きはいいようだな」
「あの子もお母さんと離れて暮らしているからだろうね。
 川の字になって寝たいとかしりとりしたいとか、結構可愛いところあるね」
「こまっしゃくれたガキだ。さてと、これからは俺達の時間だ。
 真っ暗闇の中でするのもなかなか面白い」
「あ、あ・・ん。やっ、もう反則だよ。いきなりそんなところ触るのは」
「暗くて見えないんだ」
「嘘。見えてるくせに」
「何とでも言え」
闇の中、手探りで抱き合う。2人の体が重なり、吐息だけが聞こえていた。

何だかんだ夜が明けた。
マライヒはバンコランの懐に抱かれて眠っている。
「まあ、いいお天気!おい、お前ら。さっさと起きて田植えを始めんかい!!」
「やかましい。朝っぱらから」
「田植え~?じゃあここは日本?」
「そうだとも。僕のタイムワープはいつでも正確だ」
「フフン、わからないぞ。田植えなら東南アジアでも韓国でも中国でもやるからな」
「しかし暑いな。日本は今夏なのか?」
「田植えをしたばかりのようだから、まだ夏じゃないんじゃない?」
「みずらのかつらを付けているから一層暑いんだな。
 よし、汗を拭いて乾パンでも食べて一服しよう」
非常用リュックを開ける。
「日本ではハンカチ王子なる輩が人気だと聞くが、そんな奴は大したことない。
 僕はその上を行く国王だ。゛手拭い国王”だ!ワハハハハハハ」
リュックから手拭いを取り出す。
「どうだ。゛藤○豆腐店”と書いてあるんだぞ。
 イ○Dだ、イ○D。非売品だ。レアーだぞ~」
「戦利品を見せびらかすヲタクそのものだな」
「ふ~ん。手拭いは持って来ても、電池は持って来なかったって訳」
「いいじゃんか、いいじゃんか。減るもんじゃなし」
「あっ、マライヒ。みずらが崩れてるぞ。直してやるからこっちに来い」
「うん。僕のが終わったら、バンコランのも結い直してあげるよ」
「へっ勝手にやってろ。このメロン味の乾パン分けてやらんからな」
「パタリロ。君、かつらがズレてるよ」

3人は歩き始めた。
「人に出会ったら、ここがどこだか聞こうと思うんだが、
 さっきから誰も来ないじゃないか。
 まるで某首都圏ローカルTVの『田舎に泊ま○○』のようだ」
パタリロがぼやく。ぼやきついでに歌い出す。
「♪IQ、IQ都道府県、IQ、IQ都道府県。パタちゃんのIQ都道府県。
 ここがどこだかわかるかな?ここがどこだかわかるかな?♪」
「わかるか!俺に聞くな。
 それよりマライヒ、お前の能力で何か探れないか?」
「バンコラン。小○館の『漫画日本の歴史』見せてくれる?」
「ん、ああ。これか」
「うーん。これによると、あそこに見える3つの山、大和三山じゃないかな?」
「大和惨々?戦艦大和の話をしてどうなる」
「違うよ。日本海軍じゃないよ」
「待っていたよ、ヤマトの諸君 b~y デスラー総督」
「そっちの゛ヤマト”でもないってば!
 畝傍山・耳成山・天香具山のことだよ」
「本当にあの山がそうか?
 もし北アルプス穂高連峰だったらどうする!?」
「あんな低い北アルプスがどこにある?あほんだら!!」
「地殻変動でこの後突然高くなったかもしれないじゃないか!」
「ね、ちょっと、あそこに人が歩いて来たよ。
 あの人達に聞いてみよう。一番庶民的な顔のパタリロが聞いて」
「誰が庶民的だ!?この中で一番身分の低い者が聞け」
「うちは伯爵だ」
「僕の家も伯爵家だった」
「うーむ。じゃあ一番年いった奴が聞け」
「何で俺に振るんだ?・・ったく、3人で行けばいいだろうが」

「あー、そこを行く庶民の皆さん。もうかりまっか?
 ボチボチでんな」
「はあ?誰や、あんたら?」
バンコランはパタリロを扇子でしばき、自ら男達に質問した。
「失礼しました。あの俺、いや私達は外国から来た使節一行なのですが、どうやら道に迷ってしまったようなのです」
「外国?そういえば見たことあらへん格好しとる」
「そっちの兄さんも、けったいな髪の色しとるわ」
「どこの外国や?新羅か、百済か?」
「あ、いえ・・南蛮」
(ちょっとー、バンコラン。南蛮て、何?南蛮て・・)
「南蛮?聞いたことあらへん国やなあ」
「せやけど、よその国で道に迷うてえらい難儀やったなあ」
「で、ここはなんという場所ですか?」
「ここは藤原やで」
「ふじわら?」
「せや。中臣鎌足様の所領地やねん」
藤原・中臣鎌足と聞いて、マライヒが会話に加わった。
「ということは、朝廷は、大王の宮はどの方角ですか?」
「大王の宮?今は飛鳥板蓋宮やねんけど」
「あすかいたぶきのみや?」
「大原にあんねや。大原いうのんは、向こうや」
男は南東の方角を指差した。
「おおはらまでどれくらいかかりますか?」
「飛鳥川を下って甘樫丘を越えて半日やな」
「半日だって。どうする、バンコラン?」
「あこに倒れてはる兄さん、病気でっか?」
「ああ、まあそんなもんです」
「そら大変や。ほな馬を貸してあげまっせ」
「それはご親切に有難うございます。少々お待ちを」
バンコランはパタリロのリュックを開けた。
「おい、何をしやがる。僕の食料を盗る気か!?」
「そうじゃない。馬を貸してもらったんだ。お礼に乾パンの1つや2つあげたらどうだ」
「ごめんこうむる。食べ物はやらん」
「お前って奴は・・」
「食べ物は困る。だがこれなら・・」
パタリロは男達の前に進み出た。
「この銀をあげよう。これで新しい馬を買いたまえ。
 この時代なら一生遊んで暮らせるかもしれない」
「ひ、ひえ~、銀だって!?」
「そういうことだ。ではさらばおさらば番町皿屋敷」

「ちょっと、パタリロ。ニセの銀貨なんかあげちゃって、どうするつもり?」
「どうせギャグマンガなんだ。設定もいい加減なんだ」
「何を言うか。あれはマリネラ王国発行の由緒正しいコインだ。
 本物の銀貨だぞ。ニセ金とかいい加減とか失敬な。
 ところで馬を譲ってもらったはいいが、誰か馬に乗れるのか?」
「俺が乗る」
(わあ、バンコランって馬に乗れるんだ。カッコいいvv)
「お前馬に乗れるのか?乗るのはマライヒの体だけではなかったのか?」
「パタリロ~~~(プンスカ)」
「てめえは歩いて行け!」
パタリロは路傍の草を口に詰められた。だがパタリロはめげない。
「日本の草はアレキサンドリアの草よりも水分を多く含んでいるな」
「っんとに転んでもタダで起きない奴だな、おのれは」
「はい。おかげさんで・・
 そんなことより、僕のワープ能力を使わんのか?使った方が早いだろうが」
「そんなのつまらないよ。ゆっくりこの時代の気分を味わって行きたいからね」
「という訳だ。じゃあな」
バンコランは先に馬に跨ると、マライヒに手を貸して自分の後ろに乗せた。
「しっかり掴まってろよ」
「うん」
マライヒは嬉しそうにバンコランの体に背中から腕を回し、ピタッと体を密着させた。
「お代官様~、おらにもどうかお慈悲を~!
 おらも一緒に連れて行って下せえm(_ _)m」
パタリロはバンコランの脚に縋った。
「この馬のどこに乗るスペースがある?」
「お前の前」
「乗せてやったら。置いて行くのは可哀想だよ」
「仕方ない。じゃあとっとと乗れ。ボンレスハム」
「おっ、そのフレーズ久しぶりに出たな」
乗ったはいいが、パタリロはバンコランと向かい合うように座ってしまった。
「てめえ、おちょくってんのか!?早く前を向け、前を!!
 リュックは体の前に抱えろ」
「へえへえ。まるで某鉄道会社の車内アナウンスのようだ」
「マライヒ。飛鳥川とやらはどっちだ?」
「ええっと、待って・・・わかったよ。まずは西に向かって走って」
果たして3人は飛鳥板蓋宮に辿り着けるのか?  
                     




   











EDIT  |  11:09 |  二次創作  | CM(4) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅨ 

―2回表 A.D645年 日本 Take 1―
          ****配 役****
          パタリロ8世:湯島昌幸
          バンコラン :霧原直人
          マライヒ  :霧原直也 

集合日が来た。
バンコランとマライヒがウィンブルドンセンターコート入り口に着いた時には、まだパタリロはいなかった。
「少し早く来過ぎたかなあ?」
「いいんだ、こんなもんで。遅れたらあいつにまた『愛欲に耽っている』とか余計なことを言われそうだ」
「うん、うん。絶対言うよ、あの子」
フフッとバンコランに微笑みかけていたマライヒだったが、
ふいにハッとして辺りを見回した。
「どうした?」
「・・・見える。見えるんだ。未だかつて見たことのない物が近づいて来るのが見えるよ」
「未だかつて見たことのない物?何だ、それは?」
「輪郭がぼやっと見えるだけなんだけれど、大きな箱のような物で、
 電飾のような物がいっぱい付いている。
 見たことないから、それ以上の説明はできない」
「何なんだ?装甲車か?」
「ううん、違う。キャタピラーじゃない。タイヤが付いている」
「???」
「だんだん、こっちに近づいているよ」
「まさか、まさかとは思うが、それに乗ってる奴はパがつく自由業の奴じゃないだろうな?」
やがてディーゼルエンジンの音と共にど派手な電飾をゴテゴテ付けた大型トラックが姿を現した。
「お前が見た物というのはこれか?」
「・・・そ、そうみたい。何か悪い予感がする・・・」
「他人のふりだ」
バンコランはマライヒの肩を抱いて、トラックに背を向けた。
「おお~い。遅くなってすまなんだ」
パタリロは窓から身を乗り出してブンブン手を振った。
「おお~い。バンコラン~、マライヒ~」
「振り返っちゃ駄目だ」
「うん。わかってるけど・・僕には見えちゃうんだよ。凄い珍妙な格好をしているのが」
マライヒは今にも吹き出しそうである。
「おい、何をばっくれてる?そこのお前達、
 僕の美しい肉声が聞こえないのか?」
業を煮やしたパタリロはマイクを掴んだ。
「おい、そこの!人の大使館の国王執務室のデスクで乳繰り合ってた
 そこの2人だ。こっちを向け!!」
「バカ野郎!人聞きの悪いことを言うな!!」 
挑発に乗ったバンコランは思わず振り返ってしまった。
「僕達がいたのはデスクじゃなくてソファだ・・」
マライヒも振り返ってパタリロを見て絶句してしまった。
「な、何、その格好~~~!!」
たまらずついに笑い出した。
「何だ、この趣味の悪いデカいトラックは~~~!?」
「通称゛デコトラ”というのだ。お前ら知らんのか?」
トラックから下りて来たパタリロは、歌舞伎に出て来る白いかつらの鏡獅子の扮装をしていた。
「何で、ここに来るのにこんなバカでかいトラックなんだ?
 それに何だ、その格好は?ウケ狙いか?」
「何を言う?これこそ、これから我々が訪れる国、日本の文化ではないか!?」
パタリロはトラックの側面をバンバン叩いた。そこには、銭湯の壁画によくある富士山と美保の松原の絵が描かれていた。
マライヒがもう一方の側面に回ってみると、アキバ系メイド服の少女達が描かれていた。
「そっちが浮世絵みたいので、こっちは何?」
「Japanese cool.いわゆる゛Manga"だ。Moe~~!」
そう言ってパタリロは鏡獅子のかつらを振り回した。
「あのな~、お前な~A.D645年というのは・・」
「じゃあこっちも聞くが、まさかお前達その格好で645年の日本に行くというんじゃないだろうな?」
「そうだが、何か問題があるのか?
 ベツレヘムもアレキサンドリアも何も問題なかっただろう」
「あほんだら。この中2日間お前達は一体何をしていたんだ?」
「・・・」
「ふん。トランプで大富豪をしていたなんて、まさか言わないよな?」
「じゃあ、君は何してたの?」
「聞いて驚くな。時代考証だ。ピカデリーサーカス近くの日本グッズ専門店で、日本に関する資料を買い漁って事前学習していたのだ。
お前達とは端っから心掛けが違う」
「時代考証の意味、知ってる?」
「知っているとも。大体お前達よく考えてみろ。僕達がのぞきみたいなことをしていたのは、そもそも服装が原因だと思わないか?
21世紀の服のままだから、その時代の人間から大きく浮いて思いっきり怪しい人間に見えてしまうから、どうしてもこそこそ隠れてしまうんじゃないのか?」
「う~ん、そうか。君の言うことにも一理あるね」
「だろ?」
「俺達もお前のように扮装しろと言うのか?」
「そうだ。同じ格好をしろとは言わない。
 そういうことだから、ま、トラックの荷台に入り給え」
バンコランとマライヒは顔を見合わせた。

荷台に入ってみると、そこは映画会社の衣装部のように日本風衣装がズラリと並んでいた。
「おい、バンコラン。お前はこれを着ろ。マライヒはこっちだ。
 おっと、雪駄と刀を忘れるところだった。
 かつらはどこだったかな?」
バンコランの方は白い地に黒く般若心経の文字が書いてある着物と黒い帯。マライヒの方は濃い灰色の着物と袴。
「パタリロ~、もっと綺麗な色の服ないの~?」
「文句言うな。沖田総司だぞ、沖田総司」
「これのどこが沖田な訳?」
「ああもうやかましい。だったら芸者の格好がいいか?
 『Sayuri』でチャン=○ィーが着ていた着物のレプリカがあるぞ」
「お前、645年だぞ。一体どんな資料を見てるんだ?」
「ああ、これだが」
パタリロが差し出したのは、『丹下左膳』と『御法度』のDVDだった。
「キサマ、たたっ斬る」
バンコランは渡された刀の鞘からスラリと抜き身をして、パタリロに刃を向けた。
「やめんか~、もう軍人なんかに刃物なんぞ渡すんじゃなかった!」
「フン。どうせこんなの真剣じゃないんだろう?」
刃を鞘に収めた。
「お前が集めた資料なんざ、どうせアニメばかりだろう。
 同じ゛Manga"を見るならこういう漫画を見ろ!」
バンコランは懐から1冊の漫画を取り出した。
「『小○館 漫画日本の歴史第2巻:古代王朝の成立』これだ!」
「お前、スカした顔してこんな物を読んでいたのか?」
「これが1番わかりやすい。いいか、645年と言ったらこれだ。
 この扮装をするんだ」
と言って、該当ページをトントンと指差した。
「でもこれ、あんまり僕の好みじゃないな。
 寧ろもうちょっと前の年代、厩戸皇子の頃の゛みずら”って言うの?
 こっちの方がいいな」
とマライヒが言えば、
「わかった。じゃあこの゛みずら”とやらにしてみるか」
バンコランはマライヒの髪を片側だけみずらに結い上げてやった。
「なななな・・バンコラン、お前いつから美容師の真似をするようになった?」
「マライヒの髪を他の奴らになんか触らせてたまるか!」
「ったく、ぬかしてろってんだ!」
「う~ん。自分で言ってはみたものの、いざしてみたら、
 ブロンドにみずらって似合わないね」
「大丈夫だ。近頃相撲の世界にも外国人力士が増えてきたし。
 それにホレ、このアニメを見ろ。
 『遥かなる時空○中○』『彩○国物語』というんだが、
 キモノのくせに、髪の色が赤や紫や緑だったりする。
 蛇足だが、声の出演が森○□之や△田▽と書いてあるだろう。
 プププ・・萌え乙女好みの配役にして、購買欲を刺激しようという魂胆だな」
パタリロが説明している脇で、
「心配するな、マライヒ。お前は元がいいから、何でも似合う」
「えっ・・そうかな?」
2人の世界に入り込む。
「ちょ、お前らーっっ!人の話を聞けーーーっっ(--#)」

「何をそんなにいきり立っているんだ?」
「好きでいきり立ってるんじゃないわい!
 いいか、よく聞け。主役は僕だ。僕なんだぞ!
 大体お前らときたら、ロンドンに帰って来てからというもの、
 主役の僕をないがしろにしてないか?」
「え~、主役って君だったの?僕達かと思ってた」       
「にゃ、にゃ、にゃ、にゃにゃにおう!?」
「誰が主役だっていいだろうが。男のくせに細かいことを気にするな」
「めちゃんこ気にするわい!!男のこだわりっちゅうもんがわからんのか!?」
怒り心頭のパタリロに、
「まあまあ、パタリロ。これでも食べて落ち着いて」
「フン、食べ物でごまかされるかい!」
「かぼちゃミント味のポッキーだよ。秋だけ限定なんだって。
 食べてみたくな~い?」
「ウオオ~、食べる食べる食べるとも~、それを早く言わんか~~」
マライヒはバンコランを振り返ってウィンクをした。
「おい、パタリロ。俺達は先にコスプレに取り掛かるからな。
 お前が集めた資料を見せろ」
「(モゴモゴ・・)そろひぇんにあるらろ。勝手に見てはまわん(ハグハグ)」
見事に食べ物につられているパタリロであった。

「僕はこの格好がいいな。バンコランはどれにする?」
「そうだな、俺は・・・これがいい」
「えっ、これって645年よりずっと後の・・」
「どうせギャグマンガだ。100年くらいの誤差なんか誰も気にしないさ」
「そうだね、ギャグだもんね。ハハ・・(^^;)」
(100年以上の誤差だと思うんだけど・・ま、いいか)
「おい、マライヒ。みずらを結い直すぞ」
「う、うん。お願い」
しばらくして、
「左右高さを揃えるのが難しいな。駄目だ、失敗だ!」
「ア~~、バンコラン、痛くしないで!」
パタリロは思わずポッキーを吹き出した。
(こンの痴れ者共がああ、また乳繰り合っているのかああ~~!?)
「ああ、悪かった。悪かったよ」
「あまり強く引っ張らないで」
「わかった。そっとやる」
(何だ、髪の毛のことか・・
ってアー、秋限定ポッキーを吹き出してしまったあああああ~!!)
「バンコランも座って。スタイリングするよ」
「ああ、頼む」
「このアニメの通りにすればいいんだね。
 えっと、後ろに流して下の方だけ緩く束ねるっと。
 うん。これでよし!」

「おい、パタリロ。お前はその格好で行くのか?」
コスプレが完成した2人が姿を現した。
「アーもう。お行儀悪いよ、パタリロったら。ポッキーをこんなにこぼして」
「やかましい。誰のせいだと思ってる」
パタリロは2人を睨んだ。見事にコスプレが決まっている2人。
バンコランは藤色の狩衣の平安公達の姿。髪は結わずに流している。
烏帽子は邪魔だという理由で被っていない。
マライヒは薄い灰色の地に赤紫色の花模様が入った飛鳥朝風衣装。
みずらには赤い紐を結んで長く垂らしている。
「バンコランは『ヒ○○の碁』の藤原○為だもんねv(^^)v」
「バンコランお前なあ~、『ヒ○碁』というのはなあ~・・」
「マライヒ、お前は有馬皇子のようだ」
バンコランはマライヒの髪に触れる。
「ありまのみこ?」
「そうだ。孝徳天皇の息子なんだが、政事の邪魔になるからと無実の罪を着せられて中大兄王子に暗殺されてしまう悲運の王子だ」
「悲運の王子?波乱の生涯だったんだね」
「聡明で儚くて美しい王子だったそうだ。
 今度フジョシの女に一筆書いてもらおう」
「やいやいやいやい!何言ってやがんでい?
 え~い、こうなったら、おいらも負けちゃあいらんねえ!
 お前ら、僕のコスプレ魂に火を点けたな。そこで待っていやがれ!!!」
パタリロは鏡獅子の格好をパッパッとその辺に脱ぎ捨てると、奥の衣装部屋に入って行った。

「待たせたな、毛人(えみし)。お前と2人ならば、私達にできないことはない」
厩戸皇子のコスプレをしたパタリロが姿を現した。
深緑色の地に金色で鶴の姿が描かれた衣装。
黒髪のみずらには、吾亦紅(ワレモコウ)の花が挿してある。 
「お前、思いっきりみずらが似合わないな」
「放っといてくれ。どうせ僕は下ぶくれだ。
 おらおら、グズグズするな!日本へ行くぞ。
 日本とは時差が9時間あるんだからな。早くしないと日が暮れてしまうじゃないか」
「今ロンドンは午後5時だから・・ちょっとちょっとパタリロ、向こうは深夜だよ!」
「うるさいうるさい。主役は僕だ。僕に主導権があるんだ!
 おっと、忘れるところだった。日本は地震が多い国だからな、
 ヘルメットととりあえず非常用食料3日分を持たないとな。
 心配するな。お前らの分もちゃんと準備してある。
 ほれ、メットを被れ、リュックを持て」
「バカったれ~~、とっとと出発しやがれ~~~!!」
バンコランは手に持った扇子をハリセン代わりに、パタリロの横っ面に一撃を食らわした。
「ええいっ、くそ~、人使いが荒い男だ!」
3人、ロンドン離陸。       




   

EDIT  |  10:43 |  二次創作  | CM(9) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅧ 

 ―2回表 ××年△△△△ 答えは45秒後(笑)―
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****配 役****
        パタリロ8世:湯島昌幸
        バンコラン :霧原直人
        マライヒ  :霧原直也    

