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2008.07/29(Tue)

お知らせ 

皆さま、突然で本当に申し訳ないのですが、
事情があってしばらくブログ更新を休止することになりそうです。

管理人のパタさんはもうこの春からご自身及びご家族が病気のため、
ブログ管理にタッチできない状況でしたが、
管理人sikoも先日夫が倒れたため、ブログ運営に時間が割けない状態に
追い込まれてしまいました。
2人のうち、どちらかの状況が改善されるまで、しばらくの間、
このブログを休止させてください。
我が儘を言ってすみませんが、どうか事情を察していただき、
よろしくご理解の程、お願い申し上げますm(_ _)m



*以下はchocoさんへの私信となります。
新作を予定されていたchocoさんには本当に何といってお詫び申し上げ
たらよいのか・・・何か手立てはないかと考えているところなのですが。
chocoさんの最新記事のコメント欄に投稿していただければ、
皆さまも読めるとは思うのですが、きちんとUPするには
管理人ページに入ってもらわねばなりません。
もし、第三の管理人としてお名前を連ねていただけるようでしたら、
管理人のみ閲覧コメントでご連絡先など教えていただけませんか。
よろしくお願い致します。
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2008.07/19(Sat)

アニバーサリー企画第26弾! (chocoさん作品ⅩⅤ) 

           2007.12~?〈NIGHT HEAD〉アニバーサリー企画





<スカボロフェア>



「直也君。退屈?」
 麻理子の声で直也は瞬きした。
「すみません。ぼんやりしちゃって」
 彼女が微笑んでいるので直也は安堵して謝罪する。
 いつもは御厨が行っている心理テストを今日は麻理子が担当していた。彼女が自分から御厨に申し出たらしい。
「いいの。私の我儘に付き合ってもらってるようなものだから」
 いつ見ても綺麗な人だ。
「それに本当に退屈。少し休憩しましょう」
 ロールシャッハ、空間認識、簡単な設問に答え、質問者がレポート用紙の上でボールペンのインクを擦り減らすのを眺める。直也の前で幼い頃から幾度となく繰り返されてきた光景だ。
 相手が『始める』と言い出すより先に欠伸が出てしまったとしても責める者はいないだろう。
「アールグレイのアイスティを作ったの。直也君、好きでしょう?」
 席を立つ麻理子を追って直也も立ち上がった。
「手伝います」
「ありがとう。でも、大丈夫かしら?私に触れてしまうかもしれないわよ」
「たぶん」
 隣を歩く直也を麻理子は眺める。身長は同じくらいだが、体格は女の麻理子とは比べ物にならない。華奢に見えても男の子なんだな、と麻理子は思った。
「本当?私はすごく悪いことを考えているかもしれない」
「そうなんですか?」
 直也が目を丸くする。そこには、楽しんでいるような色もあって食えない感じだ。
「私を買い被らないで。普通の凡庸な女なの」
 きっと悪い男になるに違いない。我知らず、女の心を引き裂くだろう。
「そうは見えません」
「直也君は同年代の女の子を知らないものね。私なんかでも興味の対象になり得るのかな?」
「子供扱い、ですか?」
 不満そうな顔だ。こんな透明な魂の中にも自意識は存在する。麻理子は満足して微笑んだ。
「いいえ、光栄だってこと。もしかしたら、私は直也君のために『麻のシャツ』を縫うかもしれない」
 返事がないので麻理子は直也を伺う。驚いたことに直也は麻理子をじっと見ていた。
「その話どうして知ってるんですか?兄さんに聞いたんですか?」
 無感動な声でそう言った。

 眠れない夜に直也はお伽話をせがんだが、あいにく御厨は子供に読ませるような本を所蔵していなかった。直人が見つけてきたのは、マザーグースである。
「パセリ、セージ、ローズマリーにタイム」
 この英国のバラッドがどれほど繰り返されたか直也は覚えていない。
 単調な直人の声と同じ文句が何度も現れるのを聞いているうちに自然と瞼が重くなった。
「パセリ、セージ、ローズマリー」
 初めは本の最初から順に読んでくれていたが、この詩が最も就寝に効果がある。直人はすぐに他の詩を詠じるのを止めた。
「タイム」
 詩の意味が分からぬうちから直也は悟っていた。これは、恋の詩ではないか。
 しかし、なぜ恋人を無理難題で悩ますのだろうか。
「そしたら、きみは、真のぼくの恋人」
 直也にはどうしても理解できなかった。

「かぐや姫みたいですよね。絶対にできないことを頼むなんて」
 給仕してくれる直也は先刻のことなど忘れたように振舞った。
「そうね」
 直也は容姿に優れている。こうして世話を焼かれるのは楽しいが、油断は禁物だと思い知らされていた。
「でも、知らなかった。有名な詩だったんですね」
「ええ。反戦歌っていうのかな。ベトナム戦争の」
 詩の原型は直也の知っているマザーグースである。
「恋愛に関する詩かと思ってた」
「マザーグースは口伝ですもの。解釈は何通りあってもいい」
「兄さんには、ただの言葉遊びだって言われました。韻を踏むだけで意味なんかないって」
 麻理子は吹き出した。
「しりとりみたいな?直人らしいわね」
 これほど示唆に富んで謎に満ちた詩をそんなふうに断ずるとは、なんと無粋な男だろうか。まったくもって困った人だ。
「麻理子さんはどう思いますか?」
「私?」
 直也は麻理子と向かい合わせに腰かけると頷いた。
「課題を克服すれば夢が叶う。お伽話の定番ね。でも、そういう解釈が成り立つとしたら試す価値はあるかな」
「針も使わずにシャツを縫う?」
「裁縫は元から得意じゃないの。ちょうどいいわ」
 アイスティのグラスに口をつけると香り付けのハーブがむせ返るようだ。麻理子は目を閉じた。
「直也君は?」
「わかりません。『海水と砂浜の間』なんてどこにもないから」
 直也は窓の外へ目を向けた。なにを見ているのだろう。だが、すぐに気が付いた。
 麻理子がいつも追っている相手に違いない。自分もこんな顔をしているのだろうか。