在英マリネラ大使館国王執務室に3人は戻って来た。
「お~い、今帰ったぞ~。お~い、誰もいないのか?」
パタリロは廊下に出て叫んだ。
「でででで殿下!」
タマネギ1号が慌てて駆けつけた。
「何をそんなに慌ててるんだ?
 さてはやましいことをしていたのでは?」
「違いますよ。それよりお帰りなさい。
 随分ゆっくりしてらしたんですね、今回は」
「エジプトの女がなかなか帰してくれなくて参った参った」
「あれ?バンコラン少佐とマライヒさんは?」
「執務室にいる。茶は出さんでいいからな」
「そうはいきませんよ。殿下のお守りをしていただいたのですから」
「じゃあ出してもいいが、出枯らしにしとけよ」
「は、はあ(^^;」
「さあて次はどこに行こうかな?」
「えっ、まだ行かれるんですか?
 未決の書類が溜まっているんですけど」
「2日かければカタがつくだろう。安心しろ。そういうことなら、
 今日中に次のワープ先を決めておく必要がある。
 お~い、バンコラン、マライヒ~!」
パタリロはいきなり執務室のドアを開けた。
そこで目に飛び込んで来たのは、ソファに寄り添って座りながら、
右手はマライヒの肩を抱き、左手はセーラー服の裾から突っ込んで素肌を撫で回し、
首筋に唇を這わせているバンコランと、
いや・・という言葉とは裏腹に体はバッチリ反応してしまい、甘い声を漏らしながら身を捩っているマライヒの姿だった。
「@@@@おおおおお前らーーっっっ!一体何をやってるんだ~~~
 国王の執務室を何と心得るーーーっっっ!!」
パタリロの怒号が廊下に響き渡った。

~★。。~★。。~★。。~★。。~★。。~★。。~★。。~★。。~★。。~★。。
EDIT  |  10:18 |  二次創作  | CM(3) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅦ 

―1回裏 B.C31年 アレキサンドリア Take 4―

****配 役****
       パタリロ8世:湯島昌幸
       バンコラン :霧原直人
       マライヒ  :霧原直也
      引用した『アントニーとクレオパトラ』の配役、
      B.C32年 Take2~4と同じ

アントニウスの乗艦が主戦場を離脱し、陸地の方に向かっているのを見たアントニウス軍の他の船は、敗北の為退却しているのだと解釈したようだ。
多くの船が陸地に向かって退却し始めた。中には既に白旗を掲げている船もあった。
するとどうだろう。今までおとなしかった敵の司令官:オクタピアヌスの乗艦を先頭に、逃げて行くアントニウス軍に向かって突然牙をむき始めたのだった。
その快速を利して鈍足なアントニウス軍に忍び寄り、マストから鉄の爪をスルスルッと下ろすと相手の船に向かって投げ込むやいなや、あっという間に架橋して相手の船になだれ込んだ。
こうして、双方入り乱れての白兵戦になった。
だが、既に戦意を喪失しているアントニウス軍にはもはやなす術がなかった。
「こりゃまるで海賊だな」
「この時代は海賊も海軍も紙一重だ」
「アントニウス軍は総崩れだ。もう勝負は決したね」
「しかしなあ・・・・アーア」
「何か・・・信じられないな」
「イーイ、ウーウ、エーエ」
「黙ってろ、へちゃむくれ!」
「オーオ」
「五十音最後までやる気?」
「マライヒ、アホは放っておくんだ」
「うん。そうする。でもあの・・今目の前で起こってること、
 どう解釈したらいいのかな?21世紀から来た僕達は、
 既に結果は知ってるはずなんだけど、まるで夢を見てるみたいだ」
「こういう風にして敗北したんだな、アントニウスは」
「権力を欲しいままにしていた人が、
 ちょっとしたことで冷静さを失ってしまったんだね」
「あの女はナイルの蛇だ。人の運命を狂わせるような力を持っている。
 だからこそ、女王の座に君臨できたのだろう」
「タータ、チーチ、チーチーといえば地井○男」
「まだやってたの?」
「ツーツ、テーテ、トート。ん?トート?トートだと?」
「それがどうした?つぶれ紅葉まんじゅう」
「トートといやあ、ほれ、
 人間の女に恋してしまった一人相撲の変な死神のミュージカルが
 あっただろうが?」
「エリザベート?僕、あのミュージカル好き!
 トートってワルで妖しくて耽美で両性具有で、もう凄く好き!!」
「えらいトートに惚れ込んでるな」
「トートを演じている俳優が良かったんだ。凄い惹きつけられたよ」
とマライヒが言えば、
「ああ。あの俳優なら俺もいいと思った。
 あの声は誰にも出せない。彼だけのトートを作り上げていた」
とバンコランもその俳優を褒めた。
「ねえ、良かったよね、バンコランvv」
バンコランに向かって微笑みかけた。
「おいおい。トートの話はここまでにするぞ。
 お前達だけで果てしなく俳優××論をブチかましそうだ。
 それにしても、ププ・・古今東西大馬鹿者列伝って本があったら、
 間違いなくそれに載る大馬鹿者ね、アントニウスって」
「君に言われたんじゃ、アントニウスもへこむよ」
「もうへこんどるわい、あいつは」
「ところで、パタリロ。B.C4年ベツレヘムの馬小屋で、
 俺のことをマライヒへの盲愛のていたらくだと言ったな?」
「はて?そんなことを言うたかいな?」
「言ったんだ。いいか、よく見ろ。
 このアントニウスみたいのが本当の゛盲愛のていたらく”なんだ!」
「そんな昔言ったことをまたほじくり返して来て。
 お前、結構女々しいんだな」
「何だと!」
「何だトートとくりゃあ、お次はハーハ」
「な行が抜けてるんですけど」
「やはりこいつは真性のアホだ。とか何とか言っているうちに、
 マライヒ、見てみろ。アントニウスが乗った船が接岸したぞ」
「ホントだ。どうする気なんだろう?・・・あっ、人が降りて来た。
 えっと、アントニウスとイノバーバスと・・あと親衛隊の人達数人」
「逃げる気だな。おい、奴らの行く先が知りたいと思わんか?」
「うん。知りたい」
「ああ、アントニウスがどんな最期を遂げるのかをな」
「おお。珍しく意見が一致したな。
 そうと決まったら、お前達、遅れずに僕に付いて来給え。行くぞ!」
パタリロを先頭に3人は岬の丘を下って行った。
バンコランはマライヒの手を引いて、バッチリエスコートしながら。

「彼らは右の方にいるよ」
マライヒのアンテナが働く。
「複数の人の気配を感じる。もう少し向こうへ行ってみよう」
「あまり近づき過ぎるなよ。ハチ合わせしたら面倒なことになる。
 言うなれば俺は脱走した親衛隊員なんだからな」
「あーあ。またのぞきの真似をしなくちゃならんのか?趣味悪~~」
「お前が奴らを見たいと言ったんだろうが!」
「シッ。静かに。だんだん気配が強くなっている」
「ということだ。静かにしろよ、バンコラン」
「フン。お前が一番やかましいんだ」
「ねえ、この辺に潜まない?」
「ああvvのぞきがクセになりそう」
3人は適当な叢にうつぶせになり、アントニウス達の様子を伺った。

参謀のイノバーバスが、一同に背を向けて立つアントニウスに向かって話しかける。
「アントニウス、私はあなたにはもう付いていけない。
 クレオパトラを愛するのも結構。どんなに女王に溺れても、
 それとこれとは切り離して考えられる人だと思っていた。
 だがそういう私的な感情を戦場にまで持ち込むとは!
 これではどんなに作戦を立てようが、全く何の役にも立たない!」
「イノバーバス、俺は君に何を言われても返す言葉がない。
 最も冷静でなくてはならない司令官が一時の感情に流されて・・
 それがこの結果だ。笑ってくれ」
「・・・・」
「アレクサス、お前達ももう俺のそばにいる必要はない。
 投降するなり何なり、自分の決めたままに行動し給え」
「アントニウス様!」
「アントニウス。私は・・・・行く」
「・・・そうか。行くか、イノバーバス」
それでもアントニウスは振り向かない。
「ああ。長い間あなたと共に戦った日々は忘れない。
 さらばだ、アントニウス」
踵を返すと、二度と振り向くことなく今来た丘を下って行った。
「さらばだ、イノバーバス」
アントニウスはイノバーバスの姿が見えなくなるのを見計らって、
やっと一同の方を振り返った。
「行け、アレクサス。もう下がってよい」
親衛隊員達は思いを残しながらも、一人また一人と丘を下って行った。
「これでよし」
アントニウスは彼方に広がる水平線を眺めた。
「オクタピアヌス。海も空も果てしなく続くこの広い世界でも、
 俺達二人が並び立つ余地はないという訳だな」

「オーオ、浸っちゃってるよ、あの男」
「黙ってろ!」

「ここにこうしていたところで、
 遅かれ早かれ、敵方に捕らえられるだろう。
 俺は軍人だ。
 最期は軍人として恥かしくない身の処し方をしなくてはならない」
腰に差した剣をスラリと抜いた。
しばらく太陽に翳していたが、やがてゆっくりと首筋に当てた。

「きた、きた、きたーーーーーッッッ!!!」

その瞬間バンコランは゛力”を働かせ、3人を先程までいた岬の突端に移動させた。
「アホ~~、何故戻したああああ!?」
「人が自分で命を絶つ瞬間など見なくていい!」
「ああなるのは時間の問題だった。今のアントニウスからは、
 初めて見た時のうっとおしいほどのギラギラした生気が
 全く消え失せていた。彼から感じられるものは死の意識だけだよ」
「フーム・・・この時代にもだいぶ長居したな。帰ろう」
「ああ。帰るぞ、つかまれ」
「うん」
マライヒはバンコランを一瞬見上げ、その胸に身を寄せた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ、バンコラン」
「何?まだ何かあるの?」
「こんな格好のまま帰ったら、タマネギ達にどんなに笑われることか。
 それに、これに着替える前に着てた服、
 Men's ○IGIだから気に入ってるんだあ~~」
「あー、わかった、わかった、わかった。
 だったら、自分の゛力”で戻せ。着替える前の場所へ」
「おおおおおK」
パタリロは女官の服に着替えた-B.C32年Take2-の頃に3人を移動させた。
そこで21世紀の服に着替えた後トランジットして、今度はバンコランが21世紀へと3人を運んだ。
 
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2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅥ 

―1回裏 B.C31年アレキサンドリア Take 3―

          ****配 役****
         パタリロ8世:湯島昌幸
         バンコラン :霧原直人
         マライヒ  :霧原直也
     引用した『アントニーとクレオパトラ』の配役、
     B.C32年 Take 2~4と同じ  


「それにしても遅い。これではオクタピアヌスではなくて、
 オクレタピアヌスになってしまうじゃないか」
「アントニウス側の情報はミクロシータによって敵方に筒抜けだから、
 オクタピアヌス側は余裕があるのかな?」
「アントニウス側だって、スパイを送り込んで同じことをしているさ。
 ところで、アントニウス軍をよく見てみろ。隊を4つに分けている。
 前方にアントニウス軍を3隊に分けて配置し、
 後方にクレオパトラ軍を予備隊として控えさせている。
 3隊のうち、右翼に将旗が掲っているところをみると、
 あそこに司令部があってアントニウスが乗っているはずだ」
「さすがスパイ稼業に就いてる奴は目の付け所が違うな。
 おい、バンコラン。今回はお前が実況をしろ」
「断る。そんなもん誰がするか!」
「あっ!あれ、もしかして!?」
マライヒが洋上を指差した。
ようやくオクタピアヌス軍が姿を見せた。
総勢260隻。アントニウス軍に比べて大型艦が少ない。中型だが機動力のある艦船を揃えたようだ。
「待ちかねたぞ、武蔵!! 待ちかねられたぞ、小次郎!!」
「アテレコしなくていいよ」
「兄さん・・頭が痛いよ・・・どうした、直也!大丈夫か!?」
「全然関係のないアテレコをするな!!!」
バンコランはパタリロの頬っぺたを両手でつかんでムニューッと引っ張った。
「オクタピアヌス軍は隊を3つに分けている。予備隊は置かないんだ。
 将旗は向かって1番左の隊に掲っているということは・・
 あそこにオクタピアヌスがいるってことだよね。
 既に情報が入っていたから、
 アントニウスとは真逆の位置に来たってことかな?」
「こいつ、卑怯!っていうか、臆病者!!」
「オクタピアヌスが乗っているのは随分小さい船だね」
「小さくても性能はいいんだろう」
「逃げ足だけは早いのさ」
「じゃあ、アントニウスに対峙している大きな船に乗っているのは誰?
 それなりに格がある人だと思うけど?」
「助さん格さん、さあどっち?」
「アントニウスにはイノバーバスという参謀がいるように、
 オクタピアヌスにも参謀がいるはずだ。たぶんそいつが・・」
「おい、お前ら!さっきからさりげに僕を無視してないか!?
 僕がシャープでソリッドなボケをかましてるんだから、
 突っ込んでくれなきゃどうも落ち着かん」
「僕達は落ち着いているからいいよ」
「エーン、マライヒお兄ちゃん、かまってかまって!
 かまってくれなきゃやだあぁぁ~」
パタリロは2人の間で身を捩っていた。
「オクタピアヌスの参謀の名前は確か・・・」
2人のパタリロ無視の態度は続く。
「えーと・・あっ、アグリッパ!アグリッパだったと思う」
「アゴ立派?何だ、アントニオ猪木のご先祖か?」
「アグリッパ!!」
「そうそう、その調子でツッコミをしてくれ」
「アントニウス対アグリッパか。どんな戦い方をするんだろう?
 何かドキドキしてきた」
「海が凪いでいる。戦いを前にして不気味なくらい静かだ」
「魚雷発射用~意!」
「紀元前に魚雷はないっていうの!」
静けさを打ち破り、アントニウスの乗艦から最初の1射が放たれた。

「ムッ?何だ、何だ、あの武器は?」
「石みたいのが飛んで行ったけど」
「投石機だ。これが海軍の攻撃のスタンダードなんだな。
 シーソーの原理だ。石が乗ってない方の板に人が体重をかけて、
 その反動で石を飛ばすんだ」
「あまりに原始的で涙が出るな」
「多くの石を命中させて、
 その重みで船を沈没させようって戦法なんだね」
「気長にやってろ、全く」
「あーっっ!
 今オクタピアヌス軍から火の付いた物が飛んで来なかった?」
「同じくシーソーの原理を使って、
 松明のような物を打ち込んでいるんだ。
 火で艦上の構造物を燃やしてしまおうっていう戦法か」
「こっちが石ならあっちは火か。石と火の対決だね」
クレオパトラの船隊を除く各々の艦から石と火が放たれ始めた。
「アントニウス軍のあの投石係ねえ、
 あの者は親孝行だからきっといいヒットが打てますよ」
「阿呆。親孝行でヒットが打てるんだったら、誰も苦労はしない。
 打撃コーチをそいつのおやじかおふくろにしておけばいいんだ」
「変なコメント(^0^)」
マライヒが脇でクスクス笑っている。
洋上ではしばらく石と火の応酬が続いていた。

「攻撃方法が単純だから寧ろ面白いよ」
「だが射撃の精度はあんまりいいとはいえないな。
 ジ○コジャパンのFW並みだ」
「例えが凄くリアル~」
確かにどちらも命中度が低くどちらが優勢ともいえない状況だった。
「駄目だ」
バンコランが一言言った。
「そりゃそうだろう。オシ○が指摘するのもそこだ。
 個人の技術をもっとレベルアップしないと世界では戦えない。
 それに取り組みつつ同時に、
 もっと組織化されたアグレッシブなサッカーを・・例えていうと、
 ノーヒットでもバントと足を絡めて点を取りにくる、 
 広○商・箕○のようないやらしい野・・」
とうとうとしゃべくりそうなので、バンコランはその辺の草を千切ってパタリロの口に押し込んでから更に続けた。
「あれでは効率が悪い。
 自分の正面の艦同士の1対1の対決ではなくて、
 多くの艦が1艦に集中して攻撃を加えた方が
 絶対に早く相手を沈没させられる」
「まあまあ、バンコラン君。ここはまだ古代なんだからさ。
 んー、この草なかなかイケるぞ。農薬がかかってないから安全だし」
草を噛みながらパタリロはコメントした。
「俺は確率の問題を言ってるん・・」
「ねえ、ちょっと見て!戦場が動き出したよ」

マライヒが言うように、アントニウス乗艦を中心とした船隊と、
アグリッパ乗艦を中心とした船隊とに変化が起こった。
敵の船隊を包囲してしまおうという作戦らしいが、
双方とも同じことを考えているらしく、包囲運動を繰り返しているうちに、本来の戦場とは大きくかけ離れた場所に移動してしまった。
「あいつら何やっとんのじゃ?」 
「あっ、クレオパトラの船隊も動き出した!」
「恋しい男の方へ少しでも近寄りたいという女心だろう」
「アントニウス軍に援軍するってことじゃ・・
 あれ?元の戦場にいる船は攻撃をやめちゃったよ」
「その代わり、局地的な戦闘が面白くなってきた。
 見ろ。アントニウス軍の投石の精度が良くなってきたぞ。
 オクタピアヌス軍の船は重心が下がってきた」
「だから言ったろう。あの投石係は親孝行だって」
「あっ、アントニウス軍の中にマストが燃えている船があるよ」
「これはあっという間に火が燃え広がるな」
「おい、あいつら自分の船を捨てる気だぞ。
 そんなんでいいのか、バンコラン?」
「俺に聞くな」
「ねえ、あの道具面白いよ」
見れば、マストの先端に付いた滑車をスルスルっと動かし、鉄の爪のような物が付いた道具を下ろすと、味方の船に向かってそれを投げ込んだ。
すると爪が舷に上手いこと引っ掛かり、橋のようになった。
マストに火が点いた船の乗務員はその即席の橋を渡り、
隣の船に素早く乗り移った。
「ほう、見事なもんだな」
さすがのバンコランも感心している。
「僕にはアントニウス軍の方が少し優勢に見えるけど」
船が沈むのが先か、燃えるのが先か、戦況は緊迫の度合いを増してきた。

その時だった。
元の戦場にいるオクタピアヌス軍の1隻から、どういうわけか投火ではなくて投石が為された。
「?」
すると、アントニウスの船隊に援軍に向かっていたはずのクレオパトラの船隊が突然踵を返して船首を陸地の方へ向けた。 
「??」

突然の回頭にクレオパトラ乗艦内でも混乱が起きていた。
「どうした、ミクロシータ?船の向きが違うではないか!」
「あちらは危のうございます、女王様」
「我らはアントニウス軍の援軍に行くのだ。
 作戦会議での約束だったではないか!」
「しかし、女王様。あまりにも危険です。
 万が一のことがございましては」
「戻せ、戻せ、戻すのだ!!
 船首をもう1度アントニウスの方へ向けるのだぁぁ!!!」
クレオパトラの必死の叫びも空しく、船隊はアントニウスの船隊から徐々に遠ざかり陸地へと向かって行った。

「あちこちにフラフラして、女王の船隊は何をやってるんだ?」
「ねえ、バンコラン。
 さっきの投石、あれ何かの合図じゃないのかな?」
「合図?」
「ミクロシータと密会していた男がいたでしょう?
 あの男がきっと合図を送ったんだ」
「2人の間の密約ってことか?投石したら方向転換しろと?」
「そう。2人には予定の行動だったんだよ」
「だが予備隊の方向転換ぐらいで、
 戦況に大きな変化があるとは思えな・・んん?
 変化があったーーーっっ!!!」
「何だ、バンコラン。耳元で大声を出すな」
「アントニウスの船隊を見てみろ!」
「ああん?」
「な、なんでーーーっっっ!?
 勝ちそうなところなのになんで戦場を離れるのーーーっっっ!??」
「奴らどこへ行こうとしているんだ?」

アントニウスの船隊はクレオパトラの船隊に呼応するかのように、突然
戦場を離れ出した。
「ク、クレオパトラ~~~、どこへ行くんだああああ!!」
「アントニウス、落ち着いて下さい」
「ええい、これが落ち着いていられるか!!」
「戦況は今我が方が優勢なんです。あと一押しという所なのに、
 どうしてここを離れなければならないのですか!!」
「行け、構わん!クレオパトラを追うんだ~~~」
「アントニウス、現実を見て下さい!!!
 我が方は勝っているんですよ!!!」
「命令だ。行け~~~!!!」
とうとう司令官が戦場を放棄してしまった。
EDIT  |  09:41 |  二次創作  | CM(2) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅤ 

―1回裏 B.C31年アレキサンドリア Take 2―
      
         ****配 役****
        パタリロ8世:湯島昌幸
        バンコラン :霧原直人
        マライヒ  :霧原直也 
      引用した『アントニーとクレオパトラ』の配役、
      B.C32年 Take 2~4と同じ

「どこを見渡しても海しか見えないじゃないか。
 本当にここが戦場になるんだろうな、バンコラン?」
「俺のテレポーテーションに狂いはない」
「フン。えらい自信たっぷりじゃないか。
 それにしてはどちらの船もまだ着いてないぞ。
 本当に今ここはB.C31年9月2日なんだろうな?
 9月3日だったらシャレにもならんぞ」
「8月31日かもしれないし、9月1日かもしれない」
「この時代は手漕ぎの船だから時間がかかるんだよ。
 焦ったってしようがないよ。ねえ、バンコラン?」
マライヒはバンコランに同意を求めた。
「僕は腹が減った~」
「その辺の草でも食ってろ!」
「お、言ったな、言ったな。よおく覚えておくぞ。
 21世紀に戻ったら、お前にいつか青汁を飲ませてやるからな!」
「そんなこと言ってるうちに、水平線に何か見えて来たよ」
「何?どっちだ?どっちの船だ?」
コバルトブルーの洋上に朱赤の帆影が映った。
やがて帆に描かれた鷲の絵がはっきりと確認できた。
「あれはアントニウス軍だ。どうだ、パタリロ。
 俺のテレポーテーションは正しかっただろうが」
「先に来たのはアントニウス・クレオパトラ連合軍の方だったね」
艦船の大きさが雌雄を決するというアントニウスの主張によって、
大きな艦船ばかりで構成されていた。
アントニウス軍170隻、クレオパトラ軍60隻、計230隻の陣容だった。
先着の彼らは陸地を背にする形で湾内に碇泊した。
「ちょうどいい。湾内の右に岬がある。あそこなら観戦できそうだ」

岬の突端からは湾内が一望に見下ろせた。
3人は並んで地面にうつ伏せになってその時を待っていた。
「おい、大丈夫だろうな?
 ここまで大砲の弾は飛んで来ないだろうな?」
「何言ってるんだか・・紀元前に大砲なんてないよ。
 だいたい、火薬の発見はルネサンスだよ」
マライヒはパタリロを振り返ると、顔をジッと見つめた。
「何だ、何だ?マライヒ、何だ?お前僕のことが好きなのか?
 確かにバンコランは短気で無愛想でケチでどうしようもない男だ。
 だが浮気はいかん、浮気は。今回の戦争の原因を考えてみろ。
 そもそもアントニウスの浮気が発端になっているんだぞ。
 分別のある大人なら、僕に寝返る前にもう一度よく考え直せ」
「パタリロ」
「マライヒ★☆」星の目で見つめ返す。
「パタリロ、君って・・
 み○もん○の化粧、まだしたまんまだったんだ」   
「ほ、放っておいてくれ!!」
照れ隠しにパタリロは、バンコランの背中に寝転がった。
「ああ、いい寝台だ。いい寝台だ。
 僕の体でツボが刺激されて気持ちいいだろう?」
「下りろ。バカったれ!キサマの体重で背骨が折れる」
「何だかなあ~、よくよく考えると僕達は、
 ベツレヘムの馬小屋の時からのぞきみたいなことばっかりしてるぞ」
「俺達は歴史に介入してはいけないからだ」
「君があの宮殿の広間で歌い出しそうになった時は、
 ホント焦ったんだから」
「フッ、そんなこともあったな」
「オクタピアヌス軍は遅いね。これも作戦かな?
 それとも、もうとっくに来ていて
 どこかに隠れて様子を伺っているとか?」
バンコランをチラッと見て尋ねた。
「それはないだろう。太陽を背にして戦う方が圧倒的に有利だからな」
バンコランもマライヒを見返した。
「ああそうか。それなら、アントニウス軍の方がベストポジションを
 ゲットしたということだね」 
「化粧映えするんだな」
「えっ?」
「今まで暗がりで会ってたから気が付かなかった」
「えっ、あっ、やだな。僕も化粧したまんまだった」
マライヒは頬を赤らめて視線を逸らした。
「いいさ、そのままで」
顎に手を掛けようとするのを、
「ダァー、お前らときたら、すぐに空気をピンクにするーっ!!」
パタリロは2人の間に強引に割り込んだ。   
EDIT  |  09:36 |  二次創作  | CM(1) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅣ 

―1回裏 B.C31年アレキサンドリア Take 1―

        ****配 役****
        パタリロ8世:湯島昌幸
        バンコラン :霧原直人
        マライヒ  :霧原直也
     引用した『アントニーとクレオパトラ』の配役
     B.C32年Take 2~4に同じ

3人がテレポーテーションした先は、1年後の謁見用の大広間だった。
1年前に比べてアント二ウスとオクタピアヌスとの間は更に悪化しているようだった。
広間に居並ぶ親衛隊員達が妙にピリピリしていた。
「俺は騎兵出身だから陸軍の方の動員力には自信があるが、
 今回の戦場は海の上になりそうだ」
「海戦ですか?多くの船が要りますね」
「さすがクレオパトラ、察しがいい。
 悔しいが今のままでは我が海軍の兵力はオクタピアヌス軍に劣る。
 そこでだ、クレオパトラ。ぜひとも貴女の海軍の協力を得たい」
「もちろんですわ。妻として夫の難事に助太刀するのは当然のこと。
 して、いかほどお要り用?」
「イノバーバス、敵の兵力の概算は?」
「はい。調べましたところ、軍艦が大小合わせてざっと250隻。
 決戦までにはもう少し増やしてくるかと」
「我が方の兵力は?」
「軍艦大小合わせまして・・」
「いや、小艦は要らん。艦船の大きさこそが結局モノをいうのだ」
「では、我が方の保有艦数は160、いえ170隻です」
「そうか。フーム・・よし、クレオパトラ。
 50できれば60隻貸していただけるか?」
「ならば、60隻お貸し致しましょう」
「有難う、クレオパトラ!それだけあれば実に心強い」
アント二ウスはクレオパトラの手を両手で握り締めた。
「何の、これしきのこと。貴方の勝利の御為です」
「おお、やはり貴女は勝利の女神だ」 
「して、主戦場はどちらに?」
「イオニア海のアクチウムだ」
「アクチウム?」
「そうだ。我が方と敵とのほぼ中間地点だ。
 この後、イノバーバスから作戦について説明がある。
 アレクサス、今からこの広間に各艦長を招集したまえ」
「はっ、かしこまりました」
「アントニウス、私もアクチウムにお連れ下さいますね?」
「な、何と!?クレオパトラ、戦場は極めて危険だ。
 女性の貴女を連れて行く訳にはいかない」
「いいえ。私を勝利の女神と思し召しならば、
 どうか、お連れ下さいまし。貴方と共に戦うことが女王の務めです」
「・・・わかった!あなたの熱い心、しかと受け取った!
 私は予言する。我々は必ずや勝利する。
 さあ諸君、勝利の地へと赴くのだ。
 いざ、アクチウムへ!!」→色文字をクリック。アクチウムの海戦についてのリンクへ
「いざ、アクチウムヘ!!」
クレオパトラが繰り返すと、親衛隊員達も一斉に唱和した。

夜になって、3人は例の叢で落ち合った。
「どえりゃあことになったな、バンコラン」
「ああ、女王も戦場に赴くとはな」
「ところで、イオニア海ってどこだ?」
「イタリアのブーツの踵の部分とギリシアとの間に広がる海だよ」
「何だ。遥々出張って行くのか?」
「ねえ、バンコラン。バンコランも親衛隊員だから戦場へ行くの?
 軍艦に乗って戦うの?」
「そりゃあそうだろう。こいつは根っからの軍人だ。
 軍人の血が騒がない訳がな・・・」
「いや!いやだよ、僕。バンコランにもしものことがあったら・・
 行かないで!お願いだから行かないで!!」
マライヒはバンコランの胸にしがみついた。
「安心しろ、マライヒ。俺は軍艦には乗らない」
そっとマライヒの肩を抱きしめ優しく言った。
「あーっ、お前、ひょっとして船酔いするんじゃ・・?」
バンコランはパタリロの頭を片手でポカッと一発ブン殴った。
「ほ、本当?」
涙の滲む瞳でバンコランを見上げた。
「ああ。本当だ」
耳の下から指を差し入れてマライヒの髪を梳く。
「本当に本当?」
「本当だ。俺を信じろ。
 戦国自衛隊は戦国時代の戦場で死んでしまっただろう?
 俺は奴らのようになりたくない」
「おい、おい。ここでおしまいなのか!?
 折角面白くなってきたところなのに、結末が見られないなんて!!
 つまらん、つまらん、ああつまらん(`E'メ)」
殴られた頭を押さえながら、パタリロはブーブー文句を言った。
「早とちりするな。俺は確かに軍艦には乗らないと言ったが、
 アクチウムに行かないとは言ってない」
「にゃにいい・・?」
「どこか見晴らしのいい所から戦いを見学するんだ」
「じゃあ、決戦の日にテレポーテーションするんだね?」
「そういうことだ」
マライヒの額に軽く口づけをした。
「君~、そういうことは早く言ってくれなきゃ困るじゃないか!!」
急に明るい声になったパタリロはバンコランの背中をバシバシ叩いた。
「静かに、パタリロ。誰か来る」
「ムム・・・」
3人は叢に身を潜めた。

「ホホホ・・ダシータス。今宵は楽しかったわ」
「こちらこそ」
別れ際に男女が言葉を交わしているようだった。

「何だ、逢引きか?」
「決戦を前に、主も従も愛欲に耽りやがって」
「ちょ、ちょっと待って。あの声どこかで聞いたような・・」
マライヒの指摘に他の2人も耳をすまし、闇に目を凝らした。
「あ゛あ゛あ゛あのあのあの(@@)あのおばはん・・!」
余りの驚きに、パタリロの指先がワナワナと震えている。
「まさかとは思うけど・・・ミ、ミクロシータッ!!!?」
「あいつ、ババアのくせに、゛売り”をやっていやがったのか(-_-#)」

まさか3人に見られているとは思わないミクロシータは更に続けた。
「次に会う時は船の上かもしれないわね」
「ええ、お元気で。こちらは些少ですが、いつもの・・」
「フフフ・・悪いわね」
ダシータスと呼ばれた男が小さな革袋を手渡すと、
ミクロシータは素早くそれを懐にしまった。
「あんなもんでよろしくって」
「あなたの情報にはいつもいつも感謝してますよ、ミクロシータ様」
「まあ、様はおよしになってえ」
年甲斐もなく科を作る。
「では、ごきげんよう、偉大なる女官長」
手の甲にキスをする。
「あなたも。あなたの司令官殿によろしく」

「何だ、今のは?」
「情報と引き換えに金品をもらっていたという訳?」
「ついでに若い男のエキスもだ~~~」
「そこまではわからないけど、それにしてもひどい!
 女官長ともありながら、裏では平気で女王を裏切っていたなんて!」
さすがのマライヒも怒りを露にした。
「あのババア、許せねえ。人として許せねえ!!!」
「ひとーつ、人の世の生き血をすすり。
 ふたーつ、不埒な悪行三昧。高○兄ィの『桃太郎侍』始まりました!
 みんな見てるーっっ?って番宣やってる場合かっつうの」
「パタリロ!!!」
バンコランとマライヒはギロッとパタリロを睨んだ。
「わあ、睨むなー。悪いのはあのおばはんだろうが!
 な、な、バンコラン君。はよ、はよ、アルミニウムへ行こか」
「アクチウム!!!」
次はいよいよ、運命の紀元前31年9月2日である。


 
EDIT  |  09:28 |  二次創作  | CM(2) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅢ 

―1回裏 B.C32年アレキサンドリア Take 4―

        ****配 役****
        パタリロ8世:湯島昌幸
        バンコラン :霧原直人
        マライヒ  :霧原直也
    引用したシェイクスピア『アントニーとクレオパトラ』の配役
    Take 2・3に同じ

「こっち、こっちよ~、マライヒ」
バンコランに言われた通り、マライヒとパタリロは正面玄関に向かって叢に隠れながら、四つん這いで進んでいた。
「ムフフフ・・何かこんなことしていると、
 夜這いをかけてる気分になるわね」
「そんなこと言って。君、夜這いの経験あるの?」
「んなもんあるか!物の例えだ、例え」
「でも確かにワクワクするね」
「オラオラ、もっと急がんか!バンコランが待っているんだぞ。
 恋しい男に会いたくないのか?」
「動き辛いんだ、裾が長くて。それにドレスが汚れてしまうよ」
「女みたいなこと言うな。そんなのは、
 僕みたくガバーッと尻までまくればいいんだ。やってみろ」
「やだ」
「わがままな男だな。っと言っているうちに奴が見えてきた」
「えっ、どこどこ~~?」
松明に浮かび上がったバンコランのシルエットは確かに美しかった。
「さてと、この辺でよかろう」とパタリロは叢を揺すってガサガサと音を立てた。
「ン?何だ?(フフン、やっと来たな)」
「何だ?どうした?」
眠気をこらえながらもう一人の歩哨が尋ねた。
「向こうの方で音がした。ちょっと見て来る」
「おい、気を付けろ」
「大丈夫だ。ここを頼む」と言って持ち場を離れた。

「マライヒか?」
「ニャーンv」パタリロが猫の鳴き真似で答えた。
「三段腹もいるな」
バンコランも叢に身を隠した。
「おい、もっと他に言い方はないのか!?」
「見たまんまを言っただけだ」と言ってパタリロの脇腹をつまんだ。
「バンコラン・・」
「マライヒ・・」
「あ・・近くで見ると、もっとカッコいいね。
 僕惚れ直しちゃったよ」
「俺もだ。あんまり綺麗なんでびっくりした。
 もっとよく顔を見せてくれ」とマライヒの頬に手を当てた。
「恥ずかしいよ」
熱くお互いを見つめ合った。
「おい、おいったら、お前ら。濡れ場は他所でやってくれ」
(チッ、いい所だったのに・・)     
バンコランとマライヒは仕方なく離れた。
「ところでだ、アントニウスとオクタピアヌスは
 どうして仲が悪くなったんだ?」
「そりゃ、ムカつくからだろう」
「いや、そうじゃなくて。ムカつく原因は何かということだ」
「トップに2人の人間は要らないということじゃない?」
「ま、そんなこともあろうかと僕なりに要点をまとめてみた。
 いいか、つまりこういうことだ」
とパタリロはいきなり下を向いてゴソゴソと化粧を始めた。
「な、何をやろうとしているの?」
「いいか。これは゛力”を使ったんじゃないぞ。
 あくまでも僕の趣味の範囲内だ」
パタリロは顔を上げた。そこには褐色のベースに額・目尻・口元に何本も皺が描き込まれていた。おまけに白髪交じりのかつらまでセットしていた。
「どうしました、お嬢さん?
 そんなに言うのなら、思い切って別れちゃいなさいよ!」
「何をしている?」
「思いっきり生○話だ。某テレビ局の主婦向け番組の中で、
 午後1時20分頃からにぎにぎしく始まるコーナーなんだが」
「いちいち扮装しないとしゃべれないのか!?」
「いいじゃないか。減るもんじゃないし」
「(笑いながら)ねえ、パタリロ。ちょっとペンシル貸して」
「ああ」
「ここに花も描いた方がいいよ。あ、太陽も描こう。
 ♪サン、サン、サン。太陽がSUN、SUN♪っと。
 そうだ。アンパンマンも描いちゃおう」
マライヒは楽しそうにパタリロの額をキャンバスにしていた。
「お、おい、マライヒ。何をする!」
「俺にも貸せ」
「ここにだな、こうやって傷跡を描くと、仁義なき戦いだ!」
バンコランも面白がって、今度は頬をキャンバスにし始めた。
「ダアーーッ!!やめんか、お前ら!」
「お前は顔の面積が広いから描き甲斐があるんだ」
「クククククク・・o(T◇T)o・・
 2人していたいけな子供をいじめるんだ」
パタリロはいじけてしゃがみ込んだ。
「お前のどこがいたいけなんだ?」
「悪かったよ、パタリロ。ね、機嫌直して。早く君の技を見せてよ」
マライヒはパタリロの背後から声をかけた。
「よし、やったるわい!
 世界一立ち直りの早いパタちゃんの妙技をとくと見やがれ!!」

 ―今日はどうしました?―
 ・・・私、紀元前44年に夫を亡くしたんです。
 で、その時夫の部下の1人がとっても優しくしてくれたんです。
 その人、騎兵隊長だったんですけど、
 だんだんと気持ちが傾いて行っちゃって。
 その後タイミング良く、私の住んでいる街に彼が単身赴任して来て、
 急速に仲が進展して行って、やがては結婚をとまで考えるように
 なりました。
 でも紀元前40年に彼ったら、同じ会社のライバルのお姉さんと
 政略結婚しちゃったんです。
 ―結婚の約束までしたのに、不実な男だね。
  そんな男と一緒になっても禄なことにならないよ―
 でも彼は、元々政略結婚だから奥さんのことは愛してないって。
 頃合いを見て別れると言ってくれたんです。
 それに、彼が持ってる不動産をどんどん私名義に変えてくれて。
 ―だめ!そんな甘い言葉に乗せられちゃだめ!
  それがその手合いがよく用いる手管なの!!―
 でもでも、紀元前37年についに奥さんと別れてくれたんです!
 ―何~!本当に別れちゃったの、その男?やるなあ。
  じゃあ、あなたはついに彼と結婚できたっていう訳だ―
 ええ。
 ―幸福を噛みしめている時なんだ?―
 ええ。でも・・
 ―でも、どうしたの?―
 離婚したものだから、姉を傷物にしたと言って、
 彼のライバルの人が物凄く怒っちゃって。
 おまけに不動産の名義も会社に黙って変更したものだから、
 会社の幹部の人達も怒って、彼をクビにすると言って来たんです。
 ―そりゃあ、怒りますよ。
  でも、あなたも魅力的な女性なんでしょう?
  その彼が奥さんと離婚してくれた上に、
  不動産の名義もあなた名義に変えてくれた位なんだから―
 さあ、魅力的かどうかはわかりません。
 でも、奥さんとは正反対の性格だと彼はよく言ってました。
 
「ちょっと、待て。よくもまあ、それだけペラペラとしゃべれるな。
 お前、本当に10才の子供なのか?」
「質問は後で受け付ける。
 ところで、今までの説明で流れがよくわかっただろう?
 もう、ちょっとだ。先を続けるぞ」
「はいはい。存分におやり下さい、殿下」

 ―で、これからどうすんの?同僚も会社も怒らせちゃって。
  彼はどうしようと言ってるの?―
 ライバルとも会社ともあくまでも戦うと。
 ライバルという人は、亡くなった元夫と姻戚関係にある人で。
 コネでのし上がって来たような人だから、
 元夫の部下として地道に働いて来た彼とは反りが合わないんです。
 ―あなたも彼と一連托生ってこと?―
 はい。もちろんです!売られた喧嘩はキッチリ買います。
 ―もう、僕からは何も言うことはありませんよ。
  彼と力を合わせて悔いのないようにしっかり頑張ってね―
 はい。今日はどうも有難うございました。
 ―はい。お体に気を付けて。はい、失礼します―

「 ・・・とまあ、ざっとこんな具合だ」
「ハアァ~ホントによくやるよ、君は。
 1人で10役くらいできそうだね」
「1人10役?おお、それはいい。
 1人芝居として毎年定期的に公演を行い、
 金を取って見せれば儲かるぞ。ウヒヒヒヒ・・・
 それにつけても、この時代はパピルスしかなくて、
 ホワイトボードに書き書きできないから、
 佳代ちゃん役ができなくて残念だ」
「アホか、おのれは。
 一度お前の頭をかち割って、脳味噌を取り出して見てみたい」
「物騒なこと言うな」
その時3人が佇んでいる建物の窓から、愛の営みと思われる声が聞こえてきた。
「ア・・・アントニ・・ウ・・来て・・」
「おお・・クレオパト・・ラ・・・素晴らし・い・」
「ハァ・・ン・」
「アア・・」

「どうやら2人の寝室らしいな、ここは」
「子供が聞いちゃだめだよ。ねえ、少し場所を変えよう」
3人は叢の中を移動した。
「俺達は奴らが愛欲に耽るのを見に来た訳じゃない」
「フン。お前ら、人のこと言えるのか?」
「何のこと?それより僕達が何故アレキサンドリアに来たのか、
 本来の目的を忘れてないよね?」
「おうよ。僕とバンコランは戦っているのだった」
「よし。もう少しアクチウムの海戦に近い日に移動してみるか」
「うん、そうだね。
 テレポーテーションするんだったらくっつかなくちゃ」
マライヒはバンコランの胸に飛び込んだ。
バンコランはその肩に腕を回す。
「そういうことを人前でするから、
 お前らは人のこと言えるのかって言うんだ!」
「おい、崩れみの○○た。グズグズしていると置いて行くぞ」
「ふあ~い。全く付き合ってられんわ、お前らには」
3人は1年後に進んだ。
EDIT  |  09:13 |  二次創作  | CM(3) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅡ 

―1回裏 B.C32年アレキサンドリア Take 3―

      
        ****配 役**** 
        パタリロ8世:湯原昌幸
        バンコラン :霧原直人
        マライヒ  :霧原直也
    以下の配役、シェイクスピア『アントニーとクレオパトラ』
    より引用
        クレオパトラ(エジプトの女王)
        アントニウス(ローマの執政官)
        イノバーバス(アントニウスの参謀)
        チャーミアン(クレオパトラ付の女官)
        アイアラス (クレオパトラ付の女官)
        ミクロシータ(女官長)

クレオパトラとアントニウスは個々に椅子に腰掛けた。
「貴女に会っているというのに、
 政治的な話をするのは随分無粋だと思うのだが・・」
「私はエジプトを統治する身です。政治の話、どうぞ構いません」
「実は先日貴女に与えた我がローマの東方の属州の統治権のことだが、
 元老院はこれを認めないと通達して来た」
「予想はしていました」
「あまつさえ、元老院を通さず決めたという理由で、
 東方の属州における俺の統治権を剥奪すると言って来た」
「まあ、馬鹿げた話ね」
「だろう。これにはあのオクタピアヌスが1枚咬んでいるに違いない。
 あいつは俺があいつの姉のオクテピアと正式に離婚したことを
 いまだに根に持っているんだ」
「面と向かって貴方に言えないものだから、
 元老院を使って言わしめたという訳ね。何と、姑息な手段だこと」
「オクテピアは元はといえば、あいつが勝手に押し付けて来たんだ。
 そんな女を誰が愛せると思う? 
 善良で貞淑なだけの女など退屈なだけだ」
「私とは正反対」
「ローマの安寧の為には友好関係を結ぶことが必要だと思ったから、
 あいつの申し出を受けた。だがあの時、貴女には辛い思いをさせた。
 すまない。今更だと思うが許してくれ」とクレオパトラの手を握った。
「今はもう・・何も言わないで・・」
クレオパトラもアントニウスの手に自分の手を重ねて、強く握り返した。
(おい、おい、こいつら。政治的な話だと?ケッ、笑わせるぜ。
ドロドロのくだらない世間話じゃねえか!)
バンコランは心の中で悪態をついた。