「ハリィ」
 犬のハリィは眠っている。この頃は以前のように走り回らなくなった。
 一日の大半を寝て過ごしている。
「もし、ここを出られたらどこに行きたい?」
 ハリィは老いたのだった。人間の何倍もの速さで死に至ろうとしていた。今すぐにではないが、遠くない未来にそうなるだろう。
「ぼくは海を見てみたい。海の水は塩辛いんだ。それに、ずっと遠くまで続いてる。水平線までずっと」
 頭を撫でてやるとハリィは唸った。どんな夢を見ているのか。
「だから、海の水を舐めたら駄目だよ」
 陽がハリィの顔に当たっている。睡眠の邪魔になってはと直也は窓に近付いた。
 カーテンを引きかけて、外に目を向ける。
「『一エーカー』の土地か」
 麻理子と直人が寄り添って歩いていた。彼女の美しさは直也を前にしている時の比ではない。
「一エーカーもの土地を羊の角で耕す?」
 日差しの中で輝いているようだ。
「たった一粒の胡椒でそのすべてに種を蒔く?」
 麻理子ならやるだろう。針も使わず縫い目もないシャツを作り、涸れた井戸で洗うだろう。
「やってみてもいいよ。でも、場所がわからないんだ」
 直也は海を見たことさえないのだ。『海水と砂浜の間』にあるというその土地をどうやって探せばいいのだろう。
「最初から無理なんだ」
道案内を頼もうにも、彼の忠実な従卒は死にかけていた。
「だって、ぼくも、兄さんもどこにも行けない。ここから出られないんだよ」
 なぜ涙が出てこないのだろう。少しは気が紛れるはずだ。
 直也は顔をしかめてカーテンを閉めた。





END

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2008.07/12(Sat)

アニバーサリー企画第25弾! (chocoさん作品ⅩⅣ) 

           2007.12~?〈NIGHT HEAD〉アニバーサリー企画





〈ファイアボール +NIGHTHEAD〉 廉価版②



「シシカバブー。シシカバブーはどこだ?」
「また変なニックネームかよ。俺は、ゲデヒトニスだって」
 広間に入って来た直也を直人はうんざりと迎えた。
「違うよ、兄さん。『はい。お嬢様』でしょ」
「はい、お嬢様」
 直人は渋々答えた。
「よろしい、シシカバ。実は、ぼくね。メイドさんが見たいんだ」
「メイドさん?なんだ、それは?」
「四万八千年くらい前にアキハバラのメイドカフェってところに生息してたんだって。兄さんは見たことある?」(ファイアボールの世界では軽く二万年ほど人類とロボットが戦争状態にあるらしい)
「ちょっと待て」
 直人が手を叩くと広間の天井から情報伝達用のケーブル端末が伸びてくる。
「ただ今お屋敷の映像データベースを検索しております」
「すごい。まるで双海みたい」
「おお!これは愛らしい!」
 ゴーグルタイプのスクリーンを確認して直人が感嘆の声を上げた。
「そうだよ。愛でて良し。食べて良しなんだ」
 直人はゴーグルを外してまじまじ弟の顔を見た。
「愛でるのはわかるが、食べる方はおまえにはちょっと早いんじゃないか?」
「失礼な事を言わないでよ!もうビデオ屋のアダルトコーナーに行ったって怒られないし、女の子の一人や二人。どうってことないんだから!」
「左様でございますか」
 性質の悪い笑みを浮かべた直人を直也は睨みつける。
「なに、その言い方」
「台本通りだ。文句を言われる覚えはないぞ」
「もういいよ!早く映像を見せて」
 壁面一体型の大型スクリーンを起動させようとした途端、室内の灯りが一斉に落ちる。
「停電?」
「らしいな。時期に自家発電が動くはずだが」
「なかなか点かないね。なんか」
 直也は直人の傍に寄った。
「ちょっと怖い」
「怖いのか?」
「違うよ!兄さんが怖いんじゃないかと思っただけ!」
「左様でございますか、お嬢様。お気遣いありがとうございます」
 直人が弟の肩に手を回す。
「本当に怖くないから」
「わかってる。それより、随分、時間を食うな。これじゃ、懐中電灯でも探した方が早いぞ」
「駄目だよ!ハイテクロボット二人のシュールでドライな会話劇なんだから。そんなアナログな解決法じゃ視聴者が納得しないよ」
 暗くなると二人の声は自然と潜められた。
「あのさ。自家発電の機械ってどこにあるの?」
「インフラ関係は地下だろうな。メンテナンスの都合もあるし」
「地下なんてここより暗いよね?」
「そうだな」
 直也のため息が小さく響く。
「台本の下読みをしておけば良かったな。これからどういう展開になるんだ、直也?」
 返事がない。目をやると直也は気持良さそうな顔で眠っていた。
「ってなんで寝てんだよ。この先どうするんだ?起きろ!直也」
 直人に寄っかかっているとはいえ、突っ立ったままでよく眠れるものである。
「おい!まさか今回はこれで終わりか?さすがにゲストのお嬢さん方や優しい管理人のお二人も許してくれないと思うぞ!」
 軽く揺すってみたが、直也はなんの反応もない。
「エロなしオチなしじゃ不味いだろ?俺は知らないからな!」
 闇に包まれた広間に直人の大声が響くばかりであった。





終劇(え?)
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