やがて「湿っぽい話はこれくらいにしましょう」と
クレオパトラは傍らの女官を顧みた。
「アイアラス、お前の美声を聴かせておくれ」
「はい。女王様」
アイアラスはシドナス川の夕映えを称える歌を歌った。
「チャーミアン、即興の歌に褒美をおやり。
 相変わらず美しい声ね、アイアラス」
「恐れ入ります、女王様」
「でも女王様、声の美しい女は深情けと申しますわ」
「まあ、チャーミアンったら!私は深情けではなくてよ」
「ホホホ・・アイアラス。親衛隊長のアレクサスが照れているわ」
「じょ、女王様・・」
からかわれた恋人達が頬を染めている頃、パタリロが再び動き出した。
「即興の歌で褒美がもらえるんだったら、僕も歌うぞ~!!」
「パ、パタリロ!!」
「クックロビン音頭を歌うんだあ~~~」 
「ダメ!ダメだってば!!」
(パタリロを止めなきゃ、でも・・・)
パタリロの妙な動きはバンコランの目にも入った。
(何やってるんだ?あのバカ)
マライヒはパタリロに触れることをためらっていた。
(さっきこの子に触れた時、邪悪な感じは伝わって来なかった。
だからたぶん大丈夫だと思う。たぶん・・・)
マライヒは意を決してパタリロの腕を掴んだ。
「離せ!離さんかい、マライヒ!!」
ジタバタとパタリロはもがく。同時にその意識が一気に流れ込んで来た。
しかし伝わってきたのは、
(褒美をもらったら、誰が何と言おうと
ムシ○○グカードと遊戯○カードを好きなだけ買うんだ)
といった子供らしい無邪気な物欲で、マライヒは思わず吹き出しそうに
なった。
「えーい。お離し下され、梶川殿。武士の情けとお思いならば、
 せめていま一太刀、いま一太刀~~」
(バカ、やめろ!このどあほうが!!)
「そこの者、何を騒いでいる!?
 クレオパトラ様の御前だと知っての振る舞いか!!」
ミクロシータの厳しい声が飛んだ。
(このボケが!!・・)
バンコランは片手で目の辺りを覆った。
(あ・・・どうしよう、バンコラン・・)
マライヒは助けを求めるかのようにバンコランを見つめた。
「どうしたのです、ミクロシータ?
 そのような大声を張り上げて。皆が驚いて見ているわ」
「大変失礼致しました、女王様。この者が騒いでおりましたもので」
「あら?見かけない顔ね」
「はい。この者はガリアから来た者で、
 本日初めて女王様の御前に侍った次第でございます」
「まあぁ、ガリア!今は亡きシーザーが征服したガリア・・」
「さようでございます。女王様の美しさに圧倒され、
 些か興奮気味なのでありましょう」
「ホホ・・ならば騒いでも仕方ない。許しておやり、ミクロシータ。
 それにしても、ガリアには変わった生き物が生息しているのねえ」
クレオパトラが笑うと、アントニウスも笑い、
やがて笑いの渦が一座に広がった。ミクロシータでさえ笑った。
「クククク・・クソ~!この女・・・」
パタリロは腹を立てたが、バンコランとマライヒはホッと胸を撫で下ろした。

「では後ほど」
椅子から立ち上がると、アントニウスは唇の端を上げてニッと笑った。
「ええ。お待ち申し上げておりましてよ」
クレオパトラは、こ惑的な笑みで応えた。
アントニウスを先頭に男達は退室しようとしていた。
親衛隊長のアレクサスが直属の部下の一人に何か囁いた。
その部下がバンコランの前に来て命令を告げた。
「おい、新入り。命令だ。今晩歩哨に立て。いいな?」
「かしこまりました」
その後バンコランも他の隊員達と共に退室しようと、女官達の前を通りかかった。
そして、マライヒ達の前に歩み寄り囁いた。
「後で正面玄関に忍んで来い。今晩歩哨に立つ」
「うん、わかった」
「おK!」
退室後、他の隊員がバンコランをつついた。
「よう、新入り。もう女官に声を掛けたのか?
 新入りのくせに手が早いな」
「言っておくが俺は新入りという名前ではない。
 バンコランという名前だ」
「わかった。それにしてもバンコラン、お前も変わった女の趣味だな。
 ガリアの珍獣がお好みか?」
「馬鹿を言ってもらっちゃ困る。
 珍獣の横にいた金髪、あれはガリアから俺と一緒に来た『女』だ。
 くれぐれも手を出すなよ」
横目で鋭く相手を見据えた。
EDIT  |  08:57 |  二次創作  | CM(3) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決ⅩⅠ 

―1回裏 B.C32年アレキサンドリア Take 2― 

         
         ****配 役****
         パタリロ8世:湯島昌幸
         バンコラン :霧原直人
         マライヒ  :霧原直也 
  以下の配役、シェイクスピア『アントニーとクレオパトラ』より
  引用
         クレオパトラ(エジプトの女王)
         アントニウス(ローマの執政官)
         イノバーバス(アントニウスの参謀)
         チャーミアン(クレオパトラ付の女官)
         アイアラス (クレオパトラ付の女官)
         ミクロシータ(女官長) 

女官志望のパタリロとマライヒは、女官の控えの間のような部屋に通された。
「プププ・・何かワクワクするわねえ、マライヒ」
「いいね。君はお気楽で」
「気楽にしないと身がもたないわよ」
「ねえ、わかってる?君も僕も男なんだよ。
 問題は女官の服だよ」
「それのどこが問題だ?女官の服といったらアレだな・・
 (おっと、いかん。ここはイリュージョンを使えないんだった。
  仕方ない。言葉で説明するしかないか)
 女官といったらホレ、おすべらかしの髪に緋の袴を穿いてだな・・
 ♪お内裏様とお雛様~♪ってか」
「はあ?それって、女官じゃなくて官女。三人官女だよ」
「おや、そうかい。おおそうか。僕は勘違いをしていた。
 『上様のご寵愛を得る為とあらば、何でも致します』と言って、
 情念バトルを繰り広げる女達だな。ああ、女は怖い、怖い」
「それは大奥!君は知ってておちょくっているんでしょう?」
「大声を出すな、マライヒ。お前こそ、その男言葉何とかしろ」
「わかってるよ。あのね、僕が心配してるのは、
 女官の服って露出度が高いってことだよ。
 君は子供だからいいけど、僕は肩とかお腹とか出せないよ」
「セーラー服にマイクロミニの半ズボンはいてるくせに、
 今更何を言うか!」
「ここは男子禁制の後宮みたい所なんだから、
 君と僕が男だってバレたら大変なことになるよ」
「じゃあどうあっても、肩出しヘソ出しの服は着ないって訳だな」
「着ないよ、絶対!」
「出すとこ出せば、寧ろバンコランが喜ぶんじゃないか?」
「パタリロ!!(怒)」 
2人が言い合っている時、年かさの威厳のある女性が数人の女官らしき
者を付従えて現れた。
「あなた達ですか?女官になりたいと言うのは」
「はい」
「こちらは女官長のミクロシータ様ですよ」
「は、初めまして」
「ほう、黄金の髪か。初めて目にする。
 聞けばガリアから来たと?名は何と申す?」
「マライヒと申します」
「パタリロで~す」
「よろしい。では女官に相応しい服にお着替えなさい」
「はい。かしこまりました」
「は~い。女官長様~わかりました」
パタリロの軽い物言いにわずかに眉を動かしたが、
特に咎めることもなく、ミクロシータは退室して行った。

「フフ・・あれがお局様ね、マライヒ」
「シィーッ、滅多なことを言うもんじゃないよ」
そういうマライヒは、ターコイスブルーのドレスを選んだ。
首周りは幾らか開いているが、袖は七分丈で裾丈はくるぶしまであった。
そして袖も裾もゆるやかに広がり、空気を纏ったようでとても涼し気であった。
一方パタリロは大胆にも肩もヘソも露出した服を選んだ。
丈こそくるぶしまであったが、オレンジ色のワンショルダーだった。
黒髪のボブのウィッグに、目張りの効いたエジプト化粧を施していた。
「倖○来○~」と腰をくねらせていたが、
「君って本当にボンレスハムだね。くびれがない。
 この脇腹、だいぶヤバイね」と指摘されてしまった。
「おだまり!オレンジ色は膨張色だからそう見えるだけよ~」
「そうじゃないと思うけどなあ」
「そんなことより、あなたもウィッグを被ったら?」
「いいよ。僕はこれで」
マライヒはブロンドの髪をフロントとサイドだけ残してポニーテールに
結い上げていた。そして、薄く紅を引いていた。
その時、
「さあ、皆さん。そろそろ女王様のお出ましですよ!
 グズグズしないで!」
ミクロシータの声が飛んだ。
「さあ、いよいよ出番ね、マライヒ」
「う、うん。緊張するな」
「さっきも言ったけど、男言葉何とかなさいよ」
「わ、わかってるわ、パタリロ」
「そう。その調子」

2人は女官達の末席に控えた。
果たして、件の人物は広間の中央に鎮座していた。
―ナイルの女王、クレオパトラ―
広間中央に置かれた籐製の長椅子にしどけなく身を横たえ、
左手は肘掛の上に、右手の人差し指と中指とを軽くあごに当て、
一座をゆうるりと見回した。
「皆の者、そろっているか?」
マライヒと同じ形の七分袖、くるぶし丈のドレスだが、
色は真紅で、胸元は大きく開いて金色の刺繍が施されていた。
艶のある長めの黒髪のボブヘアに金色のティアラ。
くっきりと描かれた切れ長のアイライン。
ドレスと同系の真っ赤な口紅。
長椅子の両端には各々直接身の回りの世話をする女官であるチャーミアンとアイアラスが座り、大きな団扇でしきりに風を送っていた。
その様子は女王らしい自信と威厳に満ちていることはもちろん、
異性を惹きつけて止まない色香が漂っていた。
「間もなく、アントニウスが参ります。
 一同、抜かりないように」
クレオパトラは唇の端を上げて艶然と微笑んだ。

(アントニウスが来るってことは、親衛隊も来るってことだよね。
ああ、恥ずかしいな。バンコランにこんな格好を見られるなんて・・
でも早く会いたい。会って顔が見たいよ)
マライヒがそんなことを考えている矢先、
「クレオパトラ!!」
大きな足音と共にアントニウスが姿を現した。
茶色の短髪の巻き毛。軍人らしい精悍な容貌と鍛えられた肉体。
平服なのでグレーのチュニックを着用していた。
左肩のエポレットから朱色のドレープが右腰に向かって斜めに垂れ下がり、襷のように体を半回転して左肩のエポレットに繋がっていた。
腰から下の部分はプリーツになっていて、
ひだの1本1本に金糸で刺繍が施されていた。
足元はドレープと同色の朱色の脚絆と編み上げサンダル。
クレオパトラはアントニウスを視認すると、
投げ出していた脚を下ろし、同時に上体も起こして、右手をアントニウスの前に差し出した。
薄衣の中で動くしなやかな肢体は、まるで蛇を思わせるかのようだった。
アントニウスは慣れた様子で、手の甲にキスをした。
そういった一連の儀式が終わると、ドアの方を振り返った。
「イノバーバス!」彼の参謀の名を呼んだ。
イノバーバスに続き、親衛隊員達が10数人入室して来た。
チュニックの色や形はアントニウスと同じだが、
ドレープや脚絆の色が、参謀のイノバーバスはワインレッド、
一般の親衛隊員は青色であった。

日頃からパンクラチオンで鍛えている軍人達の中で、
長い黒髪、長身痩躯のバンコランは異彩を放っていた。
チュニックから伸びる長い手足は、
軍人というより騎士といった表現が似つかわしかった。
(バンコラン、うわあカッコいい!!)
マライヒは心の中で拍手喝采だ。
屈強な男達を見慣れている女官達でさえも、
初めて会ったセクシーなバンコランを明らかに目で追っていた。
(背が高いから、ああいう格好が抜群に似合うvv)
一方バンコランも、定められた場所に移動しながら、
マライヒ(ついでにパタリロも)の姿を探した。
黒髪の中のブロンド。最愛の人の姿はすぐに確認できた。
たとえ髪の色が同じでも、それは変わらないだろう。
(マライヒ・・何て綺麗なんだ・・
女装はイケるとは思っていたが、まさかここまで・・)
ターコイスブルーのドレスにブロンドが映えて、
自分と同じ男とは思えぬほど眩かった。
おまけに口紅も薄く引いているのもわかった。
(クレオパトラなんかより数段美しい!!!)
ついに、2人の視線が合った。
(バンコラン・・・)
(マライヒ・・・)
2人は互いの姿しか目に入らなかった。
のはずだったが、バンコランの視線の片隅に妙な動きのパタリロが入り込んでしまった。
(バカ!消えろ!キサマなんか)
バンコランは嫌そうな表情をした。
それを見たマライヒが横を見ると、パタリロが腰をくねらせながらウィンクを送っていた。
「何してるの?」
「見てわからんか?ブロックサインだ。
 肩を触ったらヒットエンドラン、投げキッスしたら送りバントだ」
「君は立ってるだけで目立つんだから、変なリアクションしないで!」
「はいはい、わかりました。ああ、小姑はうるさい」

EDIT  |  08:39 |  二次創作  | CM(2) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決Ⅹ 

―1回裏 B.C32年アレキサンドリア Take 1―
        
        ****配 役****
        パタリロ8世:湯島昌幸
         バンコラン:霧原直人
          マライヒ;霧原直也

「本日はエジプトより衛星生中継でお送り致します。
 えー、エジプトの波多利郎さん、波多利郎さん、繋がってますか?
 (数秒おいて)・・はい。こちら波多利郎です。
 今私はナイル川河口の街・アレキサンドリアに来ております。
 ナイルはエジプトの賜物と申しますが、 
 母なるナイルを目の前にして、その言葉を実感しております。
 それではスタジオへ一旦マイクをお返しします。
 (数秒おいて)・・波多利郎さん、有難うございました」
「君って本当に中継が好きだね」
「今度は何だ?エジプト支局員きどりか」
「臨場感を出す為の演出だ」
「それより、デルタ地帯って初めて見たけど、凄いスケールだよね。
 1つの川が幾つにも分かれながら地中海に流れ込んでいる」
「ああ。ここは大貿易港でもあるが、軍港でもあるようだ。
 多くの商船に混じって軍艦らしき船舶も泊まっている」
「ほう。お前わかるのか?」
「俺の職業を何だと思ってる?」
「ああ?しがない地方公務員だろう?」
バンコラン、パタリロの首根っこを猫のように掴み、
川へ落とそうとする。
「アホ、冗談だ。冗談だっちゅうに。
 お前の職業くらいちゃんと心得ているわい。
 スパイ天国、サーフ天国だろ。
 ♪エジプトのカフェテラスで、エロいあなたに釘付け♪ってな」
「キサマ、一遍ナイル川のワニに食われて死にやがれ!」
「ちょっと、ちょっと、パタリロ~。
 クレオパトラに会いに来たんでしょう?
 君国王なんだから、セレヴにツテがあるよね?」
「紀元前にツテなんかあるかい!マライヒのあほたれ」
「やっぱり、君一遍ワニに食べられた方がいいよ」
「おい、お前達。あそこに見えるデカイ建物、宮殿じゃないのか?
 何はともあれ、宮殿に行くのが先決だろう。
 行けばおおまかな警備の様子がわかる」
「そんなこと言って、また馬小屋だったらどうするんだ?」
「どこの世界に、あんな馬鹿デカイ馬小屋がある!?」
バンコランは茶色の大きな建物を指差した姿勢で数秒静止した。
「バンコラン、行こう」マライヒがバンコランの腰を押した。
「ああ。アホは放っておこう」
2人は先にスタスタ歩き出した。
「ああ、ちょっと~、マライヒお兄ちゃん、待ってよ~~」
「君は都合が悪くなると、僕をお兄ちゃん呼ばわりするんだね」
「だって・・」拗ねたような表情で、マライヒを見上げた。
マライヒは立ち止まって溜め息をついたが、
「行くよ」と言って、パタリロの手を握った。
「うん!」パタリロは嬉しそうにうなづいた。

しばらく歩くと、3人は市場へと続くような賑やかな通りに出た。
「こういうの、今ではスークって云うんだよね?」
「そうだな。この頃はイスラムの影も形もないけどな」
「おい、お前ら。やんごとなき国王の歩幅に合わせて歩かんかい!」
「ったく。コロコロ態度が変わる奴だな」
「歩きながら考えたんだが、
 女官になれば宮殿に入り込めるんじゃないか?」
「女官?」
「そうだ。女王の身の回りの世話をする女達だ」
「それはわかるけど・・で、誰が女官になるの?」
「僕とお前だ」マライヒを指差した。
「えーっっっ!」
「マライヒなら軽く女装はクリアするだろうが、
 ちんちくりんのボンレスハムが女官だと?」
「なら、お前が女官になるか?」
「・・・・」
マライヒがそばでクスクス笑い出した。
「笑うな!女官になるくらいなら、
 ガレー船の漕ぎ手にでもなった方がマシだ」
その時、後ろから声が掛かった。
「ちょいと、そこのお兄さん」
見れば、鼻の下に髭をたくわえた中年の男が立っていた。
「俺達に何か用か?」
「そう。背の高いあんたに用事がある」
男はバンコランを指差した。
「唐突に何だが、あんた兵隊にならんかね?」
「兵隊?」
「そうとも。今クレオパトラ様のダンナのアントニウスと
 ローマにいるオクタピアヌスとの間の雲行きが怪しくなりつつある。
 アントニウスとしては1人でも多くの兵隊が欲しいところだ。
 どうだい、お兄さん。一旗挙げてみんかね」
「フーン。あんた、口入れ屋って訳か?」
「あんたのような立派な体なら、一発で採用だ。
 長年この商売をやってきたあっしが言うのだから間違いないさ」
「悪いが断る」
「何~!そんないい体してもったいない」
「話は最後まで聞け。俺はただの一兵卒だったら断る。
 親衛隊員だったらなってやってもいい」
「バンコラン!!」
「おお、そうかね。そうかね。親衛隊員ね。ようがすよ」
「親衛隊員か。お前にしてはいいところに目を付けた」
背後からパタリロが声を掛けた。
「お前にしてはってのは余計だ」
「強面のお前には殺伐とした仕事がお似合いだな」
「フン。何とでも言え」
「バンコラン、物のついでだ。
 女官のクチもあるかどうか訊いてみてくれ」
「しようがないな。
 おい、口入れ屋。女官のクチは世話してないのか?」
「女官?あっしは男専門で・・いや変な意味じゃなくて・・
 んで~、一体誰が女官になりたいんですかい?」
「俺の連れの2人だ」
バンコランの影からマライヒとパタリロが姿を現した。
マライヒは軽く会釈した。
「ウフン・・」パタリロはその横で大げさに科を作っていた。
「おお!金色の髪だ!初めて見るぜよ。
 あんた方、一体どっから来なすった?」
「ガリアです」
「ガ、ガリア~?」
「ローマの北の北のそのまた北だ」
「そんな遠い所からどうしてまた?」
「あだしたちぃ~クレオパトラ様のぉ~綺麗なお顔見たくってぇ~
 ゴリラから来たんだどもぉ~」
「ガリア!!それに、訛らなくていいの!」
「ようがす、ようがす。
 綺麗なお嬢さんに免じて、女官のクチお世話して差し上げましょう」
「お願いします」と言いながらマライヒは微笑んだ。
「ホホホ・・見たあ?マライヒ。
 あたしの魅力でおじさん一発でメロメロよぉ~」
「君は本当に長生きするね」
「その気色悪い言葉遣い、早くやめろ!」
「ガリアには変わった人がいるんですなあ」
バンコランに話を振った。
「ああ、まあ、あれは特別で・・」

3人は男の後について宮殿へ向かった。
「バンコラ~ン、冷やしココナツ食べた~い」
「また食いモンか!キサマは!!」
「アラ~、女の子には優しくしといて損はないわよ」
「ふざけた女言葉はやめろと言ってるだろうが!!」
「バンコラン、僕も食べたい。いいでしょ?」
「ああ、いいとも(^^)」
「何なんだ、この差は?」
かくして3人は宮殿内部に入り込む機会を得たのだった。











EDIT  |  08:24 |  二次創作  | CM(4) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決Ⅸ 

―1回表 B.C4年パレスチナ―

           ****配役****
         パタリロ8世:湯島昌幸
          バンコラン:霧原直人
           マライヒ:霧原直也

3人、時空間移動中。
「僕、紀元前ってどういう世界なのか興味があったんだ。
 なんかワクワクするよ」
「『ベンハー』とか『スパルタカス』の世界だな」
「阿呆。我々が目指すのはアテネやローマではない。
 パレスチナだぞ、パレスチナ」
「どちらかというと、『十戒』の世界だね」
「パレスチナまでコントロールするのはお前の役目だ、パタリロ」
「おうよ。任せておけ」

3人、とある街角に降り立った。
そこはかなりの人でごったがえしていた。
「ここがパレスチナだ」
「証拠はどこにある?」
「それはおいおいわかる」
「それにしても、凄い人の数だね」
「皆初詣に来ているんだ」
「アホか、おのれは」
「どうでもいいが、我々は紀元前の世界において目立ち過ぎる。
 特に、バンコラン。お前みたいな鬼のような大男はド目立ち過ぎる」
「やかましい」
「ねえ、どこか静かな所に行こうよ」
「そうだな」
バンコランは人ごみからマライヒを庇うようにその肩を抱いた。
「バンコラン~、焼きとうもろこしが食べた~い」
パタリロが科を作りながらバンコランの服の裾を掴んだ。
「ったく、お前って奴は・・
 食べることから少しは離れられないのか。この、くずれアンパン!
 いいから、はぐれずに付いて来やがれ!!」
パタリロの首根っこを掴んで引きずるようにした。
「やい、バンコラン。一国の王に対してだな、その態度は」
その時、役人らしき人間の怒鳴る声が聞こえた。
「住民の登録をしに来た者、こっちだ!こっちに一列に並べ!」
わらわらと人々が役人の声のする方向へ移動を始めた。
「あっちだってよ。あっち」
「早く登録して、故郷へ帰りたいもんだ」
役人がまた叫ぶ。
「ローマ皇帝アウグストゥス様より、
 税金の管理の為、お前達に住民登録をせよとのお達しがあった。
 まだの者は早く済ませるように。
 言うことを聞かない者は首をはねるぞ!」
「ひえぇぇ、怖い、怖い。ローマ皇帝は怖いねえ」
「ああ、おいらまだ新婚なんだぜ。首なんかはねられたくねえさ」
「あんた達も早く登録した方がいいよ」
3人のそばを通りかかった年配の婦人がそう言い残して去って行った。
「ローマ皇帝アウグストゥス?」
「初代のローマ皇帝だよ。皇帝になる前の名はオクタピアヌス。
 シーザーの甥だよ。アクチウムの海戦でアントニウス・
 クレオパトラ連合軍に勝った後皇帝になった」
「じゃあ、ここは古代ローマなのか?
 パレスチナのはずじゃなかったのか?パタリロ」
「いいや、ローマのはずがない。
 その証拠にスペイン階段も真実の口もないじゃないか」
「馬鹿か、てめえは!今は紀元前だ、紀元前!!」
「あーもう、短気な男だな、お前は。
 仕方ない。わがままなマライヒの言うことを聞いてやるか。
 オラオラお前ら、静かな所に移動するぞ!」
3人、パタリロの力で短いテレポーテーション。 

「静かな所とは言ったけど、静か過ぎだね、ここ」
「閑静な良い所と言え、マライヒ。紀元前ならこれが普通だ」
「まあ、そうだけど・・」
「おい、向こうの方に小屋らしき物が見えるぞ。行ってみよう」
3人が近づいてみると、そこは馬小屋だった。
「バンコランのアンポンタン。馬小屋じゃないか、ここは」
「うるさい。ひとまずここに腰を落ち着けて、
 これからの方針を決めるんだ!」
「それにしても、腹が減った」
「まだ言ってるか、キサマは!」
「シーッ!黙って。誰か来るよ」マライヒのアンテナが反応した。
「隠れるんだ!」3人はうず高く積んである藁の後ろに隠れた。
「何だマライヒ、誰も来ないじゃないか!」
「ううん。絶対来るよ。強い気配を感じる」
「マライヒの言うことに間違いはない」
「お前、マライヒを好きなのはいいが、まるで盲愛のていたらくだな」
「黙れ!妖怪あずき洗い」
しばらくして、男女の2人連れが小屋に入ってきた。女性の方は具合が悪いのか、男性に抱えられるようにしてやっと歩っている。
「大丈夫かい?マリア」
「ええ・・・大丈夫・・・」
「身重の君を遠いベツレヘムまで連れて来て、
 こんな辛い思いをさせてしまった。許してくれ」

「ベツレヘム?今ベツレヘムって聞こえたよね?」
「おお!ここはベツレヘムだ。ローマではないぞ、バンコラン。
 ところで、ベツレヘムってえのは、ええと・・」
「今のパレスチナだね」
「やった!間違いなくパレスチナだ」
パタリロが小声で叫んだ。
「ああ、どうやらそうらしいな。
 ローマ帝国はこの頃既にパレスチナまで勢力を伸ばしていたのか」

「さあ、ここに横になって、マリア」
「有難う、ヨセフ・・うっ・・」
「痛むのかい?」
「ええ・・あ・・どうやら産気づいたみたい・・」
「えーっっっ!!!うわあ、どうしたらいいんだ?」

「おいおい、孕み女か?ここで産もうっていうのか?」
「ちょっと待て。あの2人、マリアとヨセフと呼び合っていたな?」
「うん。確かにマリアとヨセフだったよ。
 マリアとヨセフ、マリアとヨセフ、マリアと・・」
「何だ?知り合いか?」
「馬鹿」
「ベツレヘム、馬小屋、マリアとヨセフ。あーっ!もしかして・・」
「そうだ。まさかとは思うが・・」
「そう。そのまさかだよ!!」
バンコランとマライヒは顔を見合わせた。
「何だ、何だ。お前らだけで勝手に盛り上がって、
 ちっとも話が見えないじゃないか」
「今ここで産まれようとしている子供は、
 イエス=キリストなんだよ。どどどどうしよう」
「ああ。俺達が見てしまっていいものなんだろうか?」

「あっ、痛い・・」マリアがヨセフの手を強く掴む。
ヨセフがその手を握りしめる。
「しっかり、しっかり、マリア」

「それ、ヒ・ヒ・フーだ。ヒ・ヒ・フー」
「何だそれは?」
「ラマーズ法だ。紀元前ではこうした出産法は知られていないんだな」
「当たり前だよ。どうして子供の君がそんなことを知っているの?」
「母上が僕を出産する時、助産婦がそう言っているのを母上の子宮に
 いながら聞いていたんだ」
「やっぱり、お前は人間じゃない」
「それ!今だ。いきめ!いきむんだ!!」

「あーっっっっ!!!」
「がんばれ、マリア!」

「ああ、何だか僕まで胸が詰まってきた」

「もう少しだよ、マリア」
「あーっっっっ~~~~」
次の瞬間、暖色系の光が一筋馬小屋に差込んできた。
そして程なく元気な産声が聞こえてきた。
「おお、マリア、産まれたよ。産まれたよ!元気な男の子だ」
「ええ、ええ、あなた・・ヨセフ・・」
「おお、神よ。感謝します!!!」

「何か・・凄い場面に立ち会っちゃったね、僕達・・」
「ああ、何て言ったらいいのか・・・」
「ウーム、本当に馬小屋で産んだんだな。
 確か、日本にもそういうのがいなかったか?」
「厩戸皇子?」
「そうだ。偉い奴は皆馬小屋で産まれるものなのか?」
「キリストが誕生したのは、紀元前4年だと言われている。
 でここが、パレスチナのベツレヘムだとすると、
 お前のテレポーテーションは正しいということになる」
「そうとも。僕のタイムワープに狂いはない。ワハハハハハハvv
 今ハタと気付いたのだが、イエス=キリストの誕生を以って、
 紀元前から紀元後へとスイッチしたんだろう?」
「それが違うんだ。キリスト教徒の間では、
 紀元前4年に産まれたというのが定説となっている。
 だから紀元前が終わるまで、あと4年あるという訳」
「じゃあ、今はまだ紀元前なのか?
 今ここに神が産まれたんだぞ。ここが境ではないのか?
 紀元前紀元後の境はそんないい加減なものでいいのか?」 
「男がぐだぐだ細かいことを気にするな」
「どえりゃあ、気になるわい!」
「君、キリスト教徒なのに定説を知らないの?」
「うんにゃ。僕はキリスト教徒ではない」
「だって、国王の戴冠式って教会でやったんでしょう?」
「何を言うか。僕は禅宗なのだ」
バンコランとマライヒこける。
「・・信じられない・・禅宗が泣くよ」
「と、とにかく、お前の能力の正しさが証明された。
 攻守交代だ。現代へ戻るぞ」
「い、いや。ちょっと待ってくれ」
「焼きとうもろこしなら買わないぞ」
「いや。チョコバナナとたこ焼きとソースせんべいが食べたい。
 ってそうじゃないだろ!」
「ボケとツッコミ、1人でやらないでよ」
「ここが紀元前紀元後の境だと思ったから、
 僕はあれをやりたかったんだあ~~~!」
「あれって?」
「゛しんしんと降りしきる雪を踏みしめて、
 人々は参道の石段を一歩一歩上って行きます。
 間もなく紀元前という長い時代が終わりを告げようとしています。
 (ゴーーーン)永平寺の鐘が今新しい時を告げました。
 紀元前から紀元後へと時代は今まさに移り替りました。
 この紀元後が人類にとって愛と平和の未来であることを
 切に切に祈ってやみません”と
 『行く年くる年』の中継をだなあ、やりたかったんだあぁぁぁ!!」
「アホくさ・・」
「君らしいね」   
「何だかんだ言って、今中継やれただろうが」
「そうなんだが、マインドコントロールでイリュージョンを
 使えないから、いまいち気分が出ない」
「使ってもいいんだよ。でも君の反則負けだけどね」
「じゃかましいんじゃ。わいは、勝ちたいんや。
 おまんらからは゛IPPON!”で、勝ちたいんや。
 まわしがはずれてモロ出しの為反則負け~なんていう後味の悪い
 負け方だけはしとうない」
「何か変なたとえ」
「そうこなくっちゃ面白くない。戻るぞ、パタリロ。いいな?」
「いや、まだ心残りがある」
「今度は何?」
「クレオパトラに会いたい」
「てめえ、いい加減にしろ!」
「当時のセレブだぞ、セレブ!会いたいと思わんか?」
「別に。人妻に興味はない」
「いいじゃない、バンコラン。どうせ時代は近いんだし」
「ここから直行するのか?一旦戻らないのか?」
「まだるっこしい。ここで攻守交代だ。直接行ってくれ、バンコラン」
「何年のどこへ行けばいい?」
「アクチウムの海戦は紀元前31年9月2日だから、
 それ以前ならば会えると思うよ。それから、
 クレオパトラの宮殿があったのはアレキサンドリアのはず」
「よし、わかった」
「紀元前」
「0032年」
「アレキサンドリア」
3人はベツレヘムからアレキサンドリアへ飛んだ。

同じ頃、馬小屋では。
「今ガサゴソと音がしたけど、誰かいたのかしら?」
「いいや、マリア。俺達2人だけだよ。
 さあ、君はゆっくり休んだ方がいい」
嬰児を抱く柔らかな表情のマリアと、それを見つめる幸せそうなヨセフ
の姿がそこにあった。       

                       
EDIT  |  08:15 |  二次創作  | CM(3) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決Ⅷ 

―お出かけの前に―

    ****配役****
        パタリロ8世:湯島昌幸
        バンコラン:霧原直人
         マライヒ:霧原直也
       MI6情報部長:コミックオリジナル
   マリネラ王国警察長官:コミックオリジナル

別室にて。
「あ・・待って、バンコラン」
「駄目だ。待てない」
「そんなにしたら、大きな声が出ちゃうよ。パタリロに聞こえる・・」
「いいさ。聞かせてやれ」
「や、あん・・そこはダメ・・」

そうこうするうちに一夜が明けた。
「パタリロ、無事に帰れたかな?」
「あいつのことだ、心配するだけ無駄だ」
「うん、そうだね」と言いつつ、チラッとバンコランを見て頬を赤らめた。
「何だ?」
「・・昨日はあんなに激しくするんだもん・・」
「お前が可愛い声を出すからだ」
「だって・・・もう、知らない!」
そこへ、甘いムードを遮るように電話が鳴った。
「きっとパタリロだよ」
「何だ。こんな朝っぱらから」バンコランが受話器を取った。
「よう、大将。ブエノスディアス」
「フン、やっぱりお前か。
 ところで大将ってのは、俺への当て付けか?」
「何のことだ?」
「あいにくと俺の階級は少佐だ。大将じゃない」
「ほう。万年少佐と言っちゃ気の毒だから、僕は大将と言ったまでだ」
「(怒りをこらえつつ)用件は何だ?」
「サイキック対決の打ち合わせをしようじゃないか」
「どこでだ?」
「今からマリネラ大使館まで来られたし」
「俺達を呼び出すとは100年早いと言いたいところだが
 行ってやってもいい。1時間後にそっちに行く。じゃあな、切るぞ」
バンコランは受話器を置くと、マライヒを振り返った。
「出かけるぞ。あの阿呆の大使館だ」
「やっぱりパタリロからだったんだ」
「サイキック対決の打ち合わせだそうだ」
「テレポーテーションで行くんでしょ?」
「そうだ。だが、大使館へ行く前に先ず本部に寄る」

2人、MI6本部にテレポーテーション。情報部長の部屋に入る。
「部長、明日から1週間休暇をとらせていただきます」
「な、な、な、何ーっっ!?」
「有給が溜まってるんです。とらせていただきます」
「しかしだな、明日などと急に言われてもだな・・」
「引継ぎはきちんとして行きます」
「そういう問題じゃ・・」
「とらせていただきます。いいですね?」
「だが、しかし・・」
「そうですか。わかりました」と言って、
金色の輪っかのような物を部長の頭にはめた。
「ん?何だね、これは?」
「1週間休暇をとります。いいですね?」
「君ねえ、昨日の今日で、許可をする訳にはいかんよ」
「・・・」バンコラン、部長の額に気を集中させる。出力。
輪がギュッと締まる。
「ウッ!な、何だ?」
「もう1度言います。休暇をとります。いいですね?」
更に輪を締める。
「グァーッッ!痛い痛い!」
「いいですね?」
「痛い痛い、許可するからやめてくれ~~!!」
出力解除。輪っかを取る。
「有難うございます。ではここにサインを」
部長のサインをもらった後2人退室。
「荒っぽいことしちゃったね。ちょっと部長が気の毒になちゃったよ」
「気にするな。それより行こう」とマライヒの腰に手を回した。
「うん」バンコランを見上げた。
ヨレヨレになった部長がぼやく。
「ああ、怖かった!あれじゃ、闇金融の取立て屋だ。
 いや、それ以上だ。もう、イヤだ~あんな部下!!」

2人、マリネラ大使館にテレポーテーション。
「おい、ヘチャむくれ。来てやったぞ」
「お~い、パタリロ~、メチャリロ~、ヨタリロ~~」
「おいおい、人の名前は正確に呼びたまえ」
鷹揚とした足取りでパタリロがやって来た。
「さてと、早速対決方法を決めよう」
「テレポーテーションの正確さを競うんでしょう?
 だったら、先ず時間と場所を指定しなきゃね」
「その時間と場所は、誰がどうやって決めるんだ?」
「ん~そうだなあ、あっ、そうだ。
 ダーツで決めるっていうのはどう?」
「ほう。それなら僕にいい考えがある。
 おい、タマネギ1号。武術の達人と思える者を4~5人集めろ」
「はっ。かしこまりました」
「たかがダーツに武術の達人?」
「いいから、見てろって」
しばらくして
「殿下。達人を連れて来ました」とタマネギ1号に続いて、
数人の達人とおぼしきタマネギ達が入って来た。
「何でお前が達人なんだ?」
パタリロが声を掛けたのは、のんびりした顔の50代の警察長官。
「私も一応根来流手裏剣の術を心得ております」
「訳がわからんが、まあ好きにしろ」
「一体、何を始めようっていうんだ?」
「日本の宝くじ方式だ。的が回っている間にダーツを投げて
 刺さった所が指定の時間と場所だ。
 紀元前か紀元後、4桁の西暦年、それと世界地図。
 以上の的に向かってダーツを投げてもらう。いいな?」
「ま、いいだろう」
「僕もOK」
「よし、そうと決まれば、お前ら気合い入れていけよ」
パタリロは達人達にハッパをかけた。

場面が変わって、宝くじ式の装置がズラーッと並んだ大広間。
その中で、件の警察長官は『気合だ!』というロゴが書かれたTシャツにたすき掛けといういでたちで、異常な張り切り様を見せていた。
「何か、お前勘違いしてないか?」
「いいえ、殿下が気合を入れろとおっしゃったので、
 アニマル浜口さんバリで攻めてみました」
「フン。ぎっくり腰を起こさんようにな」
そして全員がダーツを握った。的が回転した。
パタリロが号令をかける。
「よし、今だ。投げろ~~!」
ところが警察長官の投げたダーツがパタリロの尻に刺さった。
「この痴れ者が!貴様は国王を殺す気か!?」
「これはこれは申し訳ございません。
 何しろ手裏剣を投げるのは40年ぶりなものですから」
「お前は紀元前紀元後の的に向かってまっすぐ投げればいいんだ!
 2つに1つしかないだろうが!!」
「まったく、国王が国王なら家来も家来だな」とバンコラン。
「みろ、下々の者に笑われてしまったじゃないか!
 ええい、仕切り直しだ。長官だけ、イケ~~~!!」
さてさて、結果の方は?
「紀元前」
「0004年」
「パレスチナ」と相成った。

「コイントスで先攻後攻を決めよう」とバンコランが提案した。
「いいだろう。ほれ」
「何だ?これは」見れば『数学ⅡB』の教科書。
「コイン、コサイン、タンジェントって・・・」
バンコラン、サイコキネシスで教科書を真っ2つに切り裂く。
「いやいや、ほんの冗談だ。コインはこっちだ」とマリネラ王国の硬貨を手渡した。
「僕の顔が彫られている方が表だ。
 表が出たら僕の方が先攻ということにする」
「何か人をおちょくったようなコインだね」
「放っといてくれ!」
バンコランがサイコキネシスでコインを投げ上げた。
落下したコインを見ると、
パタリロのニンマリ笑った顔がそこにあった。
「よし。僕が先攻だな」
「待って。禁止事項を作ろう。
 基本的に使う力はテレポーテーション能力のみ。
 その他の力、例えばマインドコントロールやサイコキネシスは
 使わないこと。
 もし使ったら、その時点で負けっていうことにするのはどう?」
「わかった。激しく同意」
「僕もおKだ。
 よっしゃあ!そうと決まったら、お前ら僕につかまれ。
 だが、どさくさに紛れて僕の可愛いヒップを撫でるんじゃないぞ」
「誰がお前の尻なんか撫でるか!アホんだら」
「マライヒお兄ちゃん、もっとこっちに寄って」
「お前こそ、マライヒにベタベタ触るな!」
「ゴロニャーン(^^)」
「うわっ、くすぐったいよ、パタリロ」
「きさま・・・(-”-;)」  
「そんじゃあ、行くぞ。タ~イムワープ!!!」
かくして、3人は消えた。





EDIT  |  07:55 |  二次創作  | CM(2) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決Ⅶ 

―ガチンコ前夜―

        ****配役****
     パタリロ8世:湯島昌幸
     バンコラン :霧原直人
     マライヒ  :霧原直也
     

「バトルもいいが、その前にこれこれ」と
パタリロはバンコランの前に大きなしゃもじを差し出した。
「何だ、これは?」
「ここに書いてある字が目に入らないか?」
「お前、広島県代表か?」
「そうだ。しゃもじで敵を召し(飯)捕れってな。って、違うだろうが! 育ち盛りの僕の胃袋はディナーを欲しているのだ」
「もう、パタリロったら、バンコランを怒らせない方がいいってさっき
 僕が言ったのを忘れたの?」
「忘却とは忘れ去ることなり」
「相手にするな、マライヒ」
「うん。でもそれよりバンコラン、僕もお腹が空いたよ」
「わかった。じゃあ宅配ピザを取ろう」
「ワーイ!!」とパタリロが万歳する。
「おい、パタリロ。うるさいお前の口を塞ぎたいから、
 お前の分も注文してやる。食ったらとっとと大使館へ帰れよ!」
「うほほーい!バンコラン君、太もも~~」とパタリロは腰をくねらせて喜びを表現した。
「君はクレヨンし○ちゃんか!?」
「そうと決まれば、僕はこれとこれとこれがいい」と
マライヒの突っ込みを無視してメニューシートを指差すパタリロであった。
「じゃあ、自分で金払え」と言われたものだから、
「プレーンピザ1ピースで結構です」と
椅子の上に正座して急におとなしくなった。
「マライヒお兄ちゃん、『DORAEMON』見ていい?」
「おにい・・何なんだ?こいつ」
「ときどきこうしてしおらしくなるんだ。変だよね」と
クスッとバンコランに笑いかけた。
それからパタリロの方に顔を向けた。
「見ていいよ。日本のアニメ見ている時の君は、
 別人のようにおとなしいからね」

アニメに夢中になるパタリロから離れると、
マライヒはバンコランに問いかけた。
「ねえ、さっきパタリロが言ったことは本当?」
「パタリロが言ったこと?」
「デミアンって人のこと」
「ああ、デミアンか。
 グローブナー将軍直属の情報将校養成所時代の先輩さ」
「同室だった・・の?」
「そうだ。彼にはいろいろ教えてもらった。気になるのか?」
「あ・・僕と知り合うずっと前のことなのに、
 今更こんなこと聞くなんておかしいって思うけど・・
 ごめんなさい。過去にどんなことがあろうと僕には関係ないよね・」と言ってマライヒは瞳を伏せた。
「・・彼は今どこにいるの?」
「奴はWスパイだった」
「えっ?」マライヒは驚いて思わず顔を上げた。
「KGBで教育を受けた後、工作員としてMI6の付属機関に
 潜入した。俺が知り合った時には既にWスパイだったという訳だ。
 だが2年前ある国際的陰謀が発覚した際に、奴の正体も遂にバレた」
「それでどうなったの?」
「銃撃戦の末射殺された」バンコランは窓の外に視線を逸らした。
「ごめんなさい。辛いことを思い出させちゃったね」と
バンコランの腕にそっと触れた。
「いいさ。謝る必要はない」左手で腰を引き寄せた。
「でも・・」
右手でうつむくマライヒの細い顎をすくい上げた。
「そんな顔するな」静かに唇を重ねる。
マライヒが反応して、バンコランの背に無意識に手を回す。
やがて、唇を離したバンコランはマライヒの瞳をのぞき込んだ。
余情に潤いを帯びた瞳がそこにあった。
「あん、パタリロが見てるよ」
「いいさ、見られたって。見られた方が俺は燃える」
「変なこと言わないで。もうすぐピザが届くよ」
と言いつつ頬は上気し始めている。
「じゃ、また後でな」
マライヒを1度ギュッと抱き締めると耳元で囁いた。
「バンコラ・・ン・・」思わず甘えるような声を発してしまった。
「誘うな、バカ・・」

一旦誘惑を断ち切り、マライヒを離したバンコランは、
テレビを見ているパタリロの脇に屈み込んだ。
「いいか、パタリロ。よく聞くんだ。
 ピザ屋が来たらこの金を渡せ」50ポンド札と小銭をかざした。
「代金を払ったらチップを渡すんだ。残った金はお前にやる。
 ピザも好きなだけ食っていい」
「ええ!?そんな3人分食べきれないよ~」
「大丈夫だ。お前なら食べられる」
「無理だよ~」
「無理じゃない。お前ならできる。
 俺達は用事を思い出したから、お前と一緒には食べられない。
 だから、食べたら気を付けて大使館に帰るんだ。いいな。
 お前のことだ。テレポーテーション使えば訳ないだろう」
「え~、1人で食べるのつまらないよ」
人を喰ったようないつもの口調でないパタリロにバンコランは調子が狂うのを感じた。
「じゃあ、ピザが届いたらすぐ大使館へ帰って、
 タマネギ達と一緒に食べたらいい。な、そうしろ」
「う、うん。このお札で払えばいいんだね。
 チップはこっちの小銭だよね」
「そうだ」
「お釣り、もらっちゃっていいの?」
がめついパタリロから殊勝な言葉を聞いてますます調子が狂った。
「いいんだ。何なら覚えていたら後で返してくれればいい」
「うん。わかった」パタリロはコクンとうなずいた。

バンコランは立ち上がると、ソファに座っていたマライヒのもとに行き腕を取った。
「しょうがないな。このわがままな王子様は」
「バンコランがあんなことするからだよ」
「あんなことって?」
「だから・・」
「どんなことだ、言ってみろよ」
「・・・」
「言ってみろよ、ほら」
「・・イジワ・ル・・」
唇を噛んで、上目遣いで見つめてきた。
「子供の教育上良くないから別室に行くぞ」
「了解。少佐どの」
バンコランはフッと笑うと、
先程と違って荒々しく肩を引き寄せ唇を奪った。
優しいキスもいいが、時には荒々しいキスも欲しくなる。
そんな気分のマライヒであった。




 



EDIT  |  07:44 |  二次創作  | CM(3) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決 主題歌決定~vvv 

ハ~イ、連載中の小説の主題歌、独断と偏見で決定させていただきました!
それは、
誘われてフラメンコ by 郷ひろみ
(音楽ダウンロード配信サイト・Listen Japanより引用)
エッチっぽくDEEPで熱い歌詞なんです。
  
 1、真夏の匂いは危険がいっぱい
       ・
       ・
  抑えた心に火が点く
  僕から乱れてしまったみたい
  
  誘われてクラクラ、乱されてユラユラ
  誘われてクラクラ、乱されてユラユラ

2、言葉や仕草は2人で求めた
  互いの秘密を小部屋で知ったよ
  眠りの中でも僕らは
  くちつ゛けこの胸あの指
  愛ある世界がつかめたみたい
  
  誘われてフラフラ、目の前がクラクラ
  乱されてユラユラ、燃えるのさこんなに

もももももう、歌詞カード読んでてクラクラきちゃいました。
特に2番。
僕から乱れたあ?その僕って直也かあ?いやこの場合マライヒか。
互いの秘密を小部屋で知ったあ?小部屋って何よ? 小部屋って。
眠りの中でもくちつ゛け→燃えるのさこんなにって、
そりゃあ燃えるだろうよ。いや゛萌える”だ。
いいねえ若い人はお盛んで。
そして、1度聞いたら忘れない。
♪誘われてクラクラ、乱されてユラユラ♪
リフレインされるこの意味ねえーフレーズが、
今回のお笑い小説にビンゴ!!
何とはなしに、今回は70年代歌謡曲をチョイスしたかったんです。
以上、ご報告までv
 
EDIT  |  07:35 |  二次創作  | CM(2) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決Ⅵ 

―お帰りなさいませ、御主人様―

           ***配 役***
          パタリロ8世:湯島昌幸
          バンコラン :霧原直人
          マライヒ  :霧原直也

マライヒは自室に籠ってしまった。時計の針が時を刻む。
「おい」じれたパタリロが声をかける。
「・・・・」
「晩ごはん作らなくていいのか?」
「・・・・」
「おい、マライヒ。生きてるのか?」
むっつりとした顔をしてマライヒがドアを開けた。
「作らないよ」
「何だとぉ?僕がいるから作らないのか?」
「君がいてもいなくても、僕は食事は作らないよ」
「お前なあ、マライヒといえば、愛するバンコランの為に
 食事を作るのが生きがいの少年だったろうが。
 いつからそんなぐうたらに成り下がった?」
「何言ってるの?僕は掃除・洗濯・片付けの担当なんだ。
 料理はしないよ。っていうか、しなくていいって、
 バンコランに言われているんだ」
「阿呆、起きたまま寝ぼけているのか?
 マライヒといえば料理、料理といえばマライヒと
 相場が決まっているだろうが!」
「そんなの誰が決めたの?」
「・・んじゃあ、仮に百歩譲ったとして、誰が料理を作っているんだ?
 毎日外食か?外食ばかりでは体に良くないぞ」
「バンコランだよ」
「はあ?」
「だから、バンコランだよ」
「ウソこくでねえ。
 コップ1個、フォーク1本まともに洗ったのことないバンコランが
 料理なんかする訳なかろうが!」
「ウソじゃないさ。グラタンなんか、
 ホワイトソースから作っちゃうんだからね。
 カレールーだってそうさ」
「信じられん。・・ウーム、あのバンコランがどんな顔して
 料理するんだか?」
「そういう訳だから、僕に言ったって何も出ないよ。
 そんなにお腹が減ったのなら、さっきのケーキ食べてれば」
ケーキを出してからマライヒは、パタリロの向かいに座った。
「お、話がわかるようになったじゃないか」
ケーキを食べ終えたパタリロは、急に少女漫画の゛星の瞳”になり、
胸の前で両手を組み、上目使いでマライヒを見上げてきた。
「マライヒお兄ちゃん、お願いがあるんだけれど」
「えっ?」急にお兄ちゃんと呼ばれたマライヒはたじろいた。
「な、何?急に・・」
「僕のお願い聞いてくれる?」
「な・・変な言い方、やめて欲しいな。調子狂うよ。
 あーっ、バンコランとのサイキックバトル、
 今更やめるなんて言いっこなしだからね!」
「違うよ。そろそろ『POKKEMON(ポッケモン)』が始まる時間なんだ。
 テレビ見ていいでしょ?」
いつもの人を喰ったような物言いではなく、年相応の子供のような
物言いなので、マライヒは些か面喰っている。
「あ、ああ、そんなこと。・・いいよ。見たいんならどうぞ」 
日本のテレビアニメ『POKKEMON』は、イギリスの子供達の間でも人気があるらしい。
テレビ画面に一心に見入るパタリロの様子をマライヒは眺めていた。
(なんだかんだ言っても、所詮は子供だな)
そうこうしているうちに、インターホンがバンコランの帰宅を告げた。

「ただいま」
「お帰りなさい」
言うや否や、マライヒはバンコランの胸にしがみついた。
「どうしたんだ?」
マライヒを見下ろし、慣れた仕草で肩を抱いた。
「パタリロがひどいんだ」
「な、何だと!!」
マライヒを見つめていた顔を上げ、キッと鋭い目で部屋を見渡した。
「お帰りなさいませ、御主人様vv」
パタリロはメイドスタイルになって出迎えた。
「てめえ、一遍殺されたいか!?」
「うわわわ・・板垣死すとも自由は死せず」
バンコランはマライヒを抱くのを止め、パタリロの方に近づいてきた。
何故今ここにパタリロがいるのか訊くことより先に、
「きさま、マライヒに何をした?」
「何をって、僕は10年前にあったことをただ正確に伝えただけだ」
「10年前?」
「これ・・」マライヒも2人の方に近づいてきて、
件の写真をバンコランに差し出した。
「デミアンじゃないか!どうしたんだ、この写真は?」
「パタリロが10年前にタイムワー・・テレポーテーションして
 撮ってきたんだ」
「お前、ここまで証拠があるんだ。
 僕のタイムワープが嘘っぱちだなんて、もう言わせんからな」
「タイムワープ?時空を超えて瞬間移動することか?」
「そうだ。少しは賢くなったようだな」
「偉そうな口を叩くな。どういうつもりで、
 デミアンの写真なんかをマライヒに見せたんだ!?」
バンコランの怒りでテーブルの上のティーカップがカタカタ音を立てて
揺れ出した。
「お?何だ、何だ。地震か?」
「はぐらかすな。俺の質問に答えろ」
(バンコランが「俺」だと?変だな。ま、いいか)
とここで、パタリロはまた゛力”を使った。
部屋が急に警察の取調べ室に変わった。
簡素な机。容疑者役のパタリロはパイプ椅子に座っている。
刑事役のバンコランがバーンと机を叩く。
「ふざけるのはよせ!質問に答えろ!!」
「・・さあね・・あっしは何にもやっちゃいませんぜ」
「キサマ・・」
「まあまあ、バンコラン警部補」と
キャリアっぽい雰囲気の若い警部役のマライヒが現れた。
「君、これでも食べて。早く楽になった方がいいよ」
ニッコリ笑いながら、丼をパタリロの目の前に置いた。
蓋を開けると、お決まりのカツ丼だった。
「あの折角なんですけど、牛丼つゆだくに変えてもらえますかねえ?」
「てめえは自分の立場ってもんをわかってるのかぁぁぁぁ」
バンコランが机を引っくり返しそうになったところで、
パタリロはイリュージョンを消した。
「何か今変な物を見たように思うんだが」
「僕も。これ、きっとパタリロのマインドコントロールのせいだよ」
「クッ・・変な゛力”使いやがって。
 いいか、パタリロ、忠告しておく。
 これ以上゛俺のマライヒ”を泣かすような真似をしやがったら、
 タダじゃおかないからな!わかったか!!」
「オー、僕ちゃん、世界で一番゛タダ”が好き」
バンコランの怒りの水銀柱が物凄い勢いで上昇した。
「てめえ!!!」
その時、パタリロが偶然手にしていたフォークがポッキリと真っ二つに
折れた。
「ひょわわわわわ」
「バンコラン、もうやめて!これ以上やっちゃだめだよ」
マライヒはバンコランに向かい合うように立つと、
その両腕を掴んで制止した。
「ね。僕はもう大丈夫だから落ち着いて」
静かにバンコランを見上げた。
「ああ、わかった。もうしない」マライヒの目を見つめ返した。
それから、マライヒはパタリロの方に向き直り、
「今君も見ただろう?バンコランにはこういう゛力”があるんだ。
 サイコキネシス。不用意に怒らせない方が身の為だよ」
「ほう。サイコキネシスペキネンシス。北京原人がどうした?」
「サイコキネシス!」
「わーっとるわい。ところで、バンコラン。
 君は僕のタイムワープ能力を信じるのか?
 前のようにバカにしたりしないのか?」
「フン。どういう訳か知らないが、
 最近俺にもそういう゛力”が身に付いた」
「ほら、僕の言ったことは本当だったでしょう?」
「ウーム、だがまだ実際に見せてもらった訳じゃない」
「ハン、疑うんなら証拠を見せてやってもいい」
「ほほう。そうきたか。前にも言ったが、
 お前らとは一遍決着をつけにゃならんと思っていたところだ」
「それはこっちのセリフだ」
「おう。喧嘩上等や!想定の範囲内やで」
パタリロは『天上天下唯我独尊』と刺繍された白の特攻服に変身した。
EDIT  |  07:20 |  二次創作  | CM(4) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決Ⅴ 

    ―お宅訪問―

           ***配 役***
    パタリロ8世:湯島昌幸
    マライヒ  :霧原直也
    タマネギ軍団(パタリロの親衛隊):コミックオリジナル

パタリロ一行は現代に帰って来た。
「バンコランにブン殴られる前に帰って来れてよかった」
「少佐は怒ると怖いですからね」
「10年前は少佐じゃないぞ。小生意気なただの若造だ」
「少佐にもペーペーの時代があったんですねえ」
「ときに殿下、ここはマリネラじゃありませんよ」
「ああ。ロンドン大使館だ」
「何でまたロンドンなんかに?あっ、何か企んでますね?」
「ホッホッホ、権謀術数は王侯の処世術。
 じゃあな、お前達。後は頼んだぞ」
「殿下~~!」
パタリロはまたしても゛力”を使った。

所変わって、とあるマンションの24階。
午後5時頃、マライヒがパソコンでテレビを見ていたところ、
インターホンが鳴った。
「誰だろう?」と言いながら応対に出た。
「バンコランさんとマライヒさんのお宅ですか?」
「そうですけど」
「実は、当マンションの耐震強度の調査で各部屋を回らせて
 いただいているのですが」
「えっ、耐震強度?」
「そうです。管理人さんから伺ってませんか?」
「いえ、何も聞いてませんけど」
「おかしいな。今日お伺いするとお知らせをしておいたはずなんですが 管理人さんが連絡を怠ったんですかね?
 ま、とにかく今からお伺いさせていただきます」
「えっ、えっ、そんな・・・」
マライヒがあたふたしているうちに、調査員とやらは早くも玄関の前まで来てしまっていた。チャイムが押された。
溜息をついてマライヒは仕方なくドアを開けた。
「よっ!」
「・・・・・なっ、どっ・・!!」
「暇そうだから来てやったぞ。何だ。びっくりして声も出ないか」
「あ゛あ゛・・・メ、メチャリロ・・じゃなくて・・
 ヨタリロ・・じゃなくて、えっと、ボタ、ボタリロ・・・」
「マライヒ、お前、知ってて言ってるだろう?」
するとパタリロは、簡素な炭鉱住宅が立ち並ぶ筑豊の街のイリュージョンを見せた。
そして自らも坊主頭・黒い学童服に半ズボンに下駄ばきといういでたちに変身した。これこそまさに彼のマインドコントロールによるものだ。
「あのボタ山は、筑豊モンの魂たいね」
「そうたい、信介。あのボタ山は重さんの魂ば宿っとる。
 そして、あんたは重さんから預かった大切な命たいね。
 ウチが体を張ってでもあんたを育ててみせるたい」
マライヒはいつの間にか、黒髪のボブカットに紫の縦縞の着物といういでたちに変身させられ、筑豊弁をしゃべっていた。
「おっ母しゃん!」
2人は見つめ合い強く手を握り合った。
しばらくして、パタリロがマインドコントロールを解いた。同時にボタ山も扮装も消えた。
「なっ、何ーーっ?今僕何をやっていたんだろう?」
「『青春の門』ごっこだ。どうだ。重厚な文学作品はいいだろう?」
「ど、どうして、君がここにいるの!?」
「あ?お前、僕の特技を知らないな。
 変装に声帯模写にマインドコントロールだ。
 お前見事に引っ掛かったな。危機管理がなっちゃいないな」
「じゃあ耐震強度の調査ってのは、全くのデタラメって訳?」
「あたぼうよ!」
「あーっ、悔しい!・・で、何の用?」
「おう、よくぞ聞いてくれた。これこれ」と
パタリロは大きなしゃもじを取り出した。
「ジャーン!!突撃!となりの晩ごはん」
「アホか!!君は」
「お前、昨日の放送を見てなかったのか?
 ロンドンから衛星中継でお届けすると言っておいたじゃないか」
「そんな番組見てないよ!」
「そういう訳で、お宅の晩ごはん見せてもらいに来ました」
「作ってないよ」
「にゃにぃ?」
「だから、作ってないってば」
「じゃあ、早く準備に取り掛かれ」
「やだよ。ごはん時を狙って人の家にやって来るなんて、
 いかにも君らしいやり方だね」
「ハーイ、おかげさんで」
「あっ、わかった。この前『国王にお茶も出さない』と
 さんざんクレームをつけていったね。それを根に持って・・」
「おっ、そんなこともあったな」
「またクレームつけられるとシャクだから、今日は出してやるよ。
 はい、どうぞ!」
マライヒはテーブルの上に乱暴に物を置いた。
「何だ?これは?」
「水だよ。ミネラルウォーター。水道水じゃないんだから
 有難く思って飲んでよね」
「おい、茶菓子はないのか?」
「ほんっっとに、いい性格だね」またもや乱暴に物を置いた。
「これは、一体何だ?」
「見てわからない?チ○ルチョコだよ。
 これ食べたらさっさと帰って!君なんかを家に入れたらバンコランに
 怒られちゃうよ」
「お前なあ、僕はやんごとなきお子様だぞ。育ち盛りなんだぞ。
 こんなもんで足りると思っているのかぁ!?」
「君は育ち過ぎだよ。少しカロリー控えた方がいい。
 何?その腹。みっともないよ」
「フフン、マライヒ君。大きな口を叩いていられるのも今のうちだよ」
「何?どういう意味?」
「君に知らせておきたいことがある。これを見給え」
そう言ってパタリロは、何枚かの写真をテーブルに出して並べた。
「これはさっき僕が10年前にタイムワープして撮って来た物だ」
マライヒは写真を1枚手に取った。
「こ、これって、もしかして、バンコラン?」
「おっ、さすがに気付くのが早いな」
「ねえ、これ、10年前のバンコラン?うわあ、かっこいいーっっ!
 10年前っていうと17才だよね?」
「ったく、このツンデレ男が!
 お前さっきバンコランに怒られるとほざいていたが、
 お前をデレデレに甘やかしているバンコランが
 お前を怒る訳ないだろう?」
「パタリロ、お手柄だよ。よくぞこんないい写真撮って来てくれたね」
「さっきとは打って変わってこの態度だ」
「さあ、ケーキをどうぞ。紅茶はアールグレイでいいかな?
 レモン?それともミルク?シュガーはここだよ」
微笑みさえ浮かべて上機嫌である。
「お楽しみのところ悪いんだが、他の写真も見てくれ給え」
「えっ、まだあるの?」と他の写真を手にした。
「誰?これ?」微笑が消える。
「確かデミアンとか言ってたな」
「バンコランとどういう関係?」
「詳しくは知らんが、ただの友達って間柄じゃなさそうだったな」
「ただの友達じゃないってどういうこと?」表情が険しくなる。
「だから・・そういう関係じゃないか」
「そういうって・・わかるように説明してよ!見て来たんでしょ?」
「まっ、昔の恋人ってことじゃないか」
「ケーキ返して」さっき出したケーキと紅茶をそそくさと下げ始める。
「お、おい。それ、今食べようと思ったのに・・・」
「こ~んなデタラメな写真デッチあげて、一体どういうつもり!?」
「アホんだら!この写真がバッタもんやとぬかすんかい!?
 これは僕が命を張ってまでしてゲットした代物なんだぞ。
 スパイ同士の撃ち合いに巻き込まれて、銃弾が飛び交う中、
 決死の覚悟で撮影したんだ。嘘っぱちなんかじゃないぞ!
 (本当は紙芝居の表紙を抜き取る時に密かに撮ったのさ)」
「バンコランはあんなにカッコいいんだ。
 僕と知り合うずっと前のことだし、恋人の1人や2人いたって
 おかしくないよ。だけど、それを今頃になって、
 ここに出して来ることはないだろう!
 君は僕をいじめるのがそんなに楽しい訳?
 僕を困らせて面白がっているんだろう?悪趣味だよ!」
マライヒはあまりの悔しさに涙を浮かべた。
「そんなに怒るな。僕が悪かった」
「僕はこんな写真、信じないからね!!」
「お前、僕のタイムワープ能力を信じないって訳か!?」
「信じられないのは君のその神経だよ!
 それにタイムワープだったら、バンコランだってできるよ」
「何だとぉ!?あの超現実主義者のバンコランにタイムワープ能力が
 あるだとぉぉ!?お前こそデタラメを言うんじゃない」
「本当だよ。嘘じゃないさ。
 僕はバンコランの゛力”で昔の日本に行ったことだってあるんだ」
「バンコランは僕の゛力”をSF小説の読み過ぎだとか、
 手の込んだかくれんぼだとか言って、さんざんコケにしていたんだぞ
 そんな奴にタイムワープができる訳ないじゃないか」
「できるさ。証拠を見せてやるよ。
 バンコランが帰って来るまでここで待っているんだ。いいね!?」
「おうさ。見せてもらおうやないか」
こうして、売り言葉に買い言葉でサイキックバトルをすることになって
しまいそうな彼らであった。
EDIT  |  07:09 |  二次創作  | CM(3) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決Ⅳ 

  ―退屈の虫が騒ぎ出す―

         ***配 役***
      パタリロ8世:湯島昌幸
      バンコラン(17才):霧原直人
      デミアン(バンコランの先輩):コミックオリジナル
      タマネギ軍団(パタリロの親衛隊):コミックオリジナル

その後、パタリロはマリネラ王国の王宮に戻り、
真面目に国王としての執務をこなしてい・・るはずがない。
「ああ、退屈だ。退屈だ。退屈だ!」
「『鯛が靴をはくからタイ靴だ』なんて言わないで下さいよ」と
側近のタマネギ1号が言う。
「そんな世紀末ギャグを誰が言うか!いいか、僕の退屈は根が深い
 のだ」
「はあ・・」
「僕の退屈は、カワハギが靴をはいているのだ。
 つまり、皮靴ってえ訳だ。どうだ、シェイクスピアっぽいだろう?
 参ったか」
「・・・」
タマネギ1号2号3号、書類を抱え無言で執務室を立ち去ろうとする。
パタリロは冷や汗を流しながら1人佇む。
「さあ、ギャグが不発に終わった時にはとっておきのアレがあった
 じゃないか!」
「アレとは?」タマネギ達は思わず足を止める。
突然「パパンがパン!」とパタリロの手拍子。
「だーれが殺したクックロービン♪だーれが殺したクックロービン♪」
お馴染みクックロビン音頭が始まった。
これにはタマネギ達も反応すまいと思っても、自ずと反応してしまうのであった。
「さあ皆さん、ご一緒に~!」
手拍子だけでなく、いつしか鳴り物が加わり出し、
にぎにぎしい祭りの様相を呈してきた。
『松○健賛江』と書かれた横断幕もはためいている。
「おらおら、お前達、もっと腰を使わんか!
 そんなことじゃ、腰元ダンサーズに負けてしまうぞ」
パタリロの厳しい舞踊指導が入る。
「さ~あ、皆さん盛り上がって参りました」
パタリロ、タマネギ踊りまくる。1号2号3号だけでなく他のタマネギ達もやって来ては踊りの輪に加わった。
警察長官もいつのまにか一緒に踊っている有様だった。
しかし、パタリロは飽きたのか踊るのを突然止めてしまった。
「お前らだけで勝手に盛り上がっていろ。僕は用事を思い出した」
続いて、人差し指を天に向かって伸ばし
「タ~イム、ワ~~」と言いかけたところへ、
タマネギ達が次々とパタリロの指に掴まった。
「いつも殿下ばっかりずるいですよ~」
「な・・お前らこそ火事場泥棒みたいな真似をして。
 離さんかい、このボケども!!」
「いいえ、離しません」
「ええい、仕方がない。んじゃついて来い。
 『おうちに帰りたいよぉ!』なんていい年して後で泣いても
 知らないからな」

はてさて彼らがワープした先はいつの時代のどこなのか?
「全く、お前らが重いから不時着してしまったじゃないか!」
「それはそうと、殿下ここはどこですか?」
「僕に聞くな」
やがてタマネギ6号が新聞を買ってきた。
「『LONDON TIMES』ってことはここがイギリスであることは確かだな」
日付けを見ると10年前だった。
辺りを見回すと、こんもりとした森の中にひっそりとレンガ造りの
建物が建っていた。
「何か、寄宿舎っぽいですね」
「禁断の全寮制男子寄宿舎だな、こりゃ」
「何故男子と限定するのですか?」
「そりゃお前ら、10年前のイギリスときた日にゃ・・」
パタリロが何かギャグをやらかそうと身構えた時、
木々の向こうから人の話し声が聞こえてきた。
「隠れろ!」パタリロ一行は低木の茂みに身を隠した。
やがて、長身長髪の、年の頃20才前後の2人の美青年が姿を現した。
1人は金髪、もう1人は黒髪。
「射撃の方も随分上達したな」金髪の方が黒髪の方に話しかけた。
「君のおかげさ、デミアン」
「だがときたま、右肘が遊ぶ癖が出るようだ。
 気を付けろよ、バンコラン」
「バ、バンコラン!?」
茂みの中でパタリロ達はビックリ仰天。
何と10年前つまり17才のバンコランが目の前にいるのだった。
この美味しい状況をパタリロが見逃すはずがなかった。

「さあ~、待たせしました!楽しい紙芝居の始まり、始まりだよ」
パタリロ、紙芝居セットを積んだ自転車を引きながら
2人の青年達の前に姿を見せた。
「おらおら、水飴を買わない子は紙芝居を見ちゃダメだよ」
「おじさん、水飴ちょうだい」
「あたしにも」
「ぼくにも」
子供達に扮したタマネギ達がわらわらと現れた。
ハナタレ・10円ハゲ・スカートからパンツがはみ出た子供達だ。
「よーし、それじゃあ始めるぞ」
「わーい、黄金バットだあ!」
擬似子供達は手にした水飴をクルクル回しながら言った。
あまりに唐突な展開にたじろいていた青年達だったが、
デミアンと呼ばれていた方が口を開いた。
「ここで何をしている?」
「『三丁目の夕日』ごっこをしているんですよ。
 小菅拘置所の堀○貴文容疑者に差し入れに来たように見えますか?」
「訳のわからないことを言っているんじゃない!
 ここは部外者は立入禁止だ」
今度はバンコランとおぼしき方が声を発した。
「まあまあ落ち着いて下さい。
 貴方達も一緒に紙芝居を御覧になりませんか?
 現代人が失くしてしまった物がここには存在します」
「バッ・・」
「貴方達は水飴を買わなくて結構です。固いことは言いません。
 これが昭和30年代のマインド」
「殴られないうちに失せろ!」バンコランが鋭くパタリロを睨む。
「おじちゃん、早く始めてよー」
「あーごめん、ごめん。それじゃあ行くよ」
パタリロは紙芝居の表紙の1ページをスラリと抜き取った。
「お前達、誰の許しを得て入って来た?
 この敷地内に入るのには女王陛下の許可がいる。
 わかっているのか!?」デミアンが怒鳴った。
「ほほう。それでは女王陛下の許可さえあればいいのですね?
 それなら簡単だ。陛下にちょこっとサインをしてもらえば
 済むことだ」
「まあ、殿下も腐っても一国の王ですからね」
「殿下だと!?一国の王だと!?」
「言っておくが、いっこく堂じゃないぞ」
「怪しい奴らだ。名を名乗れ!」バンコランが眦を吊り上げる。
「ふふん。知らざあ言って聞かせやしょう。
 駅弁小僧・・」パタリロ、見栄を切ろうとするが、
「殿下、駅弁と違います。弁天です。弁天」と教育的指導を受ける。
「えーい、もとい。弁天小僧菊之助たあ~・・」
ここですかさずパタリロ、人差し指を天空に突き上げた。
「タ~イム、ワ~プ!!!」
パタリロ&タマネギ達は、デミアン&バンコランの前から
忽然と消えた。
その場に残った2人は顔を見合わせた。
「何者なんだ、あれは?」
「きっと怪奇現象だろう」
「いや、訓練のし過ぎで疲れているのかもな」
いよいよ、パタリロの暗躍・・ではなく本領発揮の時が来そうだ。 


EDIT  |  07:04 |  二次創作  | CM(0) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決Ⅲ 

       ―テレポーテーション、ロンドン直行便―

          ***配 役***
      パタリロ8世:湯島昌幸
      バンコラン :霧原直人
      マライヒ  :霧原直也 

3人、移動中。
「ねえ、昌・・じゃなかった、パタリロ。さっきロンドンって
 言ってたけど、イギリスの首都のロンドン?」
「そうだ。それ以外にどこにロンドンがある!
 まさかお前ら、キャバレーの『ロンドン』に行きたいって
 言うんじゃないだろうな?僕と違ってサカリのついた年齢だからな」
「パタリロとやら、お前はどっからそんな発想が出て来るんや?」
「に、兄さん、言葉!・・・」
「何で、俺が関西弁しゃべっとんのや?
 昌幸、お前、俺にマインドコントロールかけとんのやろ?
 ええ加減にしいや!」
「マインドコントロール?そんなの知らんわ。
 あのな、今大阪上空飛んどんのや。そのせいや」
「んな、アホな・・」
「ほんならあ、韓国や中国の上空に行ったちゃあ、どうなるっちゃあ?
 ・・やだ、僕まで変になってもうた!」
「富山上空通過中ちゃ」
「ダラあ~」
「サランヘタンシヌル、チョンマルロサランヘ~・・・・・
 我想故我有。我等在中国上空」
「那是不是真的漢語?」(それって、本当の中国語?)
「不。覚得不真的。奇怪」(違う。嘘っぽい。怪しい)
飛行速度が上がった。
「Amore,sucusa mi.Se sto piangendo, amore sucusa mi」
 (ごめんなさい。あなたに背いてしまったの。
  一言許すと言って。お願い)
「今、どこや?」
「義太利」(イタリアだ)
「Per che parlare Cinese?」(どうして中国語しゃべってるの?)
「バンコランかて、日本語しゃべっとったやないか!」
「だいたいのう、バンコランて誰じゃあ?
 ワレがマインドコントロールかけとるけん、
 こげになってまうんじゃあ」
「兄さん、今度は広島弁だぎゃあ・・やだ、僕は名古屋弁・・」
「マリーアントワネットは、フランスの女王なのですからあぁぁ・・
 どうやら、今フランス上空らしい」
「だめだぎゃあ。混線しとるがいね・・」
突然、ガクガクと物凄い揺れに襲われた。
「不好。那是空気小袋」
「何たい?『空気小袋』っちゅうもんは」
「エアポケットでごわす・・・って、アホなことを言っているうちに、
 ロンドンに到着しそうだぞ」
「わあ、兄さん、ロンドンだって!
 僕達海外初めてだから、ワクワクするね」

3人はマンションのバスルームのような所に着陸した。
おかげで、3人共びしょぬれ。
「やい、お前ら!僕のタイムホールがある場所に
 何で風呂場なんか作るんだ?」
「馬鹿を言うな!ここには初めから風呂場があるんだ。
 お前こそ人の家の風呂場にタイムホールなんか作るな!」
「蔭山式百マス計算によると、ここが最適というデータが出たんだ」
「アホンダラ!あれはただの計算練習問題だ!」
「もう、君が変な物作るから、ビショビショになっちゃったよ!」
「変な物だと!僕の方こそえらい迷惑だ。
 この風呂場のせいで、アニ☆スbの服が台無しやんけ!」
「アニ☆スb?君が着たらアニ☆スbが泣くよ」
「ニャにおう?お前こそ何だ、マライヒ。
 いい年をして、セーラー服に半ズボン、ハイソックスだとぉ。
 半ズボンコンプレックスのバンコランの趣味か?」
「誰が、半ズボンコンプレックスだ!」
「大きなお世話だよ。悔しかったら、君も着てみたら」
「おお、上等だ。着てやるわい」
どうやら、直人はバンコランに、直也はマライヒに憑依したらしい。
そういう訳で、2人はパタリロがセーラー服に半ズボン、ハイソックスといういでたちになった姿を想像した。
「ギャハハ・・可笑し過ぎ!!」
「ポークハムに服を着せたようなもんだな」
「悪かったな、ポークハムで。どうでもいいが、電話を借りるぞ。
 大使館の連中に新しい服を持って来させにゃならん」
「電話代払ってよ」
「わかっとるわい!僕の体で払ってやる」
「とっとと、大使館でも火葬場でもどこへでもかけやがれ!」
バンコラン、パタリロを後ろから思い切り蹴飛ばす。
パタリロ、頭に大きなバンソウコウ。
(しかし、僕は確か昌幸という奴に入り込んだはずなんだが、
いつの間にか僕自身に戻っている。これはどうしたことだ。
僕の中に昌幸が入り込んだ状態になっている。
いつ入れ換わったのだ?ああ、あの時のエアポケットに違いない)
パタリロ、駐ロンドンのマリネラ国大使館に電話する。
「もしもし。おい、タマネギ何号だ?・・13号か。いいか、よく聞け。
 僕の服一式を持ってバンコランのマンションに来い。
 いや、ジュンコ△シノではない。ソニア◇キエルの方だ。
 ソニアの方が丈が3ミリ短いから好きなんだ」
それを聞いて、バンコランとマライヒは濡れた服を着替えながら
後ろでひそひそ話をしている。
「誰がソニア◇キエルだ!?笑わせるぜ」
「ポークハムは何を着ても同じだと思うけど」
「金にあかせて、オートクチュールで服を作ってやがるんだ」
「金持ちってところを見せびらかしたいんだね」
「マリネラ産ダイアモンドで稼いだ金の何パーセントかが
 あいつの身のほど知らずな服代に使われるって訳だ」
「国家予算に組まれてるの?凄くもったいない話だね」
電話を終えたパタリロ、2人の所に戻って来る。
「何がもったいない?電話代くらいでネチネチ絡むな。
 ところで、お前達。ウナギパイの美味い店を知ってるか?」
「イーストエンドの方に行けばあると思うけど、よく知らない。
 ちょっと、君。さっきメンチカツ3枚食べたばかりじゃ・・」
「タイムワープすると、腹が減るんだ。
 君達と違って僕は育ち盛りだからな。
 そんなことより、お前らロンドンに何年住んでるんだ?
 ウナギパイと言ったら、ロンドン名物じゃないか」
「フン。ロンドン名物と言うが、
 ウナギは殆どオランダからの輸入物だ」
「何だ。ロンドンの人間は、オランダ産のウナギを『俺(オラ)んだ』と
 言って食べてるのか?しょぼいな」
「しょぼいのは君のギャグの方だよ。
 君のギャグは19世紀のギャグ。今どき誰も言わないよ」
「お前のギャグはオスマントルコ時代の代物だ」
「お~スマン」
バンコラン、ハリセンで一発ブン殴る。
「救いのないアホだ。着替えたらとっとと帰れ!」
そうこうしているうちに、お世話係のタマネギ13号が着替えを持って
現れた。
「殿下~、ソニア◇キエルの服持って来ました」
「よし。着替えたら、ピカデリーサーカスの回転寿司『KURU KURU』に
 行くぞ!」
「ウナギパイはどうした、ウナギパイは!」
「ウナギも穴子も似たようなもんじゃい」
「ええい。訳のわからんことを」
「帰るのはいいけど、パタリロ。
 タイムホールもちゃんと持って帰ってよ。君の出したゴミだろう?」
「帰ったら粗大ゴミとして捨てるんだ。いいな」
「お前らとは一度決着をつけにゃならんな」
「その点では同意する。で、何で決着つけるんだ?
 アキバ王選手権か?それとも少年漫画王選手権か?」
「お前、実はオタクだったのか?
 そうだな、僕的には、甘味王選手権か駅弁王選手権がいいのだが」
「殿下、あまり長居しては失礼ですよ~。
 グズグズしてると、『KURU KURU』のマグロ解体ショーが始まって
 しまいますよぉ」
「おっと、そうだった。国王に茶の一つも出さんケチな家だったが、
 邪魔したな。さらば、おさらば、マツケンサンバ」
「はいはい。お客様お一人お帰り~」
「2度と来るな!つぶれ豚マン!!」
3人の漫才はまだまだ続くのであった。





  
EDIT  |  06:52 |  二次創作  | CM(2) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決Ⅱ 

          ―まだプロローグ―
 
          ***配 役***
       パタリロ8世:湯島昌幸
       バンコラン :霧原直人
       マライヒ  :霧原直也


「僕は北○精肉店のメンチカツが急に食べたくなって東京へ来たのだ。 ここのメンチカツはメチャクチャ美味いのだ。
何たって、ゴールドメダリストの実家だからな」
昌幸は手にしていた白い袋からメンチカツを取り出してモシャモシャと食べ始めた。
「やはりメンチカツは揚げたてに限るわい」
しばらくして、霧原兄弟の視線を感じて顔を上げた。
「何だ。お前らも食べたいのか?いい年して物欲しそうな顔して」
「誰が物欲しそうな顔してる!」
「食べたいのなら、食べたいとそう言えばいいじゃないか。
 男のくせにはっきりしない奴らだな」
「昌幸、テメエ・・・」
直人の眉が吊り上った。
「兄さん、やめて。これは昌幸が言ってるんじゃないよ。
 昌幸に乗り移った何者かが言わせてるんだ」
「じゃあ、誰が乗り移っているというんだ?」
「そこまでは僕にもわからない」
「フン。どうせ曽根崎レベルの性格の悪い奴に決まってるさ」
「おい、お前ら。何をごちゃごちゃ言ってるんだ?
 少しくらいなら分けてやってもいいぞ。僕にだってそれくらいの
慈悲はある」
「いらん!」
「そうか。後から食べたいと言っても知らんからな」
「くどい!いらんと言ったらいらん!」
「んじゃ、お言葉に甘えて全部食べさせてもらうぞ」
キレる一歩手前の直人を尻目に、昌幸はメンチカツ3枚をペロリと平らげた。やがて座り込むと、まるで猫がするように手の甲をペロペロ舐め出して、耳の後ろにこすりつけた。
「こ、こいつ、猫が乗り移ってるのか?」
「猫じゃないよ。猫は喋らないもの」
「わかった。お笑い芸人が乗り移ったんだ」
「エエッー!じゃあ、えーと安○大サーカスとか出○哲朗といった
 ところかな?」
「そりゃ、芸風が違うだろ」
「んー、青木○○かとか長○秀和とか劇団○○りとか、
 近頃全然見ないけれど波田○○あたりかな?」
「ああ、そんな線だろう」
「でも、猫のようなリアクションは誰のものかなあ?
 レーザー○モンではないし・・・」
毛づくろいをしていた昌幸が座ったまま顔を上げて言った。
「おい、飲み物が欲しくなった。何でもいいから買って来てくれ」
「やかましい。ふざけるな!」
「そんなに怒ることはないだろう。全く食い物の恨みは恐ろしいな。
 いや待てよ。お前、もしかして生理か?」
「キ・サ・マ・・」
「兄さん、こらえて」
直也は直人の腕を両手で抱えるようにして制止した。
「ねえ、君は誰なの?」
「ああん?」
「昌幸の中に入り込んでる君は誰?」
「何を寝ぼけたことを言ってるんだ?
 僕は君達の盟友、マリネラの国王:パタリロ8世だ」
「パタリロ8世~!!!???」
霧原兄弟は驚きのあまり2人同時に叫んだ。
「何だ、その素っ頓狂なリアクションは?
 このムッチリとしためんこい僕の顔を忘れるとは、
 ついに暑さでヤキが回ったな」
「寝ぼけてるのはそっちだ。お前が国王だと?」
「そうだ。僕が女王に見えるか?」
「兄さん。本当に国王かもしれないよ」
「んな訳あるか!だいたいこいつは、吉本の芸人のような・・・
 ん?そうだ、わかった!お前、白木みのるだな?」
一瞬、シラ~っとした間が流れた。
「に、兄さん、あの・・白木みのるって誰?」
(しまった。ライナスの毛布も知らない直也に、
白木みのるがわかる訳がない。やばい。この空気を何とかしないと)
昌幸が沈黙を破った。
「バンコラン君。君ねえ、ボケは僕の仕事だよ。
 君に先にボケられちゃあ僕の立場がないじゃないか。
 越権行為は困るよ」
「バンコランだと?おい、昌幸!しっかりしろ!
 気を確かに持つんだ!」
直人が昌幸を揺さぶった。
「おい、馬鹿、やめんか!さっき食べたメンチカツが逆流する!」
「兄さん。僕、昌幸に触ってみようか?」
「あ?大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ。悪意は感じられないから。
 でも、万が一何かあるといけないから、
 兄さん、後ろから僕を支えていて」
「わかった。くれぐれも気を付けろよ」
直也は昌幸のそばにかがみ込むと、昌幸の腕に触れた。
直人は背後から直也を抱くように、その両肩を掴んだ。
「何だ?何をするんだ、マライヒ?だが、手間が省けたわい。
 お前らの方からつながってくれたんだからな。
 それでは、いいか、皆の衆。ロンドンに帰るぞ!
 それ、タァ~イム、ワァ~プ!!!」
「何だ、何だ、何だ」
「兄さんのテレポーテーションと同じだよ~」
「♪楽しいロンドン、愉快なロンドン、ロンドン、ロンドン♪
 オラオラ、お前らも歌わんかい!」
3人は東京を離陸した。




 
 
EDIT  |  06:45 |  二次創作  | CM(2) | Top↑

2007.01/28(Sun)

裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決Ⅰ 

           ***配 役***

バンコラン:イギリス情報部(MI6)の少佐 27歳・・・霧原直人
マライヒ :バンコランの恋人(♂) 19歳・・・霧原直也
パタリロ :マリネラ国王 10歳・・・・・・・湯島昌幸


           ―プロローグ―
8月の終わり。霧原兄弟はホテルのテレビで台風情報に見入っていた。
「どうやら太平洋上にそれたみたいだよ」
「じゃあ、そのうち晴れるな」
「うん。でも晴れたら物凄く暑くなるね」
「暑くなってもいいから、俺は早く外行って飯食いたい」と
直人はヘタ~ッとベッドにうつ伏せに倒れ込んだ。
激しい風雨のせいでホテルに缶詰めになっていたから、2人は朝食をまだ摂っていなかったのだが、柄に似合わない直人の子供っぽいリアクションに直也は思わず吹き出してしまった。
「もう少しの辛抱だよ、兄さん」
「ああ」直人は投げやりに答えた。
直也は窓辺に立って空を眺めた。雲の流れが早い。
この分なら間もなく夏の嵐は去り、代わりに熱気を孕んだ太陽が顔を覗かせることだろう。
「あ、ほら、空がだんだん明るくなってきた」
「ホントか!?」直人がベッドからガバッと体を起こした。
そして10分後、ホテルのエントランスの自動ドアが彼らの背中を見送っていた。

「ゲッ!暑い。暑すぎる!!」
台風一過の強い日差しに片目をつぶりながら直人が言った。
「予想していたけど、めまいがしそうな程暑い」
「空っ腹にはこたえるぜ」
2人は、ビルの谷間に埋もれるように存在するとある公園を横切って、
繁華街へと向かおうとしていた。お決まりの滑り台・ブランコ・砂場の3点セットと、小さな親水設備があるだけのありふれた公園であった。
「こういう公園を見ると、あの子を思い出すよ」
「あの子って?」
「さとし君だよ。パラレルワールドの男の子。覚えてる?兄さん」
「ああ。時を操る少年だろ?あいつ、今頃どうしてるんだろうな?」
「さあ、どうしてるのかな?百合香ちゃんて子と仲良くやって・・・」
話の途中で、直也は突然立ち止まった。
「誰かが僕たちを見てる」
「何!またか。アークの奴らか?Yか?」
「ううん。そういう邪悪な感じじゃないよ。どちらかといえば、
懐かしいような・・」
「またかよ。また麻理子じゃないだろうな?」
2人は周囲を見回した。
「公園の外だ」直也の鋭いアンテナが発信源をキャッチした。
「どこだ?」
「あの建物」指差した先には、明るいレンガ色のマンションらしき
建物があった。
「よし、行ってみよう」
2人はその建物の前に立った。
「入っても大丈夫か?」
「うん。悪い予感はしない。大丈夫だと思う」
建物内部に入る。管理人はいなかった。郵便受けの名前を見る。
「上にいる。屋上にいるよ」
エレベーターに乗り込むと、直也は最上階5階のボタンを押した。
「誰がいるか目星がついたんだろう?」
「うん」直人を振り仰いでニッコリと微笑んだ。
「誰なんだ?言えよ」
「兄さんがよく知ってる人」
「それが誰だかわからないから聞いてるんだろ。男か?女か?」
「んー、人というよりは、子かな」
「子供?さとしか?」
直也は答えない。チンと音がして、エレベーターは5階に着いた。
屋上に向かう階段を昇る。
「おい、直也。勿体つけずに・・」
「フフ・・会えばわかるよ」
ついに屋上のドアを開けた。視線の先には・・
「昌幸!!」
2人の声に昌幸が振り向く。「こんにちはぁ」
「こんにちは、昌幸。久しぶりだね」
「元気そうだな」
「うん、元気だよ」
「今夏休み?」
「うん」
「ここで何をしてるの?」
「虹」南西の方角を指差した。
2人が目を凝らすと、なるほどビルの谷間から7色の橋が垣間見えた。
「ただの虹じゃないよ。今僕がいる所に立つとほら・・」
昌幸の言う通りにしてみると、
「これは・・!」
「もう1本ある!二重の虹だ」
「ね、凄いでしょう」昌幸は得意そうに2人を見上げた。
「うん。凄い。初めて見る」
「俺も初めてだ」
「部屋から見えたんだ。屋上だったらもっとよく見えると思って」
「部屋って?このマンションに住んでるの?」
「そうだよ。ここの303号室。来る?」
「いや、いい。俺達はこれから飯を食べに行くところだから」
「あ~あ、お兄ちゃん達はいいよな。宿題やらなくていいんだからさ」
「あ、夏休みの宿題」
「終わってないのか?」
「うん。お母さんも早くやれってうるさいしさ。
 そうだ。お兄ちゃん達、手伝ってよ」
「何で、俺達が・・」
幻想的な虹から、いきなり現実に引き戻された。
「暑いから、もう戻ろ」昌幸はスタスタとドアの方に歩いて行った。
その時、何の障害物もないのに突然転んだ。
「大丈夫!?昌幸」直也が駆け寄る。
何事もなかったかのように昌幸はむっくりと起き上がった。
「ア~ア、暑い、暑い。東京は何でこんなに暑いんだ?」
直人と直也の姿を確認すると、「よっ」と声をかけた。
「よぉ!?」2人は顔を見合わせて首をかしげた。
「『よ』と言ったら『よ』だ。『やゆよ』の『よ』だ。
 『夜這い』の『よ』だ」 
「夜這いだと?お前なあ、もっと子供らしい発想をしろよ」
「お、誰かと思えば、ロンドンの美少年コマシとその犠牲者」
「な、何を言ってるんだ?こいつ」
「変だよ、兄さん。何者かが昌幸に取り憑いたんだ」
「何だとぉ!?」
それは、始まりにすぎなかった。
EDIT  |  06:27 |  二次創作  | CM(3) | Top↑

2007.01/22(Mon)

DRUNKEN関係過去記事のまとめですv 

DRUNKEN  「つづき」を書いて下さる方へ [2006 / 09 / 23(sat)]


「つづき」を書いて下さる方へ
◆注意事項◆

※続きを書いていただくにあたっては、以下の通り、幾つか条件がございます
 ので、よろしくご理解の上、ご執筆くださいませ(^^;)


【条件その1】
◇続きは現在UPされている章に繋げる形でコメント欄or掲示板にカキコ
 願います。
 書き込みいただいた文章は管理人が責任をもってリレー小説欄に転載致します。
◇次回は4章になります。長さは特に指定しませんが、常識の範囲内で
 お願いします(^^;)
◇〆切はUPされた日付から1週間以内とし、その間に応募がない場合は
 (仕方がないので)管理人が続きを書かせて頂きます。
◇プロットのみの応募の場合も管理人が実際の文章を作成いたします。

【条件その2】
◇主要登場人物は、霧原兄弟と友枝麻理子の3人です。
◇その他のNIGHT HEADキャラを登場させる場合はその後の話の筋にあまり 
 影響がない程度に出していただき、オリジナルなキャラクターを登場させる
 場合は、登場から退場まで、その章の中で結着がつくように書いて下さい。

【条件その3】
◇大まかなストーリーはこちらで予め用意させて頂きますので、
 そこから著しく逸脱しないようにお願いします。
◇「概要」は以下の通り
 この後、3人はホテル内のどこかで酒を飲み始め、直人と麻理子はしたたかに
 酔っぱらいますが、あまり飲まない(飲めない?)直也は1人だけ素面で取り
 残され、怒り上戸(笑)の直人と彼に絡む麻理子を持て余します。
 何とか部屋に戻るも、麻理子に自分のベッドを占領されてしまい・・・・・
 以下は腐女子的想像力をイカンなく発揮され、むふふ的兄弟関係を展開して
 いって頂ければ、と思っておりますv(をい)
 

その他、何かお気づきの点がございましたらご指摘頂ければ幸いです。
以上、他力本願色の濃い企画ではございますが、どうか宜しくおつきあいの
ほど、お願い致します(^^)



*************************************************************




お願いセニョリータm(_ _)m [2006 / 10 / 26 (Thu)]


~★~saekoさん~☆~シシーさん~★~

当ブログのリレー小説にご協力いただき、管理人一同深く御礼申し上げます。
おかげ様で、友枝麻理子編完結の運びと相成りましたv(^^)

さて、10月26日のコメント(かぼちゃミントの行方)でも触れたのですが、
皆様、裏7章をお書きになられませんか?
ホント、お願いばかりで恐縮ですが。
各々の個性の違いが見えて面白いかと思います。
もちろん、××萌え場面大歓迎!
長さ・形式自由です。
当該エントリーのコメント欄に「管理人のみ閲覧」で入れて下さる形で結構です。
その後はsikoさんが上手く処理して下さいますからご安心を。

以上、秋の゛裏7章まつり”開催のお知らせでした。
皆様のたぎる萌魂の原稿、お待ち申し上げておりますわ。




**************************************************************




BARの方で裏7章祭のPRをさせていただいております(^^;) [2006 / 11 / 19 (Sun)]

シシーさん、saekoさん、パタさん、
勝手にお話の一文を引用しちゃってスイマセン。
いや、でも皆さん、それぞれにぐぐっと来る文章で、
どんな話かしら?と興味をそそられるではありませんか!
(↑単なる思いつきを自画自賛)


そして、シシーさん、saekoさんには、改めまして、
当ブログへのリンクを、ありがとうございました!
で、気がついたのですが、
「うち、バナー作ってないじゃん!」
ということで、こんなん作ってみました(おい)
         ↓
さすらいの煩悩配達人ブログバナー


よ、よろしかったら使っていただけます?
因みに、BARの方のバナーは、こんなんです。
         ↓
BAR'sバナー

EDIT  |  21:43 |  リレー小説  | CM(2) | Top↑

2007.01/20(Sat)

お知らせ・・・ 

皆さま、いつも当ブログをご覧頂き、ありがとうございますv

さて、このたび、当ブログはNIGHT HEAD二次創作専用の
ブログとして仕切り直しをすることに致しました。
これまで、「さすらいの~」ブログに置いていたお話も
こちらへ移行して一括管理していきたいと思っております。
別ブログからの再録ということで、あちこちお見苦しい点も
出てきてしまうかと思いますが、その辺はどうか、
広いココロでご理解のほど、宜しくお願い申しあげますm(_ _)m




EDIT  |  17:26 |  お知らせ  | CM(3) | Top↑

2007.01/20(Sat)

霧原兄弟、大晦日の脱出&元旦 

~ もしも、兄弟が研究所から出たのが大晦日だったら? ~



 結界は破られた。
 超能力を持つ霧原兄弟は15年間の隔離生活から脱し研究所の外へと
 出て行った。
 折しもそれは12月31日、大晦日の夜であった………。

 車から降りて、通りがかりのドライブインに入っていく兄弟。
 扉を開けると店にいた男女の視線が一斉に注がれる。
 見知らぬ他人の目に怯えたように兄の後ろへ隠れる直也。
 が、店内のTVに映る賑やかな歌謡番組を見た途端、
「あっ、そうか、今日は大晦日だったね。見て、紅白歌合戦やってるよ」
 と、兄の腕を引っ張るようにしてTVがよく見えるテーブルに座った。
「何だお前、紅白なんか見て面白いか?」
 大晦日はPRIDEだろう、と勝手に決めつける直人に、店員がお冷やを
 持って注文を取りにきた。
「何にするの?」
「と、と、と………」
「とりあえずビール?」
「………年越しそば下さい」 
 店中、大爆笑。
 バカだな、お前、と不機嫌そうに弟を見た兄は、メニューをテーブルに
 叩きつけるように置き、
「シャンパンにピザをくれ。デザートはブッシュドノエル」
「………兄さん、クリスマスはもう終わったから」
「じゃ、ジンジャーエール2つ。デザートはなし」
「えー、ぼくプリン食べたいんだけどなあ……」
「我慢しろ、麻理子に会うまでは懐具合が寂しいんだ」
 プリンよりブッシュドノエルの方が高いよ、とぶつぶつ言う直也。
 と、店の客たちがにわかにざわめきだした。
「うわー、すげえ人がいるなあ!」
「なんだとお?あんなものに感心してどうする!」
「そうよ、ばっかじゃないの、あんた?」
 TVを見て口々に言う客たちをちらりと見た直人は眉間に皺をよせて
 しかめっ面になり、お冷やのグラスを握りしめた。
「くそっ………」
「怒っちゃダメだ、兄さん」
 直也が必死で止めたが、
「あんなところに閉じこめられていたんだ、変にもなるだろう……
 だがな、あれはひどすぎる!」
 我慢できない、といった顔つきで直人はTV画面を指さした。
「ぼ、ぼくだって頭イタイよ、兄さん」
 と、直也も頭を抱え込んでしまう。
 そんな2人が見つめるTV画面には、何と曾根崎が大映しになり、
 得体の知れぬ歌を歌いつつ踊っていたのだった。
「いやあ、曾根ラップだ、本当にあったんだ……」
「ばかやろー、あんなラップがあってたまるか!」
「あはははは、可笑しい~」
 客たちは更に騒ぎ出し、
「うわああああ~、こ、ここにいる人たち、全員おかしいよ!」
 と直也が堪えきれなくなって席を立つ。
「出ようよ。これ以上ここにいたくないよ」
「何故だ、おれはまだ何も壊してないぞ」
 と言いながらも直也を追って店の外へと出た直人は、
 ……おまえたちが外に出るとマイナスのパワーを引きつけてしまう
 という御厨の言葉を思い出した。
「そうか、あれがマイナスのパワーの姿だったのか!」
「兄さん、こわかったよッ!」

 そして2人は夜通し走り続け、都内に入った。
 研究所を出て初めての正月を兄弟は東京で迎えることになった。
 が、都内では紫色の服を着た女ばかりが無惨に殺される事件が起きており、
 兄弟は偶然にもその犯人たちと接触してしまう。

「あの女は紫の服を着た女の人が自分の敵だと思いこんでる。
 でも、なんで紫色なんだろう?」
 殺人を阻止すべく、犯人たちの居所をサーチしながら直也が言うと、
「今年の干支、猪色の反対色だからだろう」
「猪色なんてあるの?っていうか、紫の反対色って黄色じゃなかった?」
「……直也、ツッコミどころは本当にそこでいいのか?」
「そうか、お正月は紫色の着物の女性も多いから殺し放題だね」
「物騒なことを言うな!それより犯人たちの居所はわかったのか?」
「あ、アークって看板がある、あのビルだよ」
「よし、行こう!」

 そして2人はビルの最上階で、犯人たちを追い詰め、犯罪を未然に防いだ
 のだった。
「やった、ぼくたちにも人を助けることができたよ」
「見ろ、直也。初日の出だ」
「って、聞いてんの、兄さん?」
「明けましておめでとう。今年も宜しく」
「……何もこんなとこで太陽に向かって柏手打たなくても」
「さてと、じゃ、雑煮でも食いに行くか」
「どこへ?」
「………おれたちはどこに向かうのだろう?」
「御厨研究所だけは絶対イヤだからね!」


                            つづく(嘘です!)

〈2007/01/03UP完了〉
EDIT  |  16:29 |  二次創作  | CM(2) | Top↑

2007.01/20(Sat)

霧原兄弟、最後のX’mas 

   霧原兄弟が研究所で過ごした、とある年の12月。
直人「いいか直也、おれたちはいつの日かきっとここから抜け出してみせる。
   その時のために世間的常識を身につけておいた方がいい」
直也「うん、そうだね」
直人「じゃあ、世間的常識テストだ。12月と言えば?」
直也「大晦日!」
直人「違うだろ、その前にクリスマスだ。じゃあ、クリスマスと言えば?」
直也「クリスマスツリーにサンタクロース!」
直人「うん、それから?」
直也「クリスマスイブにはケーキを食べるんだよね」
直人「うんうん、それから?」
直也「そして、クリスマスの朝にはツリーのそばにプレゼントが」
直人「そうだ」
直也「でも、プレゼントの箱を開けるとツリーが火を噴くんだ」
直人「・・・え?」
直也「クリスマスツリーが燃え上がってあたりは大惨事になる。サンタは
   悪い人だから、プレゼントもらっても絶対開けちゃいけないんだよね」
直人「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

   違うだろ、と言おうとして黙った直人の脳裡に甦る、研究所1年目の悪夢のクリスマス。
   だまし討ちにあうようにして両親の元から引き離されたことを恨んでいた直人は、
   研究所の職員が用意したクリスマスイベントを冷ややかな面持ちで眺めていた。
   家にいた時よりも大きなクリスマスツリー、大きなケーキ、そんなものに
   いちいち腹を立てていたのだが、翌朝ツリーのそばに用意されたプレゼントを見て
   「サンタさんが来た」と無邪気に喜ぶ直也を見た途端、遂にキレた。
   「違うぞ、直也。おれたちにプレゼントを持ってきてくれるサンタは絶対、こんな所には来ない!」
   直人が叫ぶと同時にツリーが火を噴き、プレゼントはずたずたになった。
   以来、研究所でのクリスマスイベントは行われていない。
   その時のことをどう記憶しているのか、直也には、サンタ=テロリスト、
   クリスマスプレゼント=爆弾、という刷り込みがなされてしまったようだ。

直也「クリスマスって恐いよね」
直人「うん、でも日本人のおれたちには関係ないさ」
   弟の世間的常識を改めるよりは、一生クリスマスとは無縁な2人でいよう、と
   思う兄であった・・・・・。

  




                            〈2006/12/24UP完了〉
EDIT  |  16:27 |  二次創作  | CM(6) | Top↑

2007.01/20(Sat)

二次創作目次 

<<<<< 二次創作目次 >>>>>





「INTO THE WOODS」  by パタ   (完結)

*霧原兄弟、平安時代へ!
 放浪の兄弟はテレポート途中で離ればなれとなり、
 兄は映画『MISTY』の多襄丸、そして弟はドラマ『義経』の
 遮那王(に化けた子ギツネ)となってしまったのだったが・・・。〔注意!18禁〕

 〔独断主題歌〕
Memories byDEEN






 「裏パタリロ ガチンコ!サイキック対決」 by パタ   (連載中)
*下のローマ数字からお入り下さい。
 
☆ マインドコントロール能力を持つ湯島昌幸少年が、な、何と、
  あの“パタリロ”に憑依された!
  久々に昌幸と邂逅した霧原兄弟は、“パタリロ”の力に影響を及ぼされ、
  ロンドンへと渡った後、バンコランとマライヒとなってしまったのだった(^^;)
    NIGHT HEADのメインキャストによるパロディ「パタリロ!」、
    ギャグ満載の奇想天外ストーリーをお楽しみ下さいませv 

〔 配 役 〕
バンコラン:イギリス情報部(MI6)の少佐 27歳・・・霧原直人
マライヒ :バンコランの恋人(♂) 19歳・・・霧原直也
パタリロ :マリネラ国王 10歳・・・・・・・湯島昌幸

〔独断主題歌〕
誘われてフラメンコby郷ひろみ

/  /  /  /  /   /  /  /  /  /  
ⅩⅠ/  ⅩⅡ/  ⅩⅢ/  ⅩⅣ/  ⅩⅤ/  ⅩⅥ/  ⅩⅦ/
  ⅩⅧ/   ⅩⅨ/  ⅩⅩ/  ⅩⅩⅠ/  ⅩⅩⅡ/  ⅩⅩⅢ/  
ⅩⅩⅣ/  ⅩⅩⅤ/  ⅩⅩⅥ/







「SURPASS」 by siko   (完結)

NIGHT HEAD映画版「THE TRIAL」のサイドストーリーとでも
 言いましょうか、あの映画終了直後の霧原兄弟を描いたお話です(^^;)

〔独断主題歌〕
Mugen byポルノグラフィティ


      


◇「 NIGHT HEAD 」アニメ化記念
☆読者参加型リレー小説☆
「DRUNKEN ~ その①友枝麻理子 ~」(完結)
written by saekoさん、シシーさん、siko&パタ
TVドラマ第11話「DRUG」終了直後の霧原兄弟に会いに来た麻理子、
御厨に報告をと言われてキレる直人(笑)、気分を改めて部屋で飲みはじめるが・・・・・?





2007クリスマス~2008ホワイトデー
「NIGHT HEAD アニバーサリー企画」
小説 : chocoさん saekoさん シシーさん 浅倉りゅぅさん siko&パタ
4コマ&イラスト : EMIFUさん 浅倉りゅぅさん






「NIGHT HEAD小話的SS」  by siko&パタ    

その1 「霧原兄弟、最後のX'mas」
その2 「霧原兄弟、大晦日の脱出&元旦」
その3 「反町くん日記~節分編~」
その4 「霧原兄弟のバレンタインデー」
その5 「反町くん日記~ホワイトデー編~」
その6 「キンバク!」








「Innocent dark」(パタ連載予定)

舞台『エリザベート』(宝塚&東宝)と『うたかたの恋』(宝塚)をモチーフとしています。
死の帝王トートが愛したのはエリザベートではなく、
実は彼女の息子の皇太子ルドルフだった!というとんでもない設定のストーリーです。
怖い怖い皇太后ゾフィーとその側近達として、
霧原兄弟の宿敵「アーク」の連中も頑張ってくれます。
なお、奥原晶子役は南美江さんが演じておられましたので、
昔とった杵柄で男役をしていただきます。(男役時代の芸名:美空暁子)

〔主な配役〕
トート・・・・・・・・・・霧原直人
皇太子ルドルフ・・・・・・霧原直也
少年ルドルフ・・・・・・・少年直也
マリー=ヴェッツェラ男爵令嬢・・・・瑞樹(第8話出演)
皇太后ゾフィー・・・・・・三雲玄吾(二役)
皇后エリザベート・・・・・三雲玄吾(二役)
グリュンネ伯爵・・・・・・坂口修
シュヴァルツェンブルク公爵・神谷司
ラウシャー大司教・・・・・曽根崎道夫
ルイジ=ルキーニ・・・・・反町(第14話出演)
皇太子妃ステファニー・・・友枝麻理子(第4話出演)
ユリア:ボヘミア歌舞団のシンガー・・・堀川友里(第13話出演)
エミリア:ボヘミア歌舞団のダンサー・・堀川絵美(第13話出演)   
ドゥンケルハイト=闇・・・Y
フリードリッヒ公爵・・・・奥原晶子



「別天地」(パタ連載予定)

昭和10年東京。12才の霧原尚人(少年直人)は、
自らの力でひょんなことから軍人を傷つけてしまう。
その噂を聞いた陸軍の一部の者達は、
超能力の軍事利用を研究する軍の秘密施設に尚人を収容する。
同じ頃ウィーン大学で脳科学を研究する三厨(御厨)の元へ、
スイスから西木戸(錦戸)という海軍の情報将校が訪ねて来る。
桐原直也(少年直也)という不思議な力を持つ6才の少年を伴っており、
養育費用は全てある人物が出すから、直也を日本で預かって欲しいと頼み込んだ。
帰国後三厨は、群馬県のとある森で養子として直也を養育する。
終戦直後尚人は施設を脱走したが、三厨と直也が住む森の敷地内で倒れ込んでしまう。
尚人は体調が回復すると、心優しい直也と次第に心を通わせていく。
直也も尚人を本当の兄のように慕い始める。
やがて三厨の勧めで上京した2人だったが、
ある事件をきっかけに、施設の元軍医達と関わることになってしまう。
軍医の三雲がその能力を最大限に使い、若い尚人の体を蹂躙するのが隠れた見どころ。
そう、ついに直人受がここに・・





「霧だらけの天使達」(パタ連載予定)

映画『傷だらけの天使』(阪本順治監督)から妄想。
昭和53年東京。女社長:巴田まりあ(麻理子)の人材派遣会社=何でも屋で、
豊原直人(直人)は専務とは名ばかりのこき使われる日々。
ある日、派遣先の小学校で事務員の真霧直也(直也)と知り合う。
その後湯島(反町)という男から、
彼の子供(昌幸)を別れた妻の実家まで連れて行って欲し いと依頼される。
その子供が直也の勤める小学校の児童だと知った直人は、
直也を誘って長野県へと向かうのだった。
『裏パタ』に続く、直人・直也・昌幸3人のロードムービー形式小説。
派遣先のゲイバー「青薔薇」のママ役で、三雲が濃ゆ~く脇を固める。










〔myslaサイトUP分〕

「霧原兄弟CMパロ その1」  by パタ 

「霧原兄弟CMパロ その2」  by パタ

「霧原兄弟CMパロ その3」  by パタ

「霧原兄弟の八つ墓村迷宮案内いい旅夢気分」  by パタ

「霧原兄弟の八つ墓村迷宮案内いい旅夢気分 番外編」  by パタ


「siko小説案内頁」  by siko


映画「THE TRIAL」二次小説『SILENCE』 by siko




